四日目:旭川空港
バスの車窓は既に真っ暗だった。
行きはまだそれほど雪が積もっていなかった。今はばっちりアイスバーンと化している。
ガタガタとした揺れに加えて、ズルズルとスライドしているような気がする。恐らく気のせいなのであろう。
地元の方は慣れているのだろうが、こちらは気が気でなかった。
フロントを見ると、何だか凄く長い坂を登っているように見える。対向車のライトが、坂を下ってくる。窓の外は真っ暗だが、物凄い山の中を走っているような感覚になる。しかし、途中に山はないはずだった。昼なら見渡す限りの農地なのであろう。
左側の車窓にライトの列が見えてきた。どうやらあれが旭川空港らしい。
何だか気分が高揚してきた。
やがて車窓は、暗闇から一転して、煌々とライトアップされた空港の巨大な施設へと変わった。さらにテンションが上がった。
出発までまだ時間があった。空港内を一通り散策した。国際線のゲートは閉まっていた。現在は就航していないようだった。『北の国から』の展示コーナーもある。
羽田に比べると、流石に小さい。
ラウンジのテーブルに座っていた男性と目があった。日焼けした顔と短髪で、何だかガックンに似ていた。恐らく気のせいなのであろう。