27話 死の指輪:アダト
バリンッッ!!
「紫電防壁」
ライラは自分が捕らわれた水晶を紫電を纏わせたバリアで破壊した。水晶は割れ崩れ落ちた。
「少しでもお前に対する警戒を解いていたら死んでいた」
「いい攻撃だった。成長したな、ユウイチ」
「………」
ライラは僕を褒めた。僕は何も言わなかった。
「!」
ライラの周りに紫電が空気中で光るとライラは目にも留まらぬ速さで僕に近づき鳩尾に拳を打つけた。
「があああっ!!」
「私の言葉を無視するなんて随分偉くなったものだな」
僕は鳩尾に拳を打つけられ、両足の膝を地に突き痛みで苦しみ蹲った。
「おらあああっ!」
「暗黒火爆」
僕は手で空気を振り払った。そうすると振り払った方向に爆発した。ライラは後ろに素早く移動し避けた。
「折角、苦しむ演技をしたのにこの攻撃を避けるのかよ」
「クソが」
僕はそう吐き捨てた。
「火羅紅」
僕は手をライラに向けた。そうすると手の前に大きな赤い火の球体が出来た。それを僕はライラに向けて放った。
「紫電防壁」
ライラは紫電のバリアを張り、火の球体の攻撃を防いだ。結界と火の球体が打つかり合った。
「爆」
僕はライラに向けていた。手を握りしめると赤い火の球体は爆発した。
「………、マジかよ」
ライラのバリアは傷一つも付いていなかった。
「これで終わりだ」
僕は両手を地面につけ、獣の姿のような格好になった。僕は口を大きく開けると周りに深い赤色の閃光が走った。
「古竜固有魔法:究極の火景の砲撃」
僕は力を放った。 赤い力が目の前の全てを破壊しライラに向かって行った。
「くっ…」
ライラも獣のような姿勢になり、口を大きく開けた。
「古竜固有魔法:究極の紫電の砲撃」
ライラの周りに紫の閃光が光り、そしてライラは紫の力を僕に向けて放った。
ドオオオオオオオオオオオオオオオオンンンンン!!!!!
黒い力と紫の力が打つかり合い、辺り一帯を吹き飛ばした。もの凄い衝撃と音が鳴り響いた。
力と力の打つかり合いで土煙は舞っていたが、消えた。
「力は互角か…」
ライラはそう呟いた。
「これはどうだ?四方龍門」
「!」
ライラは地面に両手を付けると僕を中心に四方に大きな門が現れた。門の中は異空間と繋がっているようだ。
そして四つの門の中の歪みから黒い竜が頭を突き出し黒い炎を口から吐き出した。
「死の指輪:アダト。吸収しろ」
僕は空に手を上げると指輪が四方の門から吹き出した黒い炎を吸収した。
「私の技を吸収するか。素晴らしい力だ。だが次に繰り出す私の大技は防げるかな?」
「古竜化:紫電竜」
ライラは紫色の竜の姿になった。そして空へ飛んだ。
「全てを破壊する力をお前に打つけてやろう」
竜の姿となったライラは口を大きく開けると周りに紫の閃光が走った。口の前に黒い力の塊を作りだし溜めた。




