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9話 死者の安息

 僕は街に向かった。

「歯ごたえねえな…。黒十字騎士はこんなものなのか」

 三メートルを超える大男は黒十字騎士の一人フェリクス・ラストの腕を掴みそう言った。フェリクスは大男にボコボコにされて変わり果てた姿になっていた。


「その辺にしときな」

 僕はそう言った。


「ああ、なんだ?お前」


「お前も黒十字騎士なのか?」

 大男はそう言った。


「ああ、そうだ」

 僕は答えた。


「魔力固定」

僕は右手を横に向けた。右手の全指先から黒い魔力が黒い炎のように燃え、手を覆った。右手に黒い大剣を出現させ黒い大剣を握った。空気中に漂う魔力を集め、自分の魔力を混ぜ合わせることで大剣を作った。


「死ね」

 僕はそう言い、大男に向かって斬りかかった。


「ん、なんだ?」

 大男に斬りかかったが、傷一つもつかなかった。何度も相手の手足に切りつけても傷はつかなかった。


「弱ぇ」

 男は拳を振るうと僕にあたり吹き飛ばされた。僕は咄嗟に剣を盾にして拳をガードするが無傷では済まなかった。僕は吹き飛ばされ壁に背中を打ち付けられた。


(相手にはこの剣では傷がつかない。どうする…)

(あれをやるしかない)

 僕はそう思い立ち上がった。


「双極」

 僕は左手を横に向けた。左手の全指先から黒い魔力が黒い炎のように燃え、手を覆った。左手に黒い大剣を出現させ黒い大剣を握った。空気中に漂う魔力を集め、自分の魔力を混ぜ合わせることで大剣を作った。


「アブソリュート・バースト」

僕は大男に剣を構えた。魔力を黒い大剣に流すことで黒い大剣の斬撃の威力を上げた。黒い大剣からは黒い魔力が漏れ、剣から黒い魔力が漂っていた。


「うおおおおおお」

 僕は自分に鼓舞し相手に向かっていった。


「何回やったって効かねえ」

 大男はそう言い、僕に拳を振り下ろした。

 僕はそれを避け相手の腕を黒い大剣で切りつけた。そうすると相手の腕から僅かだが血が出た。


「おお」

 大男は驚き、後ろに退いた。


「やるじゃねえか」

 男はそう言い、自分の腕から流れた血を舐めた。


「うああああああ」

 僕は相手に向かって走り出した。


「おもしれえ。おまえ、たこ殴りにしてやる」

 相手もこちらに向かって拳を振りかざしてきた。


 

 あれから何分経ったのだろうか僕は地面に倒れていった。相手の方が僕よりも遙かに強かった。

「おまえ、中々強かったから命だけは取らないでやるよ」

大男はそう言った。


「その代わり、お前の大切なものを犯してやるよ。お前の絶望する顔見てみてええなあああ!!」

 大男はそう言いこの場から立ち去ろうとした。


「おい、待てよ」

 僕は大男にそう言った。


「なんだあー、まだやるのかあー」

 大男はそう言い振り向いた。


「な、なんだその姿は」

 大男は驚いた様子でそう言った。


死者の安息(レクイエム)

 黒い大剣二本は分解され魔力となって僕の中に戻った。僕の右腕は黒い大きな魔力で覆われた。人の命を刈り取るような大きな黒い鉤爪(かぎづめ)、まるで大きな黒い化け物の腕のようだった。可視化できるほどの黒い魔力が漂った。


「死ね」

 僕はそう言うと大男に向かって言った。大男も雄叫びをあげ、向かってきた。


「そんな…馬鹿な…」

 大男の体は血だらけになり、体の一部が無くなっていた。

 大男は倒れ、死んだ。



「おお、あいつエルドラド倒したぞ」

 王都を見渡せる高台で優一の戦闘を見ている者がいた。八部衆の中の一人阿修羅がそう言った。


「あいつがレッドフィールド卿か…」

 八人の中のボス的存在である者はそう言った。


「そうです」

 八人の中の一人エルドラドを脱獄させた男、迦楼羅(かるら)はそう答えた。


「阿修羅、あいつ殺せそうか」

 ボス的立ち位置の男、天は聞いた。


「あいつ、強いかもしれないけど俺の力、五十パーだせば倒せそうかな?」

 阿修羅はそう答えた。


「従わないなら殺すだけだ」

 天はそう言った。


「ただいま」

 エルドラド倒した後、僕は自分の家に戻った。


「どうしたの、ボロボロになって」

 エリナはボロボロの僕の姿を見て驚いていた。


「疲れたよ。エリナ…」

 僕はそう言い、エリナに抱きついた。

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