表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
暗黒大景 / ANKOKU TAIKEI【パイロット版】  作者: 火山 千
第1部

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

48/117

48話 過去の思い出

 あれから数日後…。

 僕はシエラとアリアで買い物をしていた。

 その頃、家では…。


「すみませーん」

 エリナは玄関から女の人の声が聞こえたので玄関へ行き対応した。


「大丈夫?、母さん」

 ルークは心配になって玄関の様子を見に来た。エリナは来客と何か話しているようだった。


「ルーク、大丈夫よ。お母さん、ちょっと用事が出来たから家を出るね。ルーク、留守番よろしくね」


「ああ」

 ルークは母にそう言われた。


 来客を見た感じ女の人しか居ないし、何か母さんの知り合いっぽいので大丈夫だろうと思った。


 エリナは何処かへ出かけた。


「ただいまー」

 僕とシエラとアリアは買い物を終えたので家に辿り着いた。


「あー、疲れた。アイスココアでも飲むか。あれ、エリナは?」

 僕はエリナがいないので自分の子供に聞いた。


「母さんは、女の人と何処かに出かけたよ」

 ルークはそう言った。


「どういう事だ?」


「母さんの知り合いっぽい女の人が数人、家に来て一緒にどこかに行った」


「お前、何でそれを僕が帰ってくるまで留めなかった?」


「母さんも子供じゃないし自分で判断出来るだろ」


「父さんは過保護過ぎる。母さんはその内、帰ってくるでしょ」


「お前には失望したよ」

 僕はそう言い、玄関で靴を履き外に出た。

 僕は宛てがないので色んな所を探そうとした。


「………」

 僕は森の中を歩いていた。どうやら僕の跡をつけている奴がいるようだ。

 僕は森を抜けた開けた場所に出た。


「隠れてないで出て来い」

 僕は声高らかに言った。


「!」

 僕は森から出てきた奴の顔を見て驚いた。


「久しぶり、お父さん」

 僕にそう言ったのは僕が知っている女だった。水色のドレスを身に纏い、黒い大剣を持っていた。


「僕はお前のお父さんじゃ無い」


「ふふっ」

 僕の発言を女は聞いて少し笑った。


「もしかしてお前らがエリナを…いや、イシスを連れ出したのか?」


「そうだよ。お父さん」


「今更、僕達に何の用だ。エリナに何をしようとしている?」

 僕は氷のような水色の髪の女に聞いた。


「今のお母さんは昔の記憶がない、何かしらの理由で別の人格がお母さんを動かしている」


「だからイシス母さんの人格を取り戻させる。そして私たちは幸せに暮らす。お父さんもイシス母さんと会いたいでしょ?」


「会いたいに決まってるよ。でもエリナも愛しているんだ」


「もしエリナの人格を消してイシスを主人格にするつもりならお前達は全員殺す」


「お父さんは浮気性だね。イシス母さんは悲しんでいるよ」


「物事っていうのは何か理由があってそうなっているんだ」


「だからイシスが転生して過去の記憶が引き継がれなくなったのは何か理由があるんだ」


「良いの?私たちがこうやっている間にエリナさんの人格は消えてしまうよ」


「そうだな。俺はお前を殺して前に進む」


「魔力固定」

 僕は右手を横に向けた。右手の全指先から黒い魔力が黒い炎のように燃え、浸食するように手を覆った。


 右手に黒い大剣を出現させ黒い大剣を握った。空気中に漂う魔力を集め、自分の魔力を混ぜ合わせることで大剣を作った


「暗黒解放:死と滅亡の運命(ラグナロク)

 僕は唱えた。僕の頭の上には黒い天使の輪が現れた。


 黒い大剣から黒いオーラが漏れ、身体からは黒いオーラが漂った。


「暗黒解放:死と滅亡の運命(ラグナロク)凍れる世界(フリーズワールド)

女は唱えた。女の頭の上には水色の氷の天使の輪が現れた。


 黒い大剣から氷のオーラが漏れ、身体からは氷のオーラが漂った。


「「………」」

 お互いに剣を構えた。


「行くよ、お父さん」


「ああ」

 お互いに走り出し、相手に向かった。


「………ギギギ」

 黒い大剣同士がぶつかり合う。


「!」

 僕はわざと込めていた力を抜き相手の剣を蹲んで避け、女が力を込めていた剣を振らせた。


「死ね」


「アブソリュート・バースト」

 僕は魔力を黒い大剣に流すことで斬撃の威力を上げた。僕の剣先が女に当たろうとしていた。

 

 しかし…。


「アブソリュート・バリア」

女はそう叫び、氷のバリアで攻撃を防いだ。


「…っ!」

 僕の黒い大剣が女のバリアを破壊した。女は回避するために後ろに移動した。


「!」

 女は後ろに移動した後に前に踏み込んだ。後ろに後ずさり防御の体勢を取るのかと思いきや、攻撃に転じたので僕は驚いた。


「くっ…」

 お互いに剣をぶつけ合った。相手の女は攻撃の姿勢を崩さなかった。


「流石だな。お前には剣の才能があることは知っていたが、戦いの駆け引きの才能もあるとは…」


「ここまでになるのにお前は何人の人間を殺した?」

 僕は後ろに下がり、相手から距離を取った。


「私は人を殺したことは無いし、人と戦ったことも無いよ」


「なぜここまでお父さんと戦えると思う?」


「それはね…、父さんが私に与えた力が私に戦い方を教えてくれるからだよ」


「そうか…」

 僕は遠い昔に僕と今戦っている女、ハクアに僕の力の一部を譲渡した事があった。


 

