#1 異世界転生!?偽善者はもういやだ!
久留米悠人23歳童貞、親無し、金無し、彼女なし
目が覚めると俺は真っ暗な所にいた。周りを見渡しても黒、黒、黒。俺は今までラノベを少し読んでいたからなんとなく事情を察した...
「あ、俺、死んだな。」
俺は小さいころに両親を交通事故で亡くした。
それから親戚の家でいい子で生きてきた。多分
俺は今まで善人に振りをして生きていた。だけど偽善でも善じゃねぇかよぉ!親戚の言うことはちゃんと聞き、会社でも真面目に働いていた。なのに、なんで死んだんだよ!
「そうだ...思い出したぞ...俺は会社の帰り道に通り魔に刺されて死んだんだったな...」
(はぁ、結局偽善者は死ぬんだな...)
あれ、待てよもし転生系だったら...
考え事をしていると声が聞こえた
「なにをぶつぶつ喋っておるのじゃ、そち。さっきから見ていたがあれはかなり引くぞ?」
「う、うるさい!」
「まぁいい、私はそちら人間より高度な存在、俗にいう神じゃ!」
そう言って出てきたのは巫女の服をきた少女...いや訂正しよう、幼女だった。
(幼女かよっ!ってかドヤ顔うぜぇ!)
「誰が幼女だ!そち、妾をバカにしておるな?」
「なんで心が読めるんだよ!」
「勿論...」
「神だからじゃ!!」
「いや、もういいよその下り...」
「お、おう、そち、気分の落差が激しいのぉ、なにか前世であったのか?」
あ、もうここじゃ前世扱いなのか
俺は前世のことを話した。
独身だったこと、就いた先がブラック企業だったこと、殺されたこと、全て吐いた。そうしたら自然に涙が出てきた。
「よく頑張ったの、そちや」
俺は頭をなでてもらっていた、いや頭なんてないけど。神がいうにはここは精神世界だそうだ。いやロリコンじゃないから
「よし、わかった!貴様を転生させてやろう!」
「はい!?」
それを言われた瞬間、戸惑いつつも俺は嬉しいと感じた。
「そち、一つ言っておくが天国なんて楽しくないぞ?娯楽も犯罪もなにもない世界じゃぞ?」
(あ、天国あったのね...いやいやそうじゃなくて!)
「転生させてくれるんですか!?」
「勿論じゃ!」
「ありがとうございます?」
「そこは素直に喜べ」
「あ、はい」
「でも、また死ぬのは可哀想じゃな、なにか能力をつけてやろう」
それなら事前に決めていた。
「悪人にして下さい!」
「悪人...じゃと?」
幼じょ...神はあからさまに嫌な顔をした。
「前世では偽善者だったせいで死んでしまったんです。だから次の人生では悪人でもなんでもなって生きてみたいんです。」
「そうか...」
神は複雑そうな顔でこちらを見た。
「それがそちの願いなら仕方がない。妾の仕事は世界を観るだけじゃからの...」
「それで能力をどうするのかの?」
「なら、自分の周辺の詳細を見れる能力、全ての犯罪用道具が使える箱、それと、無限のアイテムボックスを下さい!」
周辺をみる能力は悪人にとって必要不可欠だ
箱はバレないような木箱。これはバレたときにも隠し通せる箱ではないとだめだ。そして大きすぎるのもだめだから小型軽量化してストレージボックスに入れるようにしないとだめだ。
ストレージボックスは容量無限で、中の物が劣化しないようにしなければならない。
「そ、そち、欲張りじゃの」
「次こそは生き延びたいんです。」
「そちのような転生者はみたことないぞ」
神は呆れたような、笑ったような顔でこちらをみた。
「それでは転生させるぞ、達者でな!」
あ、やべ大事なこと聞くの忘れた!
「あ、まっ...」
そこで意識が途切れた。
目が覚めるとそこは埃っぽいとこにいた、
「ゴホッ、ゴホッ!」
転生できたのか?
そこで急に頭が痛くなった
「ガッ、アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア」
俺の頭のなかに情報がこれでもかってほど情報が入ってきた。
「ハァハァ...」
落ち着いてきた所で情報を整理する。
俺は転生でもなく転移でもなく多分中間(憑依)あたりで、ここに来たのだということがわかったのと、ここの世界の名前はグルモア。俺が今いる大陸の名はカナリア大陸。的な情報を整理する、
そして、俺は呪文を唱えた
「アイテムボックス、オーーープン!」
いや言ってみたかっただけだし、意識したら出るとかそんなんじゃないし。
中には箱が入っていた。取り出して箱を見てみると中には俺が名前を知っている道具もあれば知らない道具もあった。
「へぇこれが道具箱か。」
続いて本を見てみるとこの世界の歴史、道具の使い方、俺の能力の見方があった。確か呪文は
「ステータスオープン」
ユウトクルメ
8歳
Lv 1
HP 10000
MP 10000
力 10000
守 10000
知 10
運 10000
速 10000
スキル 強奪 剥奪
称号****************
職業無職
一万という数字は平均的なのかどうかは、わからないが知能が圧倒的に低いことに驚いた。
「ん?スキル欄の強奪と剥奪はなんなんだ?」
分からないので放置しておく。
次に俺は二つ目の能力
[周囲の詳細を見れる能力]を開いた
【現在地カナリア大陸 アスベニア領 第三スラム街番地番号359】
へーここはスラムか。ん?なんだこのビックリマークは、何々?
