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暗黒大景 / ANKOKU TAIKEI【パイロット版】  作者: 火山 千
第1部

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19話 暗黒再臨・火境V2

 それから十日が経った。

 王都は八部衆に襲われ、建物が崩壊していた。

 ガブリエルは王都を襲っている敵を探していると黄色の雷で攻撃され避けた

「お前、誰だ?」

 ガブリエルは聞いた。

「私の名前は緊那羅(きんなら)。八部衆の一人です」

 男は聞かれそう答えた。

「私の力で貴方を殺してあげましょう」


 一方その頃…。

「どうやらあそこだな」

建物や地が氷漬けになっており、それを見つけたソフィアとテオドールはその地に着いた。

「黒十字騎士のお二人さん。御機嫌よう。私の名は(りゅう)。どうぞお見知りおきを」

「応援を呼ぶか?」

「いいえ、私達でやりましょ」

 弱腰のテオドールにソフィアはそう答えた。


「着いたは良いが、何だこの霧は…」

 ヴィクトリアはそう言い、カミラと霧の前で立ち止まった。

「黒十字騎士よ。私の名は夜叉(やしゃ)。八部衆の一人。この霧が怖くないなら進むがいい」

 八部衆の一人、夜叉は言った。

「はは、おもしれえ。行くぞ、カミラ」

「ああ」

 カミラは気が進まなかったがヴィクトリアと霧の中に入った。


「何だこれは…」

 王都の一部に土人形が何体も立っていた。アリステアは驚いた。

「どうやらこれは土で人を固めた物のようね」

 エレノアは土像を触り、言った。

「お姉さん、こんにちは」

 大きな土人形の肩に乗った子供が言った。

「僕の名前は乾闥婆(けんだつば)、八部衆の一人」

「お姉さん達、黒十字騎士の人でしょ。僕と一緒に遊ぼうよ」

 八部衆の一人、乾闥婆は意気揚々にそう言った。

「期待外れだな。ただの子供じゃないか」

 アリステアは呆れていた。

「油断しないでアリステア。あの子供、何か禍々しい魔力を感じるわ」

 エレノアは冷や汗をかいた。

「分かった」

 エレノアの緊張感がアリステアにも伝わった。


「これは酷いな…」

 ドレイクは地面に転がる焼死体を見てそう言った。焼死体は一つや二つでは無かった。

「おい、シャーロット。いつまで死体に手を合わせてるんだ、行くぞ」

「はい」

 シャーロットは焼死体に手を合わせるのを止め、ドレイクと共に敵を探そうとした。

「シャーロット!」

 ドレイクは身の危険を感じ取り、シャーロットを突き飛ばした。

 ドレイクに炎が襲いかかった。シャーロットを突き飛ばしていなければシャーロットは無事では済まなかった。

「ドレイク!」

 シャーロットは叫んだ。

「ふんっ」

 ドレイクは右手で炎を振り払った。

「あれれ、死んだと思ったのに…」

 男は不思議そうにそう言った。

「私の名前は迦楼羅、八部衆の一人です」

 八部衆の一人、迦楼羅はそう言った。

「優一から聞いていた炎を使う敵の風貌とは違うな」

 ドレイクは言った。

「それは前任者の事でしょう。前任者は死んだので、今は私が迦楼羅と名乗っております」

 迦楼羅は丁寧にそう言った。

「君たちでは僕の相手にならないと思うのですが頑張って下さいね」

 迦楼羅にそう言われ、ドレイクとシャーロットはムッとした。


 その頃、優一は王都の外にある木にジャングル生い茂る木が浸食しているのを見つけ、優一は森に入った。

 ジャングルになっている森を進むと開けた場所があり、誰かが僕を待っていた。

「待ってましたよ。ユウイチ・レッドフィールド」

「八部衆か」

「ええ、そうです。私は八部衆の一人、摩睺羅伽(まごらが)

 僕はそう言われた。

「王都を襲うのは止めろ。でないとお前は死ぬ」

「強気で良いですねえ。君を屈服させたくなる」

 喜ぶように摩睺羅伽は言った。

「まずはお手並み拝見と行きますか。おらあっ」

 摩睺羅伽は左手を前に出し、下から上に突き上げた。そうするとジャングルの大きな木の根が地面から突き出て、優一に向かってきた。

「魔力固定」

僕は右手を横に向けた。右手の全指先から黒い魔力が黒い炎のように燃え、浸食するように手を覆った。右手に黒い大剣を出現させ黒い大剣を握った。空気中に漂う魔力を集め、自分の魔力を混ぜ合わせることで大剣を作った

