第5話
「けど、プレイに必要なヘッドセット、そしてなにより初期の艦艇はどうするんだ?」
俺は岡さんに尋ねる。
「うっ…、痛いところを突くわね、宇喜多君。そうなんだよねぇ、それなんだよねぇ。」
「考えてなかったの?」
「うん。」
「はあ…。」
先ほどまで岡さんの勢いによって温まっていたクラスの空気は一気に落ち着いた。
「と、ともかく、今日はみんな家に帰ってから、星間戦争の動画なりサイトなりを見て来ようよ、ね?」
「そうね。今日はそうしましょう。私も実際に見てみないとなんとも言えないわ。」
泉はそう岡さんに返事を返した。
「それじゃあ、みんな、明日ね、バイバイ。」
あれから少しみんなで話をしたあと、岡さんは教室を出て行った。
「家隆、私たちも帰りましょう。」
「そうだな。帰るか。」
俺たち二人も帰路に着いた。
帰り道を歩きながら、変な流れになっているが、いい人間関係を作れるのではないかと内心喜んでいた。
少しだけ今朝の絶望から解放されていた。
「ねえ、家隆。」
「うん?」
「ヘッドセットと初期の艦艇って手に入りにくいものなの?」
「いや、そうでもないよ。ただ、お金がね。」
「お金?」
「そう、ヘッドセットはゲーム会社から月額料金で借りるんだけど、たしか500円だったかな。」
「それなら、高校生でも大丈夫じゃない?」
「問題は艦艇の方だよ。一度参戦すればリアルマネーがなくても、戦いで得られる貢献度ポイントによって装備や艦艇は得られるけど、最初だけはどうしてもリアルマネーがいる。」
「うん、うん。」
「これが、最近大流行したおかげで、参加人数に制限がかかって、既存の艦艇に乗っている人から譲ってもらうか、たまに公式で行われる参加枠の入札で落札するしかないんだ。ここまで言えば、頭のいい泉ならわかるだろ?」
「なるほど、艦艇がいくらになるかなんて分からない訳ね。」
「そういうこと。」
そう、そうだよ、艦艇の値段が高いから参戦できなかったんであって、5人組を組めなかったわけじゃないんだよ!
残念だわー、まじ残念だわー、中学のときに参戦したかったわー。
「いつから高騰しだしたの?」
「たしか、第2シーズンの終わりごろだから、俺らの受験のころかな。」
「家隆は4月生まれだから、家隆がそのころ艦艇を買っていたらよかったのにね。」
うちの幼馴染は退路を断つ天才だなー




