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泣いてもいいのに

突風で

崩れる身体を抱きしめて

貴女は信じる 泣いてもいいのに





かぜはふく。

ふときがつくと、あなたはいない。


永久凍土にあこがれている

じぶんをまるですて猫みたいと


ちいさくほほえみ

こえを、なくした。


あなたがいない

せかいは、いやだ。


ゆたかなこころの日はとおい

らくえんから来た孔雀のよう


おおきな羽をはばたかせ、

いのちのかぎりにかぜまきおこす。


あなたはどこへ

消えた どこへ。


あのかぜにのり

ま黒き宇宙へ?


じぶんをのせる

かぜおこす


それはゆるされない禁忌

あなたはひとり 咎人とがにんとなり


ゆえにだれにも

さがされない罰。


たったひとりでしぬまでいきる

かたるあいてもいないよる。


明けないよるは ないはずなのに

あなたは明けないよるにいる。


あなたが いない、

せかいは、いやだ。


わたしは、あなただ

あなたとおなじだ


このあたたかい明かるいせかいは、

すこし不安でなじめないんだ。


わたしは、あなただ

あなたとおなじだ


かぜをおこして かぜにとびのり

あなたをおいかけ 宇宙へゆきたい。


かぜをおこして かぜにとびのり

あなたをおいかけ 宇宙へとびたい。


でもそんなとき とつぜんやさしい

こえを こころの おくできく。


きみはぼくではないように

ただしいあゆみをとめないで


きみのうるさい「大好き」を

ぼくはたしかにうけとったから


きみはかえれるばしょがあり

きみはかえれるひとがいる


ここのこどくはきみなんかには

たえられないからここへはくるな、


でも、ありがとう、うれしかったな

その想い まぶしかったほど。


そしてわたしは、このばでこどくだ。

にどとあえない、いいはなたれて


最愛のひとにくるなといわれて

それでも げんきに やっていけって?


どんな大罪わたしはおかした?

その罰をうけるいみがわからなくて


もう、いい!

もうしらない。


あなたもみんなも好きかってなら

わたしも、もう、好きにするからッ!


とにかくすて猫、

よくききなさいよ。


わたしは、あなただ

あなたとひとつだーーー


いつまでだって、いつまでだって、

わたしは、あなたを、ひとりでも、待つ。


ひとりで待って、くさっていくなら

いってもわたしに、後悔はない、


後悔しない、後悔しない、

わたしは信じる、絶対、泣かない………






突風で

崩れる身体を抱きしめて

貴女は信じる 泣いてもいいのに


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