「死ねええええええええええええええ」

 僕に木の根が向かって来た。

(なにっ。消えただと)

 優一は手で顔を覆い、離した。優一の眼は赤くなった。摩睺羅伽の前から消えた。

「んなっ」

 優一は姿を現し剣を振り下ろした。消えたと思ったら急に現れたので摩睺羅伽は驚いた。

「くそがっ」

造木龍山(ぞうぼくりゅうざん)

摩睺羅伽は龍が彫られた木の壁を造った。

(堅い)

 剣で木の壁を斬ろうとするが、僕の剣ではこの木の壁を斬る事は出来ない。

「アブソリュートバースト」

僕の魔力を黒い大剣に流すことで黒い大剣の斬撃の威力を上げた。黒い大剣からは黒い魔力が漏れ、剣から黒い魔力が漂った。

「うおおおおおおおおおお」

 絶対防御の壁を斬られていき摩睺羅伽は声が出た。

造木龍撃衝(ぞうぼくりゅうげきしょう)

 木で造られた龍が木で作られた壁を壊し、優一に向かって放たれた。

「がああっ」

 優一は木で造られた龍に噛みつかれ遠くの大きな木に打つけられた。

 優一は血を吐いた。

「………」

 自分を噛んだ木で造られた龍を黒い大剣で斬り落とした。

「はあっ、はあっ…」

 僕は息切れし、黒い大剣を地面に突き刺し地に片膝をついた。

(何だこの感じは…。身体が重くて、目が霞む)

 優一は自分の異変に気がついた。

「どうやら気がついたようですね」

「どういうことだ」

「僕が造りだした龍の歯には毒が塗られているんですよ」

 僕はそう言われ理解した。

「貴方はどうやら毒に対して強いようですね。普通の人なら一発で死ぬと言うのに…」

「毒があまり効かないなら普通に殺してあげましょう」

 大きな木の根が僕に襲いかかってくる僕はそれを避けた。

「もうほとんど目が見えないでしょうね」

僕はもう目で物を見ることが出来なくなった。

「もう貴方は怖くない。だがしかし天に貴方を全力で殺せと言われているので全力で殺してあげましょう」

「究極魔法:森羅万象」

「死ねええええええええええええええええええええええ」

 何体もの木で造られた龍と無数の大きな木の根が優一に向かってくる。

世界の終わり(エンド・オブ・ザ・ワールド)

 僕の頭の上には黒い王冠が現れた。優一の周りには黒い光のオーラが漂った。

 僕を脅かしていた毒は抜け、目がしっかりと見えるようになり、身体が重いのも治った。

「お前が死ね」

 優一は前から来る木で造られた無数の龍や、木の根を避け、摩睺羅伽を斬った。

「お前らのボス、天はどこに居る?」

 僕は地に座っている摩睺羅伽に剣を向け聞いた。

「天は貴方と同じ世界を創り出す能力を持っています。だから創りだした世界にいますよ」

「死にたくなければそこに行かない方がいい」

摩睺羅伽は僕に忠告した。

「忠告、ありがとう。傷治そうか?」

 僕は摩睺羅伽の傷を見てそう言った。

「いいえ、大丈夫です」

「そうか…」

 僕は元の姿に戻り、赤く光る眼を元に戻した。僕はその場を立ち去った。



「ここか…」

 僕は空間魔法でこの白い空間に辿り着いた。白い空間に一人の男が武器を持って佇んでいた。

「お前が天か?」

「そうだ」

 八部衆の(おさ)、天は答えた。

「王都の襲撃を止めろ」

「いや、それは出来ない」

 僕は当然、断られた。

「どうだ、優一。この白い世界は…。これが私の限定世界だ。君も世界を創っていたね」

「私はずっと、お前を待っていた。お前を殺す日を」

 天は僕をじっと睨んだ。

「限定解放:自他同一」

死の欲動(タナトス)

天は手を組むと人型の異形な存在になった。全身は黒くなり、黒いオーラが漂っていた。

(どうする、優一…。君が創った限定世界は空間魔法以外の魔法を使えないようにこの白い世界では身体を変化する技は一回、攻撃の技は二回しか使うことが出来ない。だが私は身体を変化させる技と攻撃技は無限に使う事が出来る)

(優一、お前は必ず最初に使う身体を変化させる技は死と再生(シトサイセイ)を使うだろう)

(そしたら私の眼力で優一を無体である物を実体とすることができる。つまり死と再生(シトサイセイ)を使ったらお前の負けだ)

(さあ、使え。死と再生(シトサイセイ)を使え!)

