動き出すとき
次の日。
正直来たくなかったのだが、昨日のようなことをされては困る。
俺は、部室にいた。
「今日は早いな。津田」
いま、教室には俺と先生しかいない。というか、先生昨日はいついなくなったんだ。
「今日はちゃんときたのね。七兵衛」
うざいのが来た。
「昨日送ったメールの返信が来たわ。今週の日曜日、頑張ってね。七兵衛」
今週の日曜? というか、いきなりメール送ったのか、よく返信きたな。
「詳しいことは宗治が来たら話すわ。七兵衛」
※※※
僕が部室につくと、みんな揃っていた。
今日は津田君もきちんと来たようだ。
「さて、みんな揃ったことだし始めるわよ」
そういうと部長は、どこからか持ってきたホワイトボードに何かを書き始めた。
「肝試し? こんな時期に?」
まだ、4月である。普通肝試しといったら、8月くらいだろう。
「そう、肝試しよ。七兵衛」
ホワイトボードには、日曜日に肝試し恋愛作戦と書いてあった。というか、時期の話は無視か。
だから、女は嫌いだ。
「七兵衛と宗治。それから藤次が男子組。勝姫、勝奈、貞子が女子組。で肝試しをやって藤次の恋を応援するのよ」
勝姫の取り巻きの2人もくるのか。
「ということで、藤次にも話をつけたいから呼んでちょうだい」
「わかりました」
その後。作戦を伊達君に説明して僕らは当日に備えた。
※※※
あたしーー荒木 六重ーーは困っている。
部長が、あの来訪者の襲撃以降元気がない。
そのとき、部長の携帯が鳴った。
部長はメールを見ると、こちらにやってきた。
「なあ、六重よ。肝試しにいい場所はないか」
「肝試しですか~?」
あの来訪者からだろう。なら。
「裏山にある京王子霊園なんてどうでしょうか~?」
「京王子霊園?」
「よく、黒百合墓地って呼ばれる場所ですよ~」
「……あそこか。まあ、無難なところか」
よかった。これであの来訪者に復讐ができる。
お姉様の占いに出てた、チャンスっていうのはこのことだったのね。
※※※