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献花と調査のための旭川紀行:旭川女子中学生いじめ凍死事件を追って  作者: 朝木深水
『娘の遺体は凍っていた』から事件を読み解く
20/33

被害者は、どこへ消えたのか

Hさん宛てのLINE

《既読つけてくれてありがとう》(17時34分)


 2月13日の夕方5時頃、お母様が家を出る。

 17;26~34にかけて、Hさんにラインで、遺書めいたメッセージを送る。その直後に爽彩さんは家を出たものと思われる。


 そもそも何故、爽彩さんは、その時点で家を出たのであろうか。


 財布は家に置いている。改札でICカードやスマホを使えないのは、先に書いた通り。回数券の類を持っていたという証言もない。交通機関を利用するつもりなら、財布を持ち出すであろう。本気で自殺を考えるなら、電車やバスで遠くに行くことも考えるに違いない。しかし、恐らくそうはしなかった。もし本気であれば、計画的に見つからないように実行するはずである。お母様に遺書を遺さないのも考えにくい。


 自殺企図の場合、衝動的に行動にする場合が多々ある。そうしてリストカットや服薬を繰り返すのである。爽彩さんも、自殺についてそこまで深く考えていなかったのではないか。


 当てもなく家を出た。

 目的地があった。

 誰かと会うつもりだった。


 いずれにせよ、遠くに行くつもりはなかったのであろう。

 上着を着ていなかったのも、そのためではないだろうか。

 子供は大人より代謝が活発で、多少は寒さに強い(とは言え氷点下だが)。半ば衝動的に家を出た。或いは誰かに会って、すぐに帰宅するつもりだったのかもしれない。


 スマートフォンの電源は切られていたという。

 ラインの最後のメッセージが17:34である。その後に、いつ、どこで電源を切ったのか正確にわかれば、行動の詳細も、もう少しわかるであろう。待ち合わせなら、通信記録も残っているはずだ。

 スマートフォンが壊れていなければ、既にお母様も見ているであろう。爽彩さんの行動も、ある程度は把握されているのかもしれない。

 もしスマートフォンが壊れている場合に、データの復元、情報請求などは可能だろうか。或いはSIMカードだけ移してクローンを作成出来ないのか。各種データが本体にあるのか、サーバーにあるのか、この辺はちょっとわかりません。

 グーグルのアカウントが残っていれば、PCからでもアクセス出来る。確認した方がいいのではないだろうか。


 車に乗ったとの説も根強い。しかし、車で遠くに行くような状況であれば、逆に上着をきちんと着るような気がする。もし相手が加害者で、何処に行くかもわからなければ、警戒心もあるだろうから尚更である。警戒していない人物で、目的地がはっきりしているのであれば、被害者に近しい人物ということになる。


 目的地があくまで徒歩圏内であれば、半径1キロ~2キロといったところであろう。

 自宅の位置がわからないが、永山南中学校の通学範囲辺りということになる。

 自殺企図なら、川に向かったかもしれない。誰かに会うなら住宅地の中であろう。


 18時頃には警察に一報が入り、お母様が帰宅されている。

 お母様が鍵を開けているので、当然、家に鍵をかけて持っていったのであろう。遺品の中に鍵はあったのだろうか。


 そこから捜索が始まった。

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