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作家の休日 doe

 朝。


「…………ん、ふぁ……」


 まだ眠いなぁ……寒いし……二度寝しよ……、ん? なんかコレ温いから抱きしめて寝よ…………んん?

 あれ、俺は昨日、湯たんぽとか作ってないんだけど……何これ、なんで温いの?

 うっすらと、目を開けると。



 超美形男が、目の前にッッ!



 しかも俺が抱きしめてんの、黒崎じゃんっっ!

 顔近ッ! 美形近ッッッ!

 なんか良い匂いするし、肌とか凄い触り心地いいし! 寝顔なんか無防備過ぎてメッチャ可愛いし!

 どどどどうしよ、眠気が一気に吹っ飛んだっ! 今更、寝れねぇ! 美形の寝顔見つめるとかこんなチャンス見逃すなんて勿体無すぎるっ!


 ……でもなぁ……、今、俺が体起こしたら黒崎起きちゃいそうだし……。

 いや、この状態で起きられたら俺が困るだろ! だって抱きしめちゃってるし! なんか手を放したら起きそうだし!

 どうしよ、どうしよ、どうしよ?! てか、なんで俺、こんなに焦ってんの? ただの男同士じゃ〜ん?!

 ……というかなんで俺と黒崎一緒に寝てんだっけ?!


 あ、そういえば部屋が2部屋しか借りれなくて、俺のスマホの中に入ってたアミダクジアプリで、俺と黒崎、西坂に分かれたんだっけ?


 いやでも、この朝シチュはやべぇってっ!

 いろいろマズイ! いや、まず寝惚けて黒崎抱きしめたのは、俺だけどさっっ!?

 このまま黒崎が起きたら、俺、確実に殺されんじゃん!? 何してんのじゃワレぇぇぇっ! って殺されるじゃんっ!


 ……と、モゾモゾと黒崎が身動きした。

 やべぇ、起こしちゃったかっ?!

 俺の寿命、ここで終わるのかぁぁぁあ!!?


「……んっ、ふぁ……んぅ?」


 ……黒崎はうっすらと目を開けた。

 そして、ぼーっ、と俺を見て、


「……ぉはよぅございま……ふ、……」


 ろれつが回ってないまま、欠伸まじりに挨拶して、……ことん、と寝てしまった。

 あっっっぶねぇっっっ!

 せーf……


「……ん?」


 起きたぁあああっっっ!


「ぁれ? 小日向さん?」

「うんそうだよ、皆が大好き、小日向さんだよっ!!」

「えっと……なんで僕は、小日向さんに抱きしめられてるんですか?」

「気のせいだよ、夢だよ気にするな!」

「え、あ、はい」


 寝起きで、まだぼんやりしている黒崎が、俺の剣幕に押されて頷いたところで、そーっと手を離した。



「あぁ……イタリア、だったんでしたっけ」


 眠たげに、黒崎が呟いた。


「えと、うん」


 黒崎は目を擦りながら、小さな欠伸をする。


「んん……やっぱりまだ僕眠いので寝ます……だから先に朝食を食べに行ってください……」

「え?まだ寝んの?」

「眠いんです……」


 ふぅん、と黒崎を見つめる。


「じゃあ俺も寝るわ。おやすみ〜」


 俺は、布団を被る。


「あ、はい、おやすみなさい」




 ふと、目が覚めた。

 なんか……背中が温い……。

 後ろを見る。


 と、



 黒崎が俺に抱きついていた。



 何?! なんなのこのイベントはっっっ!

 これってアレだよね? BのL的なシチュエーションだよね?

 いや良いんだよ? 俺そっち系もいけるし実は? 黒崎相手なら、俺、攻め(とある腐った専門用語)でも、受け(とある腐った専門用語)でも、どっちでもするよ?

 といっても普段は、どちらかと言えば傍観者なわけでしてね〜、これは、ちょっと如何わしいと思うのでありますよ、大佐っ!


