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彼のプライド あたしのプライド
おそらく
おそらく本能的にわかってしまうのだ
その集団の中で
誰に嫌われるとまずいか
と言うことをわかってしまって
それを分かったところで
そいつに好かれようとしないものだから
というより
そいつの価値に気づかないもんだから
そいつに嫌われることになる
そいつにおもねることを処世術と言うのなら
そいつと対等でありたい
と思うことをフライドを保つと言う
だから彼はどんなに泣きそうになっても
いつもプライドを保っていられる
だから彼はその本能を「利用」しないことで
ひとりプライドを守っていられる
だからあたしは彼をみている
その、よって立つべき彼のプライドが
けっしてこわれたりしないように。
その純粋無垢な生きざまが
だれかに穢されたりしないように。
だからあたしは彼をみていて
彼を好きでありつづけること
清純のままでと。
それが、その片想いが、
あたしの、あたしだけの、
ちょっとひきょうな、プライド………かな?