 その頃、エリナ達は…。

 エリナを連れていった女達の家に辿り着き、家の中に入った。


「お母様、どうですか。何か思い出せませんか?」

 女達の中の一人がエリナにそう言った。


「何も思い出せないわ。申し訳ないけどイシスさんと私は別人で多分人違いだと思うよ」

 エリナはそう言った。


「そんな事は有り得ません。絶対に貴方はイシス母様の生まれ変わりです」

エリナの言葉に女は焦った。


「エリナさん、貴方に全てを話しましょう」

 もう一人の女は話を始めた。


「貴方の夫であるユウイチは(かつ)て私たちが生きていた時代に受肉し、私たちの母様と暮らしてました」


「父様と母様は愛し合い、いつかは子供が出来ると思っていた。しかし子供は出来なかった」


「父様が調べた結果、どうやら母様は子孫を作れない体質だという事が分かった。それを父様が母様に伝えると母様は酷く悲しんだ」


「そんな母様を見て父様はお母様にホムンクルスを作るように言った」


「創造主である父様にとって人間を作り出すのは簡単だった。けれど父様は受肉した身、ゼロから人間を作る力は無かった」


「しかしホムンクルスなら人間でも作る事が出来る。母様は黒魔術師の始祖と昔から呼ばれており一番最初の魔女であった」


「だからホムンクルスを作るのに時間は掛からなかった。母様はホムンクルスを作るため、部屋に籠もった」


「そして母様はホムンクルス…、私たちを作り出した。私たちは母様と父様に育てられ、大きくなった」


「私たちには母様から属性の力を分け与えられていた。それは母様からのプレゼントだった」


「私たちは一人一属性使えた。他の属性の魔法は使えなかった。だが母様から渡された属性の力を使えない者がいた、私の妹のハクアだ」


「ハクアは母様から氷の属性の力を渡された。ハクアは姉や妹と違い属性の力を使えないためいつも泣いていた。自分だけ家族の絆が無いと…」


「母様はいつもハクアの頭を撫でて宥めた。私や妹達ははそんな妹を見て辛かった」


「それを見ていた父様はハクアに自分の力の一部を分け与えた。ハクアは氷属性の力を使えるようになった。ハクアも属性の力を使えるようになり、みんな喜んだ」


「父様はいつも部屋に籠もり何かの研究ををしているが、家族のために動いてくれた。それが嬉しかった」


「私たちは血が繋がっていないけど、そんなの関係ない。私たちは家族なんだと母様は私たちにそう言った。それを聞いた私たちは泣いた」


「それから何年も家族で一緒に暮らした。平穏で幸せだった」


「魔女である母イシスは他の人と違い、外見は魔法で劣化せず、寿命も他の人の三倍は生きれるそうだ」


「父様も魔法で外見が年を取らないようにし、寿命も延ばすようにと母様が言ったが、父様は断った」


「父様はこの世でやる事は終えたから未練は無いと言った。多分、父さんはずっと部屋に籠もってやっていた研究が完成したのだと私は思った。お父様は寿命で亡くなった。母様は嘆き悲しんだ」


「お父様は死ぬ間際、自分は創造主だと私たちに言いました。私たちは一緒に暮らす内、お父様の正体を薄々気づいていた」


「お父様はイシス母様に次に受肉する時を伝えました。イシス母様は父様とまた結ばれるために部屋に籠もり、父さんとまた一緒の時を過ごすために転生魔術を完成させようとした」


「そしてついに母様は転生魔術を完成させた」


「母様と一緒に行きたかった私たちは母さんに私たちも連れて行ってくれと頼んだ。母さんは困った顔を見せたが、私たちも一緒に転生することを許した。そして私たちは転生した」


「これが全てです」

 一番上の姉は説明をし終えた。


「エリナさん…?」


「………」

 エリナは涙を流していた。


「思い出したのですか?」

 女達の中の一人がエリナに聞いた。


「分からないでも涙が出るの」

 エリナは涙を流しながらそう言った。


「ハクアは?ハクアがいない」


「母様思い出したのですか?ハクアは今、父様と戦っていますよ」


「父様は母さんを連れ戻そうとするからハクアが父さんの足止めをしている所でハクアは時間を稼いだら戻って来るから大丈夫ですよ」


「ダメ。ユウイチを止めなきゃ、ハクアは殺される」

 エリナがそう言うと女達は青ざめた。


「ハクアの居場所は分かるの?分かればゲートで行けるわ」


「お母様、ごめんなさい。ハクアの居場所は分からないです」

 女達の一人はそう言った。


「みんなで手分けして探しましょ」

 エリナはそう言い、みんなで手分けして探すことになった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