天は優一が死と再生を使うと思っていた。


「限定解放:死と滅亡の運命(ラグナロク)

 優一は剣を持った右腕を横に伸ばし、黒い大剣を斜め下に向けた。頭の上には黒い天使の輪が現れ、黒い大剣からは黒い魔力が漏れ、身体から黒いオーラが漂った。

(そんな馬鹿な…。眼力で心を読まれたのか?)

(どうやら優一はいくつもの敵と戦う内に戦いのセンスを磨いていたらしい。だから死と再生を使わず、死と滅亡の運命を使った。完全に感だとしても恐ろしいやつだ)

「面白い、お前を殺してやる」

「出来るならな」

 優一は言われ、そう返した。

「ぐわああああああああああ」

 黒い姿の天は地に剣を突き刺し、獣の如く咆哮し、こちらに凄いスピードでこちらに襲いかかってきた。

(まるで獣だな…)

 自分で黒い姿を見たことが無かったからそう思った。

(ただの獣。殺すのは容易い)

「死ね」

 僕は黒い姿となった天を切り伏せようと黒い大剣を振り下ろした。

(残念)

 黒い姿の天は左手の腕で振り下ろされた剣を止め、右手で優一の頬を殴り飛ばした。

「があああっ」

 僕は頬を殴られ、突き飛ばされた。

「くそおっ。油断した」

 僕は黒い大剣を地に突き刺し、片膝をついた。

(なっ…)

 黒い姿の天は目の前に来て僕は足で蹴られ吹っ飛ばされた。

「ぐっ、ぐっ」

 黒い姿の天は突き飛ばされた僕を追いかけ、連続で拳で殴りつけてきた。僕はそれを黒い大剣で防ぎ、地面に足が着くと僕は右に身体を回転させ、黒い大剣をぶん回した。

 ぶん回した黒い大剣は黒い姿の天に当たり、天は避けようとしたが遅かった。

「くっ…」

 黒い姿の天は後ろに移動した。天の身体から黒い血が噴き出した。

「ぎいいっ。ぎいいっ」

 僕は今が狙い目だと思い、黒い大剣を振り下ろすが黒い姿の天は手で防いだ。僕は何度も剣を振り、天は後ろに後ずさり受ける。

(黒い大剣をぶん回した時に出来た傷が思いの(ほか)、効いているようだな)

 僕は此処(ここ)ぞとばかりに黒い大剣を振り下ろした。

「!」

(どうやらここまでか…)

 黒い姿の天が受けた傷も治った。僕の快進撃もここまでのようだ。

「くっ…」

 僕の剣を天は受け止め、上に振り上げた。凄い力で僕の黒い大剣は手から離れた。

人道羅刹(じんどうらせつ)

 優一の腹に天は拳をぶつけた。僕は血を吐き、吹っ飛ばされた。

「があああっ」

 僕は両手を地面につけ血を吐いた。

引き寄せる(アトラクト)

僕の手に黒い磁力が流れ、遠くに突き刺さっていた黒い大剣が反応しこちらに引き寄せられた。僕は黒い大剣を手に取った。

「どうやらここまでのようだな」

 黒い姿の天はそう僕に言った。

「いや、まだだ」

 優一は意識が朦朧とした。

「近づくな」

 優一の周りに赤と黒の稲妻が走った。ノマドの剣の持ち手から刀身にかけて赤と黒の稲妻が走る。優一の剣は赤のオーラが渦みたいに流れた。

 天が近づいてきたので黒い大剣で払うと赤い渦の斬撃が出た。

「くっっ」

天は自分を中心に円形の防御バリアを作り出した。

 赤の渦の斬撃が天のバリアを削り取った。

「くそおっ」

天はバリアを削り取られ、赤い渦の斬撃を浴びた。黒い姿の天は黒い血が全身から流れていた。

「何が起こった…」

 優一自身何が起こったのか理解出来なかった。

 この白い世界は赤い渦の斬撃ではあまり傷は付かなかった。

 剣を覆っていた赤い渦は消えた。自分の周りに走っていた赤と黒の稲妻も消えた。

「もう、これを使うしかないな…」

 黒い姿の天はそう言った。

「第二形態:カオス・オーバー」

 天は叫ぶと風圧で禍々しい魔力が伝わってきた。天は黒い姿は変わり、両腕が黒い大きな魔力で覆われた。人の命を刈り取るような大きな黒い鉤爪(かぎづめ)、まるで大きな黒い化け物の腕のようだった。可視化できるほどの黒い魔力が漂った。