 てか黒崎って美形だから、絶対、女装させても似合うだろうし!

 寝顔、ほんとにクッソ可愛いしっ!

 マジでどうしよう。俺の理性、持たないかもしれない? 鼻血出そうどうしよう、いやこれは萌えだ、萌えに違いがない!



 ピーンポーン♪


『小日向と、黒崎ちゃーん! 朝ご飯、食べに行こうやぁ〜』


 よっしゃ、ナイスタイミング西坂!

 今日ばかりは、褒めてつかわすぞよ☆


「黒崎、起きて! 朝食を食べに行こうぜ、いぇいえいえ!!」





「……なんか、本当にすみませんでした。寝起きは僕、頭が回らなくて」

「いや、別にいいよ? むしろウェルカムだよ? 多分、次は襲うけど」

「え、黒崎ちゃん、何したん?」

「寝惚けて、小日向さんの顔が変形するくらい殴りでもしたんじゃないですかね」

「いや違うし?! 顔変形するくらい殴られて喜ぶとか、俺どんだけドMなの?! てか待って、今の俺の顔、そんなに歪んでる?」

「あれ、Mじゃないんですか?」

「いや違うよっっ?!」

「そうなんですか?」


 小さく首を傾げた黒崎は、エスプレッソを口に含み、……微かに、その綺麗な眉を歪めた。


「……西坂さん」

「なんや?」

「貴方、甘いの、お好きでしたよね」

「うん、好きやで」

「これ飲みませんか?」

「くれるん? 嬉しいわ、おおきに」


 黒崎が、飲んでいたエスプレッソを西坂に渡した。

 西坂は、そのままエスプレッソに口をつける。

 ……ってオイッッ!?

 それヤバくね!? 間接キスだよね!? ……いや、落ち着け俺。俺らは男同士じゃこらぁぁあ!


「……ん。甘いねんなぁ、これ」


 なんか西坂の飲み方、艶っぽいよぉぉ!


「あぁ、黒崎ちゃん、甘いの苦手なんやったっけ?」

「はい。それはちょっと甘過ぎます」

「じゃあ、これあげるわ」


 ん、と黒崎に西坂が、自分のエスプレッソを差し出す。


「……あ、これ美味しいですね」

「おれには苦過ぎて、飲めんかったわ」


 うわうわうわ、この2人気にせず間接キスしてるしっ!

 なんか……男同士だっての分かってんだけど……いや、だからこそ、すっごくホモホモしいっっ!



 と、その時。



 ミシッ、ビシッッ、パリーンッッッ!


