68話 絶望
イザベラの予言でこの日にオレガノが優一宅に襲撃するのでオレガノと戦う者は武器を携え、家の敷地で待ち伏せした。
「ほう、イザベラの予言か…」
仮面の男はそう言い、家の敷地に入ってきた。
「!」
仮面の男と戦う者の足下に大きな魔方陣が光り、僕らは別の場所へと移動した。その場所とは王都の外であった。
「まさか、転移魔法を使われるなんて思ってもみなかったよ」
「この私と戦うのはお前達で合っているか?」
仮面の男は聞いた。
「そうだ」
ルークは答えた。
「優一はいないのか?」
「………」
仮面の男は聞いがみんなは何も答えなかった。
「どうやら優一はこの私に恐れをなして逃げたらしい」
「自分は逃げて子供達には私と戦わせる。お前達の父親はとんだ腰抜けだな!」
仮面の男はそう言い笑った。
「何でお前みたいな奴にそう言われないといけないんだ!!」
ルークは叫んだ。
「父さんはな、レイナを守るために呪いを代わりに受けたんだ」
「でもそれって私と戦いたくないから出た言い訳だよね」
仮面の男は笑いながらそう言った。
「もういい。それ以上、喋るな」
ルークは怒りを露わにした。
「みんなの力で奴を倒すぞ」
「「暗黒解放」」
ルークの掛け声でみんな暗黒解放し、頭の上に天使の輪が現れた。
「行くぞ!!」
みんなでオレガノに襲いかかった。
「くっ…」
オレガノは青い天使の輪を使わなくても僕たちを圧倒した。
「こんなものか…」
オレガノはがっかりした。
空には雲一つ無い快晴だったが、黒い雲が現れ、空を覆った。
「「究極魔法:赤い雷」」
ルークとライカは唱えると黒い雲から赤い雷がオレガノに目掛けて落ちてきた。
「アブソリュートバリア」
オレガノは青いバリアを展開し、雷の攻撃を防いだ。
「「赤い雷よ、纏え」」
赤い雷は唱えた僕らの前に突き出した黒い大剣に落ちてきた。赤い閃光が黒い大剣に走る。黒い大剣に赤い雷が纏った 。
「「 削れ!」」
ルークとライカは赤い雷を纏った黒い大剣を振り回すと、纏っていた赤い雷が地面を削り取り、オレガノに向かって行った。だがしかし、青いバリアで防がれ、オレガノは無傷であった。
「それなら!!」
レイジとアリアは黒い大剣に有りっ丈の力を込めた。レイジとアリアの周りにそれぞれのオーラの色の稲妻が走った。レイジとアリアの剣の持ち手から刀身にかけて閃光が走る。レイジとアリアの黒い大剣は青いオーラと赤いオーラが渦みたいに流れた。
「「イル・ネア・ブラスト」」
レイジとアリアは剣を振り下ろした。青の斬撃と赤の斬撃がオレガノを挟む。
(!)
オレガノは少し焦り、風魔法で空間に穴を開け、斬撃を逃がした。
「そんな…」
レイジは渾身の一撃を難なく防いだオレガノを見て絶望した。
「クソがああああああああああ」
レイジは叫び、オレガノに剣を振り下ろした。だが、難なくいなされ、オレガノは剣を地に刺し、拳をレイジの腹に打つけた。そしてレイジは意識を失った。
「レイジ!!」
ルークは叫び、オレガノに剣を振り下ろすが無駄であった。ルークも倒された。
みんなそれに続いて攻撃をするが無意味だった。一人また一人、オレガノに倒された。
そしてアリスだけが残った。
「………」
まさかオレガノが母さんを倒すとは思ってはいなかったのでアリスは焦る。
「君で最後だ」
オレガノはアリスに剣を振るう。アリスも負けずに剣を振るった。
ギギギギギギ。
剣同士が擦れあい、音が鳴る。鍔追り合いになった。
「お前は私が倒す!この命に代えても!!」
「ほう、言うねえ」
「アブソリュート・バースト」
アリスは剣の斬撃の威力を上げた。剣から赤い閃光が走る。互いに剣を交え、接戦となり鎬を削った。
(良いぞ、押してる)
赤い斬撃がオレガノを守りに転じさせ、押していた。アリスは何度も攻撃し、身体を回転させ剣を横に振りぶん回し、より斬撃の威力を上げた。
「クソ。中々、やるな!!」
オレガノは褒めた。
「だが君は僕に勝てない」
オレガノはそう言うとアリスは急に力が入らなくなり動けなくなった。
「終わりだ、さようなら」
オレガノはアリスに目掛けて剣を振り下ろそうとした。
(死ぬ!)
アリスはそう思い、目を瞑った。
「何っ!!」
アリスは黒いバリアでオレガノの剣を防いだ。そしてアリスの頭の上に黒い天使の輪が現れた。
「優一の力か…。いつまで耐えられるかな」
オレガノはアリスを守る黒いバリアに剣を振り何度も攻撃した。
(このままじゃ、やばい。でも動けない!)
アリスは身の危機を感じるが身体は動けなかった。
「僕の力が奪われたから目が覚めて誰かのピンチかと思い、急いでここに来たがどうやら間に合ったらしいな」
優一はゲートでこの場所へ来てそう言った。
「お父さん!!」
アリスは僕の姿を見て泣いていた。
「アリス、動けないのか?」
「うん」
「よく頑張ったな」
僕はアリスを抱きかかえ、安全な場所へ移動させた。