【周辺人口1089人あなたで近寄ってくる人数1人】
な、な、なにぃ!?や、やべぇ!
「し、詳細確認!」
名前
詳細不明
年齢15歳
Lv1
HP 1
MP 6
力 2
守 5
知 3
運 7
速 6
スキル 魔眼(5秒先までの未来視)
職業 無職
所持品
ボロのマント(耐久力1)
腐ったゴリン
................かわええ(´・∀・)
未来視もってるのか、つよいな。それにしても近付いてくるということは居場所がバレているのか。それにしてもステータスが低いな。
コンコンコン...ガチャ
き、きたぁ!
「***************************」
...ん?まて、なにを言っているのかさっぱしわからん。
なにか翻訳する道具はないか。俺は箱の中を探した。そしたらお馴染みの注射器~(まだ一回目)
効能はというと
[ありとあらゆる言語の翻訳、読み書き]
お、おぉ!
注射器をもってみると慣れているかの様に腕に指した。
「痛ってぇ!」
また頭のなかに情報が流れ込んできた。さすがに体力が持たなかったのか意識がおちた。
「*****」
「大***?」
「大丈夫?」
美少女の声が聞こえる。俺は死んだのか...じゃなくて!助けてもらったのか。
「うん...ありがとうお姉ちゃん!」
そういうとお姉ちゃんは顔を赤くしてドアの方を向いた。
俺の頭に何かがよぎった。
「お姉ちゃん大好き!」
そう、言葉攻めだ。今の俺は8歳!あなたのはーとを落として見せる!
「もうっ!からかわないの。いきなり倒れたからびっくりしたんだよ?そういえばあなた、名前は?」
ここは異世界だ。本名を言ったら不思議がられるだろう。
「んー僕の名前はユウト!お姉ちゃんは?」
「私には、名前はないの...」
そういうと彼女はすこし寂しそうな顔をした。
「なら僕がつけてあげるよ!」
「つけてくれるの?」
「うん!」
我ながら子供のフリが上手いと感じる
「お姉ちゃんの名前は~ハルカ!」
「ハルカ?ハルカ、ハルカ。いい名前ね」
まぁ実をいうと俺の高校までの幼なじみの名前だ。べっ、別にそいつのことが好きとかそんなんじゃないからねっ!
胸は...AAってとこか。多分栄養不足だな多分体重も俺より少ないだろう。
「お姉ちゃん、僕、名前しか覚えてないんだ。ここのこと教えてくれる?」
「ええ、いいわよ!」
彼女は僅かばかりの胸を突き出しえっへん!みたいなポーズでこっちをみた。そしてここのスラムのことや食べ物のありか、など俺がここに、来たときとほとんど同じような説明をしてくれた。
そして、改めて彼女の顔、体を見てみるとどこも痩せ細り、不健康なのがみてわかる。そしてマントの中には腕が二本...ない。
「お姉ちゃん、一つの腕はどこにあるの?」
「ああ、これはね昔、悪い人と戦って捕まったときにね切られたの」
彼女の目が恨みで染まっていく。
(おーい俺の魔法の詳細を見せてくれ!)
[了解]
回復
上級回復
おーすごい!
「お姉ちゃん!腕を出して!」
「ん?こう?」
彼女はないほうの腕をだした。
[上級回復]
腕が生えかわった、ニョキニョキニョキみたいな感じで
「あなた、今のどうやったの!?」
「んー?なんかぁドバァーってキュイイーーンってやったら出来たよ!?」
「いや、そうじゃなくて、詠唱は?」
そうだ、元々考えてみれば呪文に詠唱は不可欠なのだ。
なのに言わなかったらそれは気味悪がられるか、崇められるかだ。
だけど俺は神の友達ではないから崇めらるのは却下だ。
「手のなかに魔力を通して頭でイメージするのかな」
我ながら苦しい言い訳だ。
「あ、あ、あ」
彼女は急に泣き出した
「うわぁァァァァァァァん、ありがとぉぉぉぉ!ありがとぉ!」
もう、10分ぐらいずっと泣いていたかな。うん。多分溜め込んでいたものが出たのだろう。彼女はスッキリしていた。
でも俺はスッキリ出来ないでいた。
なぜかというと良いことをしてしまったからだ。
時刻は夕方、
「じゃあお姉ちゃん、僕はここを出るよ。」
「えっ?出るの!?」
「うん」
「私も連れてって!」
「そうかー、じゃあバイバ?えっ?」
これは予想外だった。
いや、これは当初の目的には必要な人材だ。未来視を持っているという人は世界を探しても少数だろう。しかも索敵にもたかえる人材だ。
「僕に付いてくるの?」
「当たり前よ!助けてもらったんだもん!」
俺の運が高いお陰か!ありがとう、幼女神!
