24話 アリアの行方
ドンドンドン!!
扉を叩く音で僕は目を覚ました。どうやらもう朝のようだ。
僕は扉を開けると、エリナとレイカと水月、レオがいた。
「おはよう、眠れた?」
エリナにそう聞かれた。
「ああ、僕はぐっすり眠れたよ」
僕は眠たい目を擦りながらそう答えた。
「入るね」
エリナはそう言い、エリナ達は室内に入った。
「おはようございます。エリナ」
「おはよう、ルナ」
ルナは眠たそうにしながら挨拶した。
シエラとカミラも起きた。
「みんな、よく寝れた?」
「…………」
エリナはそう聞くとエリナ以外の僕の嫁達がジト目で僕を見た。
「ユウイチ、何かエッチな事みんなにしたんでしょ」
エリナは僕にそう言った。
「いや、してないよ。なあ、みんな」
「………」
僕は疑惑を晴らそうとしたがエリナ以外の僕の嫁達は黙った。
「最っ低!!」
エリナはそう言い、僕の顔を殴った。
「朝っぱらから殴られるのはキツいな」
僕は吹っ飛び布団にダイブし、僕はそう言い残した。
僕達はホテルの朝食を食べに行き、その後は各自、自由な時間を満喫した。
お昼前になり僕達は時の石のお披露目会がある場所に向かった。
「みなさん。お忙しい中、集まってくださりありがとうございます」
「今日は私の博物館の開業、三十周年を祝して皆様に時の石をお見せしたいと思います。
博物館の前で館長がそう言うと拍手が起こった。
「ご覧ください。これが時の石です」
真ん中に置かれている台の上にある物は布が掛けられており、それを館長が取っ払った。
「「おおー」」
大勢の時の石を見に来た観客はそう反応した。
時の石は吸い込まれそうな位、美しい深い青色をしていた。
「!」
観客の方から仮面を付けた赤髪の女性が出てきた。
「何だ、お前は」
館長は急に現れた怪しげな者に驚いた。
「時の石を強奪するつもりか。お前達!!」
館長がそう言うと武器を持った館長に雇われた屈強な戦士達が仮面の女の前に立ちはだかった。
「おい、お前。時の石を盗むつもりなら止めておいた方がいい、捕まったらただでは済まん」
男はそう警告した。
「そんな事は百も承知」
仮面の女はそう答えた。
「そうか。なら手加減はしない」
男達は武器を構えた。
「おらあっ!!」
男達は武器を仮面の女に振り下ろした。仮面の女は攻撃を避け、一人また一人と持っている剣で相手を倒して行った。
「そんな馬鹿な…」
館長が雇った部下は全員、仮面の女に倒された。
「お前も戦うのか?」
「ひいいいっ」
仮面の女は館長にそう言うと館長は怯え、腰が抜け地面に尻餅ついた。
「これは貰っていく。私を追うならお前の命は無いと思え」
「わ、分かりました。どうぞ持っていって下さい」
仮面の女は館長の首に剣の先を向けた。そして時の石を取りポケットに仕舞った。
「アリア!!」
僕は叫んだ。そうするとアリアはこっちを見たが何も言わなかった。そして仮面を付けた女は森へ逃げていった。
「追いかけるからお前達はホテルに戻ってろ」
僕は家族にそう言った。
「ユウイチ、私たちも追いかけるわ」
エリナはそう言い、みんな頷いた。
「分かった。エリナ達はみんなで纏まって僕の後を追ってくれ。僕は先に行く」
僕は皆にそう言った。
「お父さん…。僕を抱っこして連れて行って」
「レオ…」
「分かった」
レオがそう言うので僕はレオを抱きかかえた。
「僕を見失ったらホテルで集合だ、分かったな」
僕はそう言い、レオを抱えながらアリアを追いかけた。
僕は風魔法でレオと共に飛んだ。
「どこだ?アリア…」
僕はアリアを見失ってしまった。
「お父さん、お母さんはあっちだよ」
レオはそう僕に言った。
「レオ。お前、お母さんの居場所が分かるのか?」
「うん。あっちの方向にお母さんの魔力を感じる」
「そうか」
僕はレオの言う方向に風魔法で飛んで行った。