「これで終わりだあああ」

「そのようだな」

 僕は構えた。

 天はこちらに飛び込んできた。

死者の安息(レクイエム)

 天は叫び、黒い大きな鉤爪が僕に襲いかかる。

「限定破壊」

 優一は攻撃を繰り出したが鉤爪攻撃を受けた。優一は倒れた。優一の攻撃は不発に終わった。

「これで私の復讐は終わった…」

 天は何もない白い空間で倒れている優一を見て感傷に浸っていた。

「………」

 優一は何も言わず、立上がった。そしてこの白い空間に込められた呪いを破壊した。

「馬鹿な!!」

 天は驚いた。これでこの白い部屋の中での条件は無くなった。


暗黒再臨(あんこくさいりん)火境(かきょう)V2(ブイツー)

僕は呟いた。この白い空間の空気中にある無数の膨大な魔力が優一を中心に集まる。優一の身体は少し浮かび、魔力は優一に向かって流れ、優一を包み込み、宝石のような深い赤色の渦のような球体となった。そして球体は割れ地面に破片が落ちた。僕の宙に浮いていた足は地面に着いた。僕の姿は変わり、黒い鎧を身に纏い、四大死宝と深い赤色の見たことの無い文字が書かれた首輪を身に付けた姿となった。僕の眼の角膜の色は赤に変わり、瞳孔は黒く鋭く尖った。そして僕の左の頬に、獣の爪で真っ直ぐ縦に抉られた三本の黒い傷のような物が現れた。僕の両目の白目は黒くなった。そして黒竜の角に黒竜の腕、そして黒竜の尻尾があり、翼の無い竜人の姿となった。足は化け物みたいな禍々しい黒い三本鉤爪のみで足の爪の部分に二本、踵に一本の鉤爪だった。人の頭を鷲掴みし、粉砕する事の出来るような大きな爪であった。


