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《新しい敵》

《新しい敵》


「何者だ!」

 総司令が叫ぶ。


「ふはははは、我々は悪の秘密組織、ジャゲドン帝国だ。

 今日からこのカラフルレンジャー総本部は我々ジャゲドン帝国の基地となるのだ」

 敵の総大将らしき謎のマスクマンが高らかに宣言する。


「なに!ふざけるな。

 カラフルレンジャー本部に殴り込みとは愚かな奴らだ。

 カラフルレンジャーの諸君!変身せよ」

 総司令の指示を待つまでもなく、514人のカラフル戦士は全員それぞれのブレスレットを操作した。

「「「「「「「「カラフルメタモルフォーゼ!!!!!!」」」」」」」」

 全514色の光が会場にあふれ、全ての戦士が変身する。

 もちろん俺もカラフルブルーへと変身した。


 戦士たちは殴り込んできた悪の組織に怒りをぶつけるかのごとく戦闘へ突入する。

 そんな中、ユウのことが心配で、2杯目のワインをちびちび飲んでいた俺はあまり酔いも回っておらず、この状況に疑問を感じていた。


 俺たちの住む日本は1年ごとに悪の組織が芽吹き、それに対抗するかのごとく変身ヒーローが現れる。

 変身ヒーローは単身で戦う「仮面ドライバー」とチームで戦う「戦隊ヒーロー」が交互に現れ、それぞれの敵を倒すと「仮面ドライバー」は外国へと旅立ち、「戦隊ヒーロー」は解散して普通の社会人へと戻るのだ。

 これまでは、一旦悪の組織が滅びると二から三ヶ月は次の組織が現れないのが常であった。

 俺たちがジャアクドーを殲滅したのはつい先週のことだ。

 これまでの常識で言えば後二ヶ月は平和なはずなのに、なぜ今回はこんなに悪の組織が早く現れる。


 それに、俺たちが「戦隊ヒーロー」なのだから、次の正義の使者は「仮面ドライバー」が順当ではないのか。


 そこまで考えて俺はある可能性に気がつく。

「もしかして俺のせいか……」

 そう、世間一般ではジャアクドーにとどめを刺したのはカラフルレンジャーのメインチームと言うことになっている。

 しかし実際は、全滅しかけたメインチームが俺を除いて気絶しているときに、記憶を取り戻した俺が「仮面ドライバーZ3」に変身して敵を倒した。


 しかも、その前の悪の組織を倒した後、「仮面ドライバーZ3」は外国に旅立つことなく記憶喪失となり、日本に居座り続けて今に至っている。


 今までの規則性を破壊したのは間違いなく俺だ。


「なんてことだ」

 俺は小さく悪態をつくと現実に目を向けた。


 会場の至る所で乱戦となっているが、なんだか旗色が悪い。


 新しい悪の組織が明らかに強いのだ。

 雑魚戦闘員ですら、マイナーカラーのカラフルレンジャーを押している。

 かろうじて互角以上に戦えているのはメインカラーの俺たちのチームだけだ。


「ふはははは、カラフルレンジャーどもよ、今日が貴様たちの命日だ」

 敵の総帥らしき仮面男が高笑いをするころには、俺たち以外の仲間は床に倒れ、カラフルレッドですらバイザーが割れて顔が見えている状態だった。







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