104話 僕らが間違っていた
僕は闇に連れられ、ここに辿り着いた。
「ワタル…。ワタル!!」
僕は血を流しているワタルを見つけ、側に駆け寄り抱きかかえた。ワタルは目を覚まさなかった。
「!」
僕を連れてきた闇が指を差し泣いていた。僕はその方を見るとボロボロになって死んでいる闇が倒れていた。
この状況から察するに闇はここの生徒達にサンドバッグにされ、それを見たワタルが切れてここに居る生徒を全員殺したのだろう。
僕は怒りが込み上げて来た。今にも切れそうだ。
「ワタル。今、治してやるからな」
僕は怒りを無理矢理静めワタルの傷を治そうと深い青の運命の輪を頭の上に顕現させた。
そしてワタルの胸に手を当てた。そしてワタルの傷を癒やした。
「父さん…」
ワタルは目を覚ました。
「闇を守れなくてごめん。僕がもっと早くここに来れば…」
「ワタル、喋るな。まだ傷を治しきれていない」
「父さん、傷は治さなくて良い。もう僕は人生に疲れた。だから休ませてくれ」
ワタルは僕の手を握った。僕はワタルの言う通り、傷を治すのを止めた。
「父さん…」
「何だ?」
僕は聞いた。
「僕達は間違いを犯した。メアが闇と同化した事でメアを危険視し、メアを大人数で袋叩きにして封印した」
「メアを封印する時、メアは涙を流していたんだ。戦っている時はそんな素振りを見せず、戦いを楽しんでいた。だけどメアは本当は悲しんでいたんだ」
「メアは僕達の妹なんだ。本当は守ってやらないといけないのに僕は…」
「ごめん、父さん。僕らが間違っていた」
ワタルは涙を流していた。
「良いんだよ、ワタル。お前は最後に自分の間違いに気付いた。それで十分だよ」
「ありがとう、父さん」
僕の言葉をワタルは聞き、ワタルは目を閉じ、眠りについた。
「ワタル?ワタル!」
僕が擦ってもワタルは目を開ける事は無かった。
「お父さん…」
レイラは僕を見て呟いた。
「僕はお前達がメアを袋叩きにした事は知っている」
「「………」」
神威達は黙った。
「メアは腹違いとはいえ血を分けたお前達の大切な妹なんだぞ。それなのにお前達はメアを寄って集って虐めて。お前ら人として恥ずかしくないのかよ!!」
「「………」」
僕は神威達に向けて叫んだ。神威達は黙っていた。
「お前達、僕と戦うつもりだろ。別の場所で戦うぞ」
僕はそう言い、自分の足下と神威達の足下に魔方陣を展開させた。そして僕らはこの国の外の荒野に移動した。
「お前らメアにしたように全員で掛かってきて良いぞ」
「「………」」
「早くしろよ」」
「「………」」
僕がそう言っても誰も何も言わず動かなかった。
「お前達は下がっていろ」
神威は仲間にそう言い、仲間は後ろに下がった。
「水神第四顕現」
神威は唱え、水が神威を包み込み球体となった。そして水の球体は弾け、神威は鎧を身につけた青い竜人の姿となった。
「………」
僕は空間魔法で聖剣:フィエルボワを出し剣を鞘から抜いて構えた。
「俺が今身につけているのはルビウスの首飾りだ。魔法で作った剣じゃなくて普通の剣を使うのは間違ってはいないが…」
「くくっ。まさかその姿で戦うんじゃないよな。冗談キツいよ、父さん」
神威は僕の姿を見て笑った。
「そんな小手先の力で俺に勝てると思っているのか?」
神威は僕の頭の上に浮かぶ青い天使の輪を見て笑った。
「試してみれば分かる」
僕は剣を構えた。