 ……何かが、割れる音がした。



「ねぇユキシロぉ、メガネ割れてるよ〜〜!!」

「……わかっているわ……」


 あ、昨日会った “ザ・絶壁” メガネちゃんのメガネが、粉々に割れてる。


「萌える……美男子と美少年に妬いてる平凡男……しかも三角関係……その上、寝起きの朝シチュ……萌える……これは、萌えるしかないわッッッ!」

「ユキシロぉ、声に出てるよー??」


 “ザ・絶壁” ちゃんが、どこからか小さな核融合炉みたいなものを取り出して、そして超マッハで打ちつけたりして、何かを作る。



 そうして、出来上がったのは……



「メガネっっっ?!」



 スチャッと作りたてのメガネを掛け、“ザ・絶壁” ちゃんは無表情に俺らを見た。


「BL、最高だわね」


 …………なんかちょっと、いや、もんの凄く怖かったです。ハイ。






「黒崎、西坂。今日は一緒に、イタリアスイーツ巡りをしよう!」

「おお! 大賛成やっ!」

「また、お菓子の食べ歩きするんですか?!」


 唖然としたように、黒崎が言う。


「だって、まだ食べきれてないよ?」

「そやそや。グラニータもカファレルも食べてへんしな」

「いやでも昨日、あんなに食べられてましたよね?」

「ん? あれだけしか、食べてないじゃん?」

「そやそや。イタリアには、たっっくさんスイーツあるんやで!」

「せっかくイタリアにまで来たんだから、スイーツ全部、食べて帰らなきゃだし! ……お土産なに買おう?」

「作家って、あんま旅行とか行かれへんしなぁ」


 はぁ、と、俺と西坂は悩ましい溜息ついた。


 と、


「呼ばれず飛び出しジャジャジャジャーン! 久しぶりだな諸君! 皆の名探偵、日野下さんだよッッッ!!」


「あれぇ? そういえば最近、日野下を見なかったな」

「確か、駅の改札で、駅員に呼び止められてましたよね」

「なんや? もう出獄したん?」

「いや、してないし!? わたし逮捕とか、されてないし!ただ、ちょっと……えっと……その、駅員にナンパされてただけだよ、多分っ!」


 ……ほんとかなぁ?

 日野下のことだから、逮捕とかされたんじゃないか?

 で、脱獄してきたとか。


「スイーツ食べ歩きするんでしょ〜? わたしも勝手に着いて行くよっ♪」

「えーっ、脱獄犯と一緒にスイーツ巡りは、ちょっと……」

「いや脱獄犯、違うよ!?」

「じゃあ、カネコも行くーっ!!」


 巨乳美少女ちゃんが、ハイハーイッ、って感じで、手を挙げた。



 で、

 一緒に行くんだし自己紹介しよっか、みたいな流れになった。


「じゃあ、俺から自己紹介するね?俺は小日向(こひなた)(みつる)!アラサー作家でーす。彼女募集中〜!」

「黒崎です。円海(まるうみ)文庫の編集者です」

「作家の西坂やで。ちなみに黒崎ちゃんは、おれの担当編集者やねん」

「俺の編集者(くろさき)でもあるしっ!」

「あらやだホモホモしい……じゃなくて、皆の癒しキャラ、日野下さんだよ! キラッ☆」


「カネコは、カネコだよ〜〜っっ!!!」

「私はユキシロよ」

「この栗鼠()はね〜っ、カネコのペットの ろりぃ・たんたん だよっっっ!!!」

『(だからカネコちゃんはボクのものなんだよ)』


「オレはモモノリです。よろしくっス」



 ……………………ん?


「…………黒崎」

「なんですか?」

「なんか、今……可愛い系、男子高校生っぽい、天の声しなかったか?」

「いかにも入学したてな男子高校生の、モモノリさんのことですか?」

「……どこに居んの?」

「どこって……目の前に、おられますよ?」

「は?」


 え? 目の前?

 カネコちゃんら以外、誰もいな…………



「居たぁぁぁあああああっっっっ?!」



「ヒドイっスねっ! 昨日も会ったじゃないっスか! オレ師匠たちの後ろに、ちゃんと居たっスよ!」


 そうだったっけ? こいつ存在感薄くね?


「昨日も居られましたよ、モモノリさん」


 黒崎が言うなら……そう、なの……かなぁ?


「まぁ細かいことは気にしないっ、わカチコわカチコ! ってなわけで、早速、皆でスイーツ食べ歩きしに行こうぜ、イェイっ!」




 その後。

 精神的ダメージを強烈に食らった黒崎は、3日間寝込んでいたとか。



 原因は……まぁ、皆様のご想像に、お任せする

はい!どうも、作者です。


前回と今回の「作家の休日」では、

華欟来詠さんの「おバカなカネコ。略しておバカネコ!!」とコラボさせて頂きました!


作者がコラボを提案してみたところ、華欟来詠さんは案外軽〜く「いいよ」と言ってくれたので、お言葉に甘えさせて頂きました。

正直、もんの凄く楽しかったです。



イタリア編のくせにイタリアのことあんま出てきてないとか気にしないっ!

イタリア行きたいよ〜〜!

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