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暗黒大景 / ANKOKU TAIKEI【パイロット版】  作者: 火山 千
第1部

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56話 ブラン・ガラッドの角笛

 その頃、優一は王都の外で黒い大剣を持ち、相手を待っていた。空から一人の男が地に舞い降りた。


「お久しぶりです、先生」

 黒い大剣を持った男は僕にそう言った。


「久しいな、アーサー。いや、アーサー王と言った方が良いか?」


「やめて下さい、先生」

 アーサーは大昔の師である僕にそう言った。


「まさかお前達、円卓の騎士が蘇るとは思ってもみなかった。僕は嬉しいよ、嘗ての僕の弟子に会えるなんて」

 僕はアーサーにそう言った。


「僕も嬉しいです。先生にまた会えて」

 アーサーはそう言った。


「アーサー、お前は何しに来た。まさか僕と話しに来たのか?」


「いいえ、違います。私は貴方と貴方の家族を殺すために蘇りました」

 アーサーはそう答えた。


「そうか…。僕は息子が心配だ、早く様子を見に行きたい。だが、そうはいかないようだな。本気で相手をしてやろう。だからお前も本気で来い」


「分かりました。全力でいきます」

 僕はアーサーにそう言った。


「暗黒解放:死と滅亡の運命(ラグナロク)もう一つの力(アナザー)

 僕は剣を持った右腕を横に伸ばし、剣を斜め下に向けた。そして唱え、僕の頭の上に赤い天使の輪が現れ、剣から赤い魔力が漏れ、体の周りからは赤い閃光が光り、そして消えた。


「暗黒解放:死と滅亡の運命(ラグナロク)・アヴァロン」

 アーサーはは剣を持った右腕を横に伸ばし、剣を斜め下に向けた。そして唱え、アーサーの頭の上に灰色の天使の輪が現れ、剣から灰色の魔力が漏れ、体の周りからは灰色の閃光が光り、そして消えた。


「くっ…」

 僕はアーサーに向かって走り、剣を振り下ろした。アーサーは剣で受けた。アーサーは攻撃に転じ、お互いに剣同士がぶつかり合った。


「「………」」

 僕はアーサーから距離を取った。


「切が無い。大技でけりをつけよう」

 僕はそう言い、空には雲一つ無い快晴だったが、黒い雲が現れ、空を覆った。


「究極魔法:赤い雷(アカイイカズチ)

 僕が唱えると黒い雲から赤い雷がアーサーに目掛けて落ちてきた。


「ぐっ…」

 アーサーは空間魔法で小さなゲートから盾を出し、上から降ってきた赤い雷を盾で防いだ。


「ほう、防いだか…」

 アーサーが赤い雷を防いだのを見て僕は感心した。何故ならアーサーにはこの技を今までに一度も見せたことの無かったからだ。


赤い雷(アカイイカズチ)よ、纏え」

 赤い雷は僕に向かって落ちてきた。赤い雷は僕が前に突き出した黒い大剣に落ちてきた。

 赤い閃光が黒い大剣に走る。黒い大剣に赤い雷が纏った 。

 アーサー王は盾を仕舞った。


「生贄はこれでいいだろう」

 空間魔法で縄で縛られている男二人を出した。


「ブラン・ガラッドの角笛」

 アーサー王は空間魔法で角笛を取り出した。

 

 フオオオオオオオオオオオオオオオン

 角笛が鳴り響いた。


 空に大きな空間の裂け目ができそこから大きな飛竜が出てきた。

 生贄の男二人の真下に魔方陣が現れ男二人は魔方陣に吸い込まれ、消えて無くなった。


「飛竜よ、この空に浮かぶ黒い雲を蹴散らせ」

 飛竜は主人の言葉通りに口から空気を勢いよく吐き出し黒い雲を蹴散らした。空は晴れた。


「戻れ」

 飛竜は主人の声に従い、空間の裂け目へと戻って行った。空間の裂け目は消えた。


「まさか僕が引き寄せた雷雲を蹴散らすとは…」

 僕はアーサーが雲を蹴散らすために飛竜を呼び出すと思ってなかった。僕はまた雷雲を引き寄せることも出来るがそんな無粋なことはしない。


「!」

 アーサーは剣を地に突き刺し、空間魔法で短剣と紫色の液体が入った小瓶を出した。そして小瓶の蓋を開け、短剣に垂らした。どうやらその紫色の液体は毒だろう。アーサーは空になった小瓶を捨て、また空間魔法で物を出した。アーサーは四隅に林檎の刺繍がしてある白いマントを出し被った。そうするとアーサーは透明になった。


「厄介だな、だがまあいい」

「削れ!」

 僕は赤い雷を纏った黒い大剣を振り回すと、纏っていた赤い雷が地面を削り取った。


「おらああっ」

 僕はアーサーが見えないので剣をぶん回した。赤い雷が地面に当たり辺り一帯の地面はひび割れ、ガタガタになった。


「!」

 黒い大剣をぶん回したお陰で何かに赤い雷が当たった感触がした。

 ジジジジジジジジ…。

 アーサーを包んでいた白い透明になれるマントは赤い雷で焦げ、透明にはもうなれなくなった。


「………」

 アーサーは透明になれるマントを捨て、短剣を使いひび割れた地面の影に身を潜めた。


(クソ、あの短剣はカルンウェナンか…。わざと僕が無差別に攻撃するように仕向ける事で。地面がひび割れ隙間に影ができそこに潜みやがった)


(はか)ったな、アーサー!」

 僕がそう大声で言った。


(非常にまずい、もし少しでも毒が付いた短剣で切られたら即死だ)

 僕は焦った。

 僕は風魔法で宙に浮くことで攻撃を未然に防いだ。


「随分と小賢しい事をするようになったな、アーサー!!」

「………」

 僕は大声で言ったが反応は無かった。


「もういい。この辺り一帯を吹き飛ばしてやる」

 僕は黒い大剣に有りっ丈の力を込めた。僕の周りに赤い稲妻が走った。僕の剣の持ち手から刀身にかけて赤い閃光が走る。僕の黒い大剣は赤いオーラが渦みたいに流れた。


「イル・ネア・ブラスト」

 僕は剣を振り下ろした。赤の斬撃が下に落ちてくる。


「アブソリュートバリア」

  アーサーはひび割れた地面の影から出てきて、円形の灰色のバリアを張った。アーサーは全ての力を防御に回し、アーサーの黒い大剣は魔力となってアーサーの元へ戻った。赤い斬撃は地を削り取った。

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