第6話
「けど、意外ね。家隆がこんなに詳しいなんて。」
「そりゃ、流行ってるし、岡さんや後藤君ほどじゃないにしろ、俺だって知ってるよ。」
「そうなんだ。ねえ、家隆はする?」
「うんー、まあ、艦艇が手に入ればかな。」
「そっか、私はわからないなぁ。そうゆうの今まで興味なかったし。」
「まあ、今日家帰ってから検索してみたらいいんじゃない。」
「そうする。」
その後、2人は他愛のない会話をしながら帰宅した。
「ただいまー。」
「おかえりー。学校はどうだった?」
「うん、まあ、なんとかなりそう。ただ、クラスは俺を含めて5人だったけど。」
「あー、やっぱり入学式で座ってた子たち以外はいなかったか。」
「うん。」
家隆は母親とそんな会話を2、3した後、自室へと戻った。
「はあ、俺は星間戦争については知ってるし、わざわざ岡さんの言うように動画を見る必要はないな。ゲームの続きでもするか。今日こそは、袁紹を官渡で倒してやる。」
そう意気込んで、家隆はいつものように曹操の決断をプレイして過ごした。
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「おはよう、泉。」
「おはよう。」
小学校の頃から変わらない朝の風景であった。
2人はいつもの待ち合わせ場所から一緒に登校していた。
「泉、なんか目が赤いね。充血してるみたいだ。」
「うん、ちょっとね。」
この日の幼馴染はいつもとは違っていた。
家隆はその違和感を胸に、泉と共に教室前まで来ていた。
「よし。」
泉はそうつぶやくと、
バンッ!と勢いよくドアを開け
「岡さん!私も星間戦争するわ!一緒に天下を取りましょう!」
「ど、どうしたんだ、泉?」
「家隆、私ね、昨日家に帰ってから動画を見たの。そしたら止められなくて、気付いたら朝だったわ。こんなに興奮したのは初めてよ。」
「そ、そうか。」
こんな泉は見たことがなかった。
「明石さん!明石さんならわかってくれると思ってた!これから共にがんばりましょう!」
先に来ていた岡さんが泉に駆け寄る。
岡さんが先に来ていなかったら泉はどうするつもりだったのだろうか…。
「ええ、岡さん頑張りましょう。それから、私のことは泉でいいわ。」
「私のことも楓でいいよ。」
「がんばりましょう、楓。」
「うん、泉ちゃん。」
麗しき青春の1ページである。
そのとき、
「みなさん、席についてください。」
今川先生が教室へと入ってきた。
そして開口一番、
「それから、放課後は星間戦争部の第1回活動日ですから、残ってくださいね。」
そう言ってにこっと笑った。
変な流れはとどまるところを知らない。




