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暗黒大景 / ANKOKU TAIKEI【パイロット版】  作者: 火山 千
第1部

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80話 暗黒顕現

 僕は黒い大剣を地に突き刺し、黒い大剣を自分の魔力の一部として取り込んだ。そして頭の上にあった青い天使の輪も消した。

「ライカ、お前はよくここまで頑張った。お前にあの姿を見せるつもりは無かったが、ここまで僕を追い詰める事が出来た褒美だ。お前に俺の本当の力を見せよう」

「暗黒顕現」

 僕がそう唱えると黒い暴風が僕の身体を包んだ。そして消え、僕の姿は変わった。今まで着ていた魔導服は別の服装に変わり、黒竜の翼に黒竜の角、黒竜の腕と足、そして黒竜の長い尻尾。暗黒竜眼の眼の色は青から赤に変わった。僕の今の姿は暗黒竜と呼べる位、禍々しい姿だった。


「武器顕現。妖刀:黒月斬鬼(コクゲツザンキ)

 僕は目の前に刀を出した。僕が刀を鞘から引き抜き、鞘は空間魔法で仕舞った。

「!」

 僕が高速でライカに近づいた。

「高速特化型か…」

 青い力の姿とは違い、素早かった。

(やった)

 ライカは緑の斬撃を僕に打つけた。しかし僕には効いていなかった。

「くっ…」

 ライカは僕が振り下ろした妖刀を黒い大剣で受け止めた。刀と剣が打つかり合い、火花が散る。

「おらあ!!」

 ライカは緑のオーラの力で押し返した。緑の斬撃が飛び散った。僕は距離を取った。

「ライカ、僕もバリア使うからお前もバリアを使え!じゃないと死ぬぞ」

 僕はそうライカに伝えた。

暗黒竜の黒い吐息(ダークネスブレス)

 僕は大きく息を吸い、そして黒い炎を吐き出した。

「アブソリュートバリア」

 ライカは緑のバリアを張り黒い炎を防いだ。

暗黒竜の黒い暴風(ダークネスウラガーン)

 黒い暴風がライカを包み込む。ライカは必死に緑のバリアを張り、攻撃を防いだ。そして黒い暴風は収まった。

「終わりにするか?ライカ」

 僕は息を切らし、今にも倒れそうなライカにそう言った。

「いや、まだ」

 ここら一帯の地から黒い魔力が吹き出した。そして魔力の色は赤く変わった。この世界の空気中、地中にある無数の膨大な魔力がライカを中心に集まる。ライカの身体は少し浮かび、赤い魔力はライカに向かって流れ込み、赤い球体となりライカを包み込んだ。赤い球体は中が透けていてライカの姿が見えた。周囲に無数の真っ黒な蝙蝠(コウモリ)が何匹も赤い球体の周りに羽ばたいていた。ライカの頭の上に赤い天使の輪が現れ、赤の球体の周りに黒い閃光が光った。

「限定第四解放:死と滅亡の運命(ラグナロク)・アナザーオーバー」

 ライカは唱えた。そして赤い球体は割れた。ライカの宙に浮いていた足は地面に着いた。


「お父さん、私まだ戦えるよ」

 ライカは好戦的な眼をしていた。

「そうか。掛かって来い」

 僕は刀を構えた。

「究極魔法:イル・ネア・ブラスト・アナザーオーバー」

 ライカは叫び、赤い斬撃を僕に打つけようとした。

暗黒結界あんこくけっかい

 僕は自分を中心に黒くて円形の結界を展開し、赤い斬撃を防いだ。

「いつまで防げるかな」

 ライカは赤い斬撃を何度も僕の結界に打つけた。

「古代究極魔法:暗黒竜の黒炎(ダークネスフレア)

 僕は揺らめく黒い炎を刀に纏わせた。僕は暗黒結界を解除し、黒い炎をライカの赤い斬撃に打つけた。

「おらあっ!!」

 僕は攻撃に転じた。妖刀に纏わせた黒い炎を振るった。

「ぐっ…」

 黒い炎の斬撃をライカは黒い大剣に赤いオーラを出し相殺させる。

「まだまだあっ!!」

 僕は黒い炎の斬撃をライカに向けて放った。黒い炎の斬撃が膨れ上がり、地面を削り取った。

「大味だな…」

 黒い炎を放出した時、黒い炎の威力が大雑把過ぎてこの刀はダメだった。刀の切れが悪いからライカに打つけてもあんまりダメージが無い。

(まあ、ライカを殺すつもりがないから良いんだけど。今、僕が使っているのは一応、妖刀だぜ…)

(年月が過ぎ、切れ味が悪くなったのか?)

 僕はそんな事を思っていると…。

「お父さん、余所見しない!!」

 ライカはこちらに向かって来て剣を振り下ろしてきた。接近戦に持ち込むつもりであろう。

「アブソリュートバースト・アナザー」

 ライカはそう叫んだ。魔力を黒い大剣に流すことで黒い大剣の斬撃の威力を上げた。黒い大剣からは赤い魔力が漏れ漂った。

「!」

 僕の刀は折れた。ライカは後ろに移動した。

「まさか、折れるとはな…。役立たずの(なまくら)

 僕は折れた刀を捨て、空間魔法で鞘を出しそれも捨てた。

「武器顕現。妖刀:黄泉(ヨミ)

 僕は自分が持っている刀の中で最後の一振(ひとふり)の妖刀を出した。鞘は空間魔法で仕舞った。

「この妖刀を使う事になるとはな…」

「ライカ。俺を本気で殺しに来ないとお前、死ぬぞ」

 僕は妖刀、黄泉を黒い炎を纏わせ、斜め下から上に振った。分厚い、黒い炎の斬撃が飛んだ。

「やっぱ、この刀は良い。魔力を纏わせて放っても一切の無駄の無い、切れのある斬撃だ」

 僕は飛ばした斬撃をライカは黒い大剣に赤いオーラを放出させ防いだ。先までの大味な斬撃とは違い、研ぎ澄まされた斬撃であった。ライカは身の危険を感じ取り、全力で防いだ。

「おらあっ!!」

 僕は全盛期に使っていた刀を久しぶりに試したく、黒い炎を纏わせライカに何度も打つけた。

「ぐっ…」

 ライカは赤いバリアを張り、斬撃を防いだ。何度も黒い炎の斬撃を打つけられ赤いバリアに(ひび)が入った。

「ライカ。お前は刀の()()しはどうやって分かるか知ってるか?」

「……、くっ…」

僕はライカの方に飛び込み、刀を振り下ろした。ライカは黒い大剣で受けた。

「刀の善し悪しは人を沢山、斬る事で分かる物なんだ」

 ライカは何度も振られる刀を剣で受けた。

「俺は過去にこの刀で人を何人も斬り殺してきた。お前の作った大剣とは重みが違うんだよ」

 ライカは剣で振り下ろされた刀を受け止める。父親の眼を見ると黒い渦を巻いていた。優しかった父親の眼では無かった。

「黄泉はお前から吹き出す赤い鮮血を求めている!!」

 僕はライカを殺そうとしていた。

「お父さん…」

 妖刀の所為でここまでお父さんが好戦的になるなんて思わなかった。まるで自分を写す鏡を見ているかのようだった。レイジお兄ちゃんも私と戦った時、今のお父さんのような禍々しい姿に見えたのだろうか。

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