はい!こちらユウトで、ございまーす。ただいま僕は美少女片手にスラム街をぬけていまーす!
たまにちっちゃい子供たちや大人達に睨まれるけどそんなの気にしない。
もうね!かわいい!結婚した...ゲフンゲフン。
歩いている途中に彼女の生い立ちについて、聞いてみた。
「えっとね...」
彼女は少し悲しげな表情をした。なにか言いたくないことがあるのだろうか?
「言いたくないことがあるなら言わなくていいよ?」
「いやいや、大丈夫よ!」
彼女はここの近くの二流貴族だったそうだ。しかし、彼女のお父さん、ザーニア氏は乱暴で、酒を浴びるように飲み、妻以外の女もたくさん居たそうだ。だが、借りていた借金が返済しきれず王都から暗殺命令が出たのだろう。毒殺であった。
彼女によると大体五年前だそうだ。
「そういえばお姉ちゃん、いま、ここは何年なの?
「そうね、大体己龍歴869年かしら?」
「己龍?」
「ええ、かつて三万年前の魔神龍対戦で他の龍達に圧勝しこの世界を治めたと言われてるわ。」
「ふーん」
彼女と他愛のない話をしながら、スラム街を抜けた。
今僕たちは王都に向けて歩いている。
僕たちの今の関係は姉弟としている。こっちのほうが便利だからね!歩いていると、商人や行商の人によく会う。まぁそりゃ王都に行くんだもんねぇ。中にはやさしい商人もいて服をくれたり、食料をくれたりといいことがたくさんあった!
やはり美少女がいるっていいなぁ!
だけど僕は自分の顔を知らない。だって鏡がないんだもん。
たまに悪口をいう商人などもいた。
「へっ!ボロボロの服着てんな、そこの女は内で雇ってやるが男のほうはお呼びじゃねーな。どうだ?家で奴隷として働く気はないか?」
彼のいう奴隷はただの奴隷ではないのだろう。
さすがにこれは、怒った。
箱の中にあるプラスチック型爆弾を男の頭上で爆発させた。
いや、訂正しよう。正確には投げて爆発させた。あ、勿論死ぬ程ではないよ?
「お姉ちゃん?この草はなぁに?」
「ん?これはねタナ草っていってね薬草の原材料なんだよ」
「わぁ!お姉ちゃんすごい!物知り!」
誉めてみる
「も、勿論だよ!」
フッ、チョロい
まぁなんやかんやあって王都ベルヌーンについた。この王都は3つの区画に別れていて、冒険者区、居住区、王住区にわかれている。僕たちが目指す場所は冒険者区だ。
「うわぁ!」
僕たちがいった冒険者ギルドを予想より超でかかった
カランコロン~
受付の場所にいくと、これまた、美女だ!
「あ、あの~ここにくるのは初めてなんですが説明してもらってもいいですか?」
「はい!勿論いいですよ!
冒険者には五段階あって、上からS級、A級、B級、C級、E級で、ギルドカードというものでわかりますよ。ギルドカードも一緒で色でランクが別れます。
上から金、銀、白、緑、黒ですね!依頼を受けていくと、勝手に色が変わりますので変わった場合また、お越し下さい。しかし依頼失敗やいつまでたってもしない場合はギルドカード剥奪となります。簡単な説明はこんなもんですね!」
ほへー大体は昔呼んだラノベと似ているな。
とりあえず身近な目標からいくか。まずは金を稼ごう。
「はいっ!これがギルドカードです!」
受付嬢から黒光りするカードを貰った。
「ほーこれがギルドカードですか!」
「そちらのお嬢さんにもお作りしますか?」
「あ、はい!」
なんやかんやあってギルドカードを作って貰った。
「ハルカさん、これからどうします?」
「こうゆーときはね、お金を稼ぐのよ!」
「どうやってですか?」
「...」
「...」
考えてないんかい!
この世界の通貨
ベルヌーン大陸では
鉄貨...50円
銅貨...100円
大銅貨...500円
銀貨...1000円
大銀貨...5000円
金貨...10000円
大金貨...50000円
白金貨...100000円
大白金貨...500000円
商貨...1000000円(商人の間では多額の行いがあるため、商貨を使う。)
どうも紅玉です!「悪人として生きる!」をよんで頂きありがとうございます!この主人公ユウトは偽善者をやめると宣言しつつもやっぱり人助けしちゃいます!笑いあり涙ありのこの作品を今後ともよろしくお願いします!!