盗賊のアジト
「ゴメンってば〜ネイル」
「・・・。」
(うーん、どうしよう。すごく起こってる…)
ヒイナの謝罪を無視して早歩きで何処かへ向かうネイル。
(何かネイルの機嫌が治るもの…あ、そうだ!!)
「今度家でショートケーキご馳走してあげるからさ〜」
その言葉にピクッと反応したネイル。
「・・・夕食」
「もちろん、いいよ?」
その言葉にネイルはため息をついた。
「はぁ、今回だけですよ?」
「はーい!!…所で、今は何処に向かってるの?」
ヒイナがそう質問した。
「…私が盗賊と戦った事は話ましたよね?」
その言葉にヒイナはコクリと頷く。
「その時、基地があるような事をほのめかしていましたから、辺りを探索していたら…ほら、アレです」
ネイルが指差した場所には、小さな集落の様な場所があり、木材で作られた監視塔が一つ建っていて、中に盗賊と同じ装備をした人物を確認した。
「ん?見つけたなら何で倒しに行かないの?ネイルなら簡単に殲滅出来るでしょ?」
「…確かに、規模からして30人程度なので私一人でも問題無いのですが…盗賊は奴隷商に売る為に行動してたんですよ?」
その言葉に納得するヒイナ。
つまり、他にも捕まっている人がいる可能性があるのだ。
もし、人質に取られた場合かなり面倒。見捨てると言う選択をしても後味が悪い。
「傷がついたら奴隷商に買い叩かれると言っていたので、手は出していないでしょう」
「…それで?いつ襲撃するの?」
「私が倒した盗賊は定期報告をしていたらしいので、敵が探しに来たときを見計らって襲撃しましょう」
「というか…」とネイルがいう。
「時間制限付きのクエストとして出てきてるので、それまではレベル上げでもしていましょう」
そうして、ヒイナとネイルのレベル上げが始まったのだった。