14話 お墓参りと温泉
それから二日後…。
今日、僕ら家族とルナは四の世界、僕が幼少期過ごしていた世界に来ていた。僕の大切だった人、アリサの墓参りをする為に。
墓に飾られている花を取り替え、墓に水を掛けた。
「来たよ、アリサ…」
僕は線香に火をつけ墓に置き手を合わせた。
「アリサ、僕に大切な家族がまた増えたよ。あの時、アリサを守れなくてごめん。あの時、僕に力があれば…」
「アリサ…、天国で僕達を見守っててくれ、僕はどんな強敵と戦おうと絶対家族を守るよ」
僕は拝み終えた。
その後、一人ずつ線香を上げた。
「よし、温泉に行くか」
僕はそう言い、僕らはゲートを通り、温泉に到着した。目的地の温泉に着いた。
「ここが温泉?」
エリナは僕に聞いてきた。
「食事処があるし、お土産屋さんもあるぞ」
「凄いですね」
僕が言うと ルナはそう呟いた。
僕たちは温泉施設に入った。
「こんにちは、七名で」
「ヨ、ヨミ君!?」
僕はそう言われ、受付の人の顔を見た。どこかで見た懐かしい顔だった。
「お久しぶりです、工藤さん」
僕はそう言った。工藤さんはアリサの家の執事だった人だ。
「良かった。生きていたんだね」
工藤さんは、僕の近くに来て手を握り泣きそうな声で僕にそう言った。
「ヨミ君、行方不明になったから心配していたんだよ」
工藤さんはそう言った。
「ああ、そうなんですか…」
僕はそう言った。
「アリサお嬢様のことはお気の毒でしたね」
「ええ、まあ…」
工藤さんは泣きそうな顔をしていた。
「私は犯人が憎い。あんな事が無ければ」
工藤さんは手に顔を当てそう言った。
「ヨミ君はもう大丈夫なのかい?」
工藤さんは僕にアリサの事で前に進めていないのか心配で聞いてきた。
「気持ちの整理はつけました。もう過去の事ですから」
僕は心にも無いことを言った。
「ヨミ君は強いね」
工藤さんは悲しそうな顔をした。
「あれから藤井家はどうなったんです?」
僕は気まずくて藤井家にはずっと顔を出してなかった。
「全員、亡くなったよ」
「えっ…」
意外な応えに僕は驚いた。
「アリサお嬢様が亡くなったあと奥様は病気になられてお亡くなりになられて、そのあとご主人は後追いで自殺を」
「そうですか…」
僕は平静を装っているがショックを隠しきれなかった。
「工藤さんは今はここの従業員やっているんですか」
僕は話を変えるように言った。
「ええ、執事をやめた後はここで支配人をやらさせてもらってます」
工藤さんはそう言った。
「そちらはご家族の方ですか?」
工藤さんは僕の後ろにいるアリア達を見てそう言った。
「ええ、僕の家族と友人みたいなものです」
僕はそう答えた。
「ヨミ君、元気そうで良かった」
工藤さんはそう言って安心したような顔をした。
僕は財布からお金を出し払い、温泉へと向かった。
「じゃあね」
アリア達は女風呂に僕は男風呂に暖簾を手で避け、中に入った。息子はまだ小さいので女風呂に入った。
僕は脱衣所で服を脱ぎ、浴場へ入った。
(懐かしいな)
僕は体と頭を洗い、湯船に入った。
ここでの温泉は久々だ。僕はこの温泉を気に入っている。アリサによく連れられ行ったものだ。
湯船に浸かると僕の中に溜まっていた疲れが取れていくようだった。
僕は十五分。その湯船に浸かると露天風呂があるので湯船から上がり、露天風呂の扉を開け、 露天風呂に浸かった。
「はあ、気持ちいい」
僕は露天風に浸かりながら空の景色を見て冷たい風が顔に来るのを感じながら湯船に浸かった。
露天風呂の石に背中を預け、露天風呂を満喫していた。
露天風呂は四十分浸かり風呂から上がった。
僕は脱衣所で服を着て脱衣所から出た。
目の前にはテーブルとソファーが並んでいた。僕はそこに座った。
僕は立ち上がり、コーヒー牛乳とソフトクリームを買いにお土産屋さんに行き、置かれている冷蔵ショーケースとアイスショーケースから物を取り出しお金を払い買った。
僕は再びソファーが置かれている場所に行き、座った。
ゴクゴク。
僕はコーヒー牛乳を飲み一息ついた。
「旨い」
僕はソフトクリームを開け食べた。僕はバニラ味を買った。
ソフトクリームを食べ終え、そうしている内にアリア達は上がってきた。
アリア達も僕がソフトクリームを食べていたのを見て羨ましがり、僕は財布を渡した。
アリア達はお土産屋さんに買いに行き、お土産屋さんで買い終え、ソファーに座り食べたり飲んだりした。
「帰るか」
僕らは三時間その場にいてもう疲れは取れたので帰ることにした。
温泉施設から出てゲートを通って五の世界に戻った。




