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暗黒大景 / ANKOKU TAIKEI【パイロット版】  作者: 火山 千
第1部

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63話 揺らめく

「死ね」

 ランスロットは剣を振り下ろした。


「!」

 ランスロットの剣はイシスに止められ、弾き返した。ランスロットは驚き、後ろに移動した。


「母さん」


「ルーク、貴方はここで待ってて」


「限定世界」

 イシスとランスロットは引きずり込まれ、円形闘技場に辿り着いた。


「ここなら思う存分、暴れられるわ」

イシスはそう言った。


「暗黒解放:死と滅亡の運命(ラグナロク)

イシスは唱え、イシスの頭の上に黒い天使の輪が現れ、黒い大剣から黒い魔力が漏れ、体の周りからは黒い閃光が光り、そして消えた。


「!」

 ランスロットはイシスに向かって来て剣を振り下ろした。


「ぐっ……」

 何度も振り下ろされる剣をイシスは受け止めた。だがしかし剣での攻撃は止まなかった。

 その間にイシスは詠唱を始めた。


「狂気に満ち、揺らめく黒き業火に全てを喰らい尽くす災いを(もたら)す破滅の力。大禍津日神(おおまがつひのかみ)と化す、我が力よ。我が呼び声に応え給え」


「究極魔法:世界を焼き尽くす炎(ダークエンド)

 黒い炎がイシスの黒い大剣に纏った。黒い大剣に纏っていた黒い炎は膨れ上がり、ランスロットに燃え移りそうになった。


「………」

 ランスロットはイシスから距離を取った。


「飛べ」

 イシスは黒い大剣を横に振った。そうすると黒い炎の斬撃がランスロットに向かって飛んできた。


「がはっ!」

 ランスロットは黒い炎の斬撃を剣で防ぐが、斬撃の重みで吹き飛ばされ、闘技場の壁に打つかり血を吐いた。


「くそがっ!」

 ランスロットは膝を突くがすぐに立ち上がった。


「!」

 ランスロットはイシスの所に向けて走った。接近戦に持ち込む気だ。


「飛べ!」

 イシスは四回、剣を振り、黒い炎の斬撃をランスロットに向けて飛ばした。


「!」

 ランスロットはいとも簡単に黒い炎の斬撃を避け、イシスに向かって行った。


「死ね」

 イシスは黒い大剣を振り下ろすと目の前が黒い炎で焼き尽くされた。


 イシスはランスロットに勝利した。イシスの頭の上にあった黒い天使の輪はひびが入り割れて消えた。イシスは元の世界にゲートで戻った。


「ルーク、大丈夫?」

 イシスはルークに聞いた。


「母さん、奴はどうなった?」


「私が殺したよ」


「えっ?」

 イシスは答えにルークは驚いた。


「おーい」

 ユウイチが来た。


「大丈夫か?二人とも」

 僕は二人に聞いた。


「敵はどうしたんだ?」


「母さんが倒したよ」

 僕が聞くとルークはそう答えた。


「久しぶり、ラプラス」

 エリナの身体を借りているイシスは僕にそう言った。


「お前、イシスなのか…?」


「そうだよ」

 イシスはそう答える。


「エリナはどうなったんだ?」


「エリナが心配?」


「当たり前だろ」

 僕がそう言うとイシスは悲しそうな顔をした。


「エリナは私の心の中にちゃんといるよ」


「それはどういう意味だ、生きているのか?」


「うん。生きているよ」

 イシスがそう言うと僕は安心した。


「ラプラス…」


「何だ?」


「私は今、この身体の主人格として生きている。ラプラスはこのままの私と生きていくのかそれともエリナの人格と生きるか。貴方は私とエリナどっちを選びたい?」


「それは…」

 僕は急にそう言われ、迷った。

 エリナも心の奥底でこの会話を聞いていた。


「俺は、俺は…」

 僕はどっちを選べばいいのか分からなかった。


「なーんてね。冗談だよ」

 イシスの言葉に僕はポカンとした。


「私はエリナにこの身体の主導権を渡してまた心の奥深くへ戻るよ」


「ごめん」

 僕は謝った。


「何で謝るの?泣きたいの我慢してたのに」

 イシスは泣いていた。


「本当は嫌だよ。私だってラプラスと一緒に人生を送りたいんだよ」

 僕はイシスを抱きしめ髪を撫でた。


「ラプラス…。一つお願いがあるの」


「何だ」


「私にキスをして」

 僕はイシスにそう言われ、イシスにキスをした。


「イシス、もう少しエリナの心の奥底で待っててくれ。俺が何とかしてエリナ、イシスみんな笑顔で暮らせるようにするから」

 僕はイシスを抱きしめそう言うとイシスは頷いた。


「待ってるね、ラプラス」

 イシスはそう言うと、地面に倒れそうになった。


「イシス!」

 僕はエリナの身体を支えた。


「ユウイチ…」

 エリナは優一の名を呼んだ。そして僕を抱きしめた。


「ルーク、悪いがお前は母さんを連れて家に帰ってくれ」


「分かった」

 ルークはエリナを連れ家に帰った。

 僕は次の場所に急いで行った。

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