プロローグ
・・・とある廃墟の高層ビルが立ち並ぶ街の中、その一角に建っているビルの入り口に一人の少女がいた。
「…こちらH-17、今目標のビルに着いたよ」
腰につけた無線機を取り出し、遠くでこちらを見ているであろう相棒に話しかける。
『こちらネイル、了解。ナイト・シーカーを起動して下さい』
少女は「はいはーい」と言って黒いヘッドギアを装着する。
それと同時に、少女はビルへと突入する。
その頃、ビルの内部にいる武装した兵士風の男達は退屈そうにエレベーターに乗っていた。
「あー、さっさと敵と戦いたいなぁ〜」
「まぁ、残りチームは1つだけでしかも二人だ。そろそろやけになって突撃して来るさ」
「あぁ、違いねぇな!!」
3人がそんな会話をしていると、1階に着いた音と共にドアが開く。
「――――――そんなお待ちかねの敵だよ?」
彼らが最後に聞いたのはその言葉と、同時に響く自分達を貫いた銃声だった。
「まずは3人っと」
そう呟いた少女の背後で3つの赤いポリゴンが弾ける。
「ねぇ、ネイル。エレベーターはやめたほうが良いよね?」
『はい、そうですね。向こうにはこちらが3人キルした事がバレているでしょうし、対策として最悪破壊してくるかもしれませんから』
だよね〜とH-17は言い、階段で向かう事にした。
そして、3階へついた頃に敵が現れる。
その男は全身に鎧のような装甲を纏っていた。
「フハハハ!!ここを通りたければ俺を…」
「あ、そういうのいいから―――――ネイル、お願い」
『ネイル、お願い』
「了解しました」
その言葉で、私はうつ伏せになって狙撃体制に入る。
「イーグリット型SR:ホライズン、固有スキル…!!」
それと同時に、ホライズンのパーツが少しずれて青色に光るラインが現れる。
「《GREED・GREED!!》」
その言葉に呼応するように銃身から弾丸が青い光を纏ってレーザーのように発射された。
「ハッ!!何をしようが、この装甲を貫けは…」
その時、ビルの壁を貫通して青い光が現れ、一切の抵抗もなく男に直撃しその頭を貫いた。
それと同時にVICTORYの文字とロビーに戻りますか?の文字がが表示される。
少女がロビーに戻ると、無線機で話していたネイルという少女がいた。
「ふ〜終わったね」
「そうですね。貴方もログアウトしますか?」
「うーん、そうしよっか」
そうしてロビーから二人の少女の姿が消えた。