『握手会で、はしか』を聴いて思ったこと
最近、『妄想甚だしい』というエッセイ集を読んで頂きたくて、その外に出て(?)短編エッセイをけっこう投稿したりしている。
今回のも、それ。
面白ければ、そっちも読んでよねぇ、っていう宣伝みたいな感じかな?
まぁ、そういう裏の事情(ぜんぜん裏じゃなくなった)も置いておいて、まずは、本文をお読みください。
それまでなんの疑問もなく、好きなアイドルに会いに行って握手してもらって、喜ぶファンのためのイベント、だと思っていた『握手会』。
なんでも、大阪の京セラドームで行われたAKB48の握手会で、はしか、が、確認されたという。
むろん、その場で確認できたわけではなく、その翌日に熱が出る等の症状が出て、病院で検査をすると、そうだった、ということが判明したらしい。
そこからその男性(だと思っているけど、思い込みかなぁ?)の立ち寄った場所とかの確認をすると、前日に、握手会に行っていたということがわかり、騒ぎになっている、ということらしい。
握手会で、はしか、って聞いて、思わずそのファンが握手したアイドルに『手』経緯で感染して、そのアイドルの『手』から、べつのファンの『手』へ感染して、好きな人、憧れの人との『握手』が感染経路になるという、人という種が持つ親愛の情を根本からひっくり返すような皮肉な状況。それを仕組んだ神の手の、残酷さ、というような図式を想像してしまったが。
まぁ、実はこれは、私の第一報を聞いたときの勝手な妄想と言ってさえいい想像でね、はしか、という伝染病は、空気感染、らしいけどね。なーんだ。
って、もっと、ヤバイじゃん。
そっちの方が、感染力、強いじゃん。
どうか、ひどい事態になりませんように、と、みんなの無事を、祈念しつつ、だがしかし、実は私が今日言いたかったことは、これではないんだ。
『握手会』の話。
『握手会』って、人生で一度も行ったことがない。
だから、想像なんだが。
というか、今日まで握手会の存在は知っていたけど、それについて考えたことさえなかった、というのが正しい言い方だから、ほんとのほんとにただの想像なんだが。
想像してみた。
好きな人の前に、握手をしてもらうために、立つ自分を。
心ばくばくして、夢心地になって、手汗脇汗がじっとりと滲んできて、は、恥ずかしい気持ちになって、ど、どうしようと地面見たり、天井見たり、挙動不審になってみたり、もう、ちょっと、舞い上がり過ぎてしまって(ちょっと、なんか、過ぎて、なんか、どっちやねん?むろん、過ぎて、やね)、嘘みたいに、セリフみたいに「あわわわわ」って、声に出して興奮してみたりする。
その人が、たとえば、三時間四時間かけて、握手会にやってくる。
そして上述の「あわわわわ」状態になったとする。
憧れの人から数10センチの位置に立つ。
息さえ感じられる近さで、声をかけてもらえる。
あ、あの、ファンです。応援しています。頑張ってください。
返された言葉は、
有難うございます。
どちらから?
あー、それは遠いところ、ほんとうにありがとう、ね?
で、気がつくと、頭の中ほわんほわんとしながら、握手会の会場を出て、青空の下にいる自分。
あー、さっき僕は、たしかに彼女と目を見つめ合って話をしたんだ、たしかにこの手は、彼女の手の温もりを感じていたんだ。
今でも目を閉じると、彼女の少し潤んだ黒目がちの可愛い瞳と、透きとおるような美しい笑顔がまぶたの裏に焼き付いているよ。一生、忘れない、この感激は。
とか、思っている《僕》が、いるんだろうな。
それは、凄い幸せなことだと思うよ。ほんと。
今まで、握手会について、まともに想像したことなんてなかったもんだから、今日初めてそれをやってみて、とっても、幸せになれることがわかったよ。
たぶん、だけど、その、ふだんはテレビとかでみている非日常の大好きな人のそばにいることができるという、いわば、その場の空気を『買って』いるんだろうな。って、思う。
なら、それは、本気で、羨ましいよなぁ。
あ、私は、そこまで好きだったアイドルなんて今までにいた試しがないし、好きな歌手ならいたけど、その人はもうとっくの昔に死んでしまっていて、というより、もう死んでいる人だから、あんなにもあの人のことを無警戒で好きになれていたのかもしれないし。
その辺の人間不信というか、心を閉ざした人間関係というか、無闇に人を信用しない他人恐怖症というか、そのあたりの私の心の持ちようはまた、ぜんぜんべつの面白い研究ネタではあるのだろうが、今日は、その部分は、スルーする。
私も誰かのファンになりたいなぁ。
なって、握手会に行きたいなぁ。
握手会で、夢のような幸せを味わいたいなぁ。
そしたら、はしか、になっても悔いはない。
とか、嘘です。
これは、あまりにもタチの悪い言い方でしたね、ごめんなさい、反省します。
はしか、になっても、というより『死んでも、悔いはないです』
という気持ちになれるのではないのかな?
あー、思い出した。
なぜ、今日、この話をしているか、の、理由のひとつ。
この騒ぎが原因で、握手会そのものに対するなんらかの規制等がかからないようにとだけ、祈り、願います。
だって、握手感染じゃなく、空気感染なのなら、握手会だろうが、コンサートだろうが、状況は同じわけで、明日症状が出る伝染病の人間を今日の時点で、みんなにうつす可能性があるからといって、その人の入場を止めることができるものなど、いるわけないのが現状でしょ?あ、むろん、本人も気づいていないという前提での話だよ。
なら、握手会も、同じだよね?
もし、そうじゃないと思っているなら、それは、私が当初「握手会で、はしか確認」というニュースを初めて聴いて妄想した「握手による」感染を多くの人が、理性では否定しながらも、感覚として怖がっている、ということになるんだろうな。
それは、愚かなことですから。
勘違いしないように、気をつけましょうね、お互い、ね?
そして、握手会を、目一杯楽しみましょう、お互い、ね?
うん。私も、がんばる!
お読みくださり、誠に有難うございます。
またお会いできる日を楽しみにしています。