「それがお前の切り札なのか?ならお前と同じ土俵で戦ってやろう」

「自他同一」

 天は僕と同じ竜人の姿となった。

「はは…、これは凄い。力が漲ってくるッ!!」

「………」

 天は気持ちが高ぶった。僕は何も喋らずその場に佇んでいた。

「何だ?優一。私の今の姿を見て言葉も出ないのか?」

「………」

「どうやら今は喋れないようだな」

「!」

 僕は物凄いスピードで天に向かって走り、自分の三本爪の右足で天の顔面に勢いよく突き出した。

「頭を狙うのは分かっていた」

「ぐっ…」

 天は横に避け僕の突き出した足を両手で握った。

「おらあっ!!」

 天は僕を振り回し投げた。

「があっ!!」

 僕は天に遠くに投げられ白い部屋の壁に打つかった。壁は砕けた。

「があああああああっ!!」

「!」

 僕は足で壁を突き刺し、足を屈伸させ壁を蹴って天まで飛び込んだ。

「ギイッ…」

 天は避けようと左に移動したが右の脇腹に僕の鋭い爪が当たり抉られた。

「がああっ」

「………」

 天は右の脇腹から沢山の血が流れた。天は脇腹を手で押さえた。僕は鋭い両手の爪で白い部屋の地面に当て地面を削り取り、自分の身体の勢い殺した。

「傷の治りの早いお陰で助かったが、痛い物は痛いな…」

 天の腹部の傷は治った。

「今の結構痛かったぞ。優一!」

「ふふふ」

天は少し笑った。

「神速」

 僕は天を中心に物凄いスピードで回った。

「ほう、凄いじゃないか!中々速いな…」

 天は僕の速さを見て少し興奮し僕に合わせてゆっくりと身体を半回転し観察した。その後は目で僕を追った。

「ギンッ!!」

 僕は中心にいる天に向かって一直線に向かって行き、天の死角から手の鋭い黒い鉤爪で攻撃したがバリアで防がれた。

「くっ…」

 僕は元いた場所に戻り点を中心に回った。何度も天に向かって攻撃を繰り返すが天のバリアに傷は付かなかった。

「火景竜拳」

 僕は天の方へ向かって行き、手を強く握り両手に深い赤色のオーラを纏わせた。

「ドン、ドン、ドン、ドン、ピシィ」

 僕は天のバリアに拳を打ち付けた。バリアに少しだけ(ひび)が入った。

「バリンッッ!!」

「うぐっ!!」

 僕はバリアに足で蹴りを入れ、バリアを破壊した。バリアを壊されると思っていなかった天は思わず身体に力が入る。

「!」

 僕は手に纏わせていたオーラを消し去った。天はそれを見て驚く。

「回転斬りッッ!!」

 僕は上半身を右に曲げ右手の黒い鉤爪を六時の方向に持って行きそこから勢いをつけて天に向けてぶん回し攻撃した。

「がああっ!!」

 天は攻撃を察知し、一歩後ろに移動したが、攻撃は当たった。」

「振り払い!!」

「!」

 ぶん回した右手を逆方向に払う動作をし、また天に攻撃を打つけようとした。

 天は僕の第二の攻撃を避けた。

「回転斬りか…。中々、効いたよ」

天は上がった息を整え、傷を修復させた。

「ギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアア」

 僕は化け物の咆哮をした。

「冬景竜拳」

 僕は自分の拳に深い青色のオーラを纏わせた。

「そう来るか、良いだろう」

「火景竜拳」

 天は拳に深い赤色のオーラを纏わせた。

「!」

「素早い!」

 僕は物凄い速さで近づき拳を振るう。天は左腕で右から来る拳を防いだ。

「がああっ!!」

 天は左の拳で僕の身体に打つけた。怯んだ僕に天は右足の蹴りを打つけた。

「………」

 僕は天の蹴りを防ぎ、蹴りの勢いに後ろに移動した。」

「!」

 天は攻撃の手を緩めず、僕の方へ向かって行った。

「うがああっ!!」

 天は連続で蹴り技を繰り出した。僕は防御姿勢を取った。

「うがああああああ!!」

 僕は天の足を握り、天を地面に叩きつけた。

「危ねえ」

 僕は天を地面に打つけた後、左の拳を天の顔に目掛けて振り下ろした。天はそれを避け体制を整えた。

「ユウイチィィィィ!!」

「がああああっ!!」

 天は叫び僕に拳を打つけた。僕も何度も拳を天に打つけた。互いに攻撃を防御し、拳を打つけ殴り合った。


「!」

 天は僕から距離を取った。僕が天に向かって左手を振り払うと見えない風の斬撃を生み出した。

「火景結界」

 天はバリアを作り、攻撃を防いだ。

「ミシッ、ミシッ、パリンッ!!」

「馬鹿な!!」

 天のバリアが罅が入り割れた。

暗黒渦(らせん)!!」

 僕は透かさず右手を斜め上から下に振り下ろし風の斬撃を作り出した。

「くっ……」

 天は見えない風の斬撃を避けた後、僕を中心に走り回った。

「暗黒渦!!」

 僕は手で空気を斬る動きをし沢山の斬撃を飛ばした。だが天のスピードに翻弄され攻撃は当たらなかった。

(このスピードで相手を翻弄し隙を見つけるまで時間を稼ぐ。これで良い)

「ウガアアッ!!」

 僕は天のスピードを目で追うが素早すぎて追えなかった。

(ほほう。翻弄されているぞ)

「火景竜拳」

 天は走りながら深い赤いオーラを拳に纏わせた。

「何だ?」

 僕が先まで天を目で追っていたが今は脱力し目で追うのを止めていた。それを見た天は疑問に思った。

(嫌な予感がする。早くけりをつけよう)

 天は僕に向かって行き、拳を打つけようとした。僕はバリアを張り攻撃を防いだ。

「くっ!!」

 天は大幅に後ろに移動し、また走り出した。

「!」

 僕が足に力を入れると地面は砕けた。

「直線斬り!!」

 僕は地面を蹴り天に目掛けて直線に飛び込み、右手の鉤爪で天の胴体に勢いよく突き刺した。

(そうか。目で追うのを止めたのは俺が攻撃した後、スピードが落ちるのを知ってそれを狙うためだったのか)

「負けたよ…」

僕が天に突き刺した手を抜き取ると血が流れ落ちた。天は片膝を地に突けた。

「!」

 急に僕は後ろに倒れた。そして黒い嵐が僕を中心に包み込み、僕は元の姿となった。身につけていた鎧や装飾品も無くなった。

「ごほ、ごほん」

 天は血を吐きながら、白い空間を歩き、奥の壁に辿り着き、背中を壁にもたれ掛かり、地面に座った。天も元の姿に戻った。

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