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ひのきのスティックはさいきょーのぶき(笑)!!  作者: ピンクのぽんちょマン
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スライムの王道

ちょくちょく前のも書き直すよ



わっしょい!

わっしょしょい!

わっしょいしょーい!!



赤いスライムに胴上げされて数分。俺はまだ空の住人である。

…いや、そろそろ降ろしてくんない?



停止していた頭脳が活動を再開。状況を把握しようと考え始める。しかし何がどうなっているのかまるで分からず諦める。


そもそもこいつなんなのさ。スライム?スライムだよね?ホントにスライム?え、スライムってなんだっけ。

頭の中でスライムがスライムしてスライムなので俺の中のスライム像がゲシュタルト崩壊。

スライムってなんだっけ。


そこでようやくスライムが俺の体をぽよんと受け止め、胴上げを止めてくれた。ちょっと酔った。スライム酔いである。


「………ぉぉ。」


理解の外の出来事が起こると、人間は思考が停止する。感想云々の前に、まず言葉が出て来ない。何が起こったのか分からない。人間なんてそんなもんである。経験者は語る。by.俺。


「大丈夫でしたかー!?」


「ちょっとコレどういう事!?何が起こったの!?」


桃華ちゃん達がパタパタと走り寄ってきた。桃華ちゃんはいの一番に心配してくれる優しいピュアピュアである。さらに走る際には巨乳が揺れる揺れる。もう一度言う。ゆさゆさ揺れる!!

開発陣め、いい仕事しやがるぜ!

開口一番に説明を求めるサクラとは違うね。何が違うって、そりゃ胸のゲフンゲフン。ていうか俺が説明して欲しいくらいである。なんだこのスライム。


「お、俺にも何がなんだか……。よ、よーし、要点を纏めてみよう!

犬と戦う。

かわいそうになってポーション投げる。

で、スライムに胴上げされた!」


三行に纏めても意味が分からない。これでも大事な要点はしっかりと掴んでいるつもりである。なのに全く説明になっていないとはこれいかに。


「意味が分からないわね…。とりあえず掲示板にあげて情報集めね。後は検証班が勝手に検証してくれるのを期待するしかない、か。でもまぁ、私達で出来る事は試してみましょうか。」


サクラ本当そういうの好きね。

……なあスライムさんよ。ちょっと後ろからちょくちょくちょっかい出してくるの止めて貰える?ぽよぽよ背中つついてんのバレてるから。最初恐る恐るだったのがもう今は全然遠慮してないじゃん。あぁもう絡みつくのもダメだって。そういうのはもっと美少女とかにやるべきだと思うんだ、俺は。ほら、触手とかのアレだよ。くんずほぐれつ、的な。俺に触手とか需要ないよ。あったとしてもニッチすぎるよ。そして何よりも俺がイヤ。あぁもうほら止めて。やーめーてってば。


「なんだか、見てる分には可愛いわね…。」


「サクラ、ウチのゴンタも可愛いですよ!ほら、お手も出来るんです、お手っ!!」


桃華ちゃんがスライムに謎の対抗心を燃やしている。ウチの子可愛いアピールとかしなくて大丈夫。そんな対抗とかしなくても圧勝出来るから。動物と桃華ちゃんが戯れるこの空間マジ尊い。

スライムお前も対抗してんじゃねぇよ。つつくのすごい速くなってんじゃねぇか。止めて。

え、胴上げでもする?って感じで戸惑う感じで少し持ち上げるのも止めろ。

ていうか桃華ちゃんもうリトルドッグに名前付けたの?ゴンタってまた、微妙にメジャーな名前付けたのな。


「とりあえずアークもスライムに名前付けてあげたら?桃華も名前付けたんだけど、そしたらその付けてる首輪、『ペットの証』ってアイテム貰ったのよね。」


ほほぅ、アイテムとな?ペットとな?そういえばリトルドッグに、さっきはなかった首輪が付いている。でもスライムがペットとか、なんだかなぁ。こいつ首輪とか付ける部分ねぇもんなぁ。

……いや、待て、スライム?最近の王道ファンタジーを思い出せ。スライム、最弱が故の可能性、無限の進化、スキル奪取……。

そうでなくとも、かの有名なRPGにおけるスライムとは、序盤から仲間になってくれる有能な種族…。


……良いんじゃないか?

いや、スライム、むしろ良いよね。


最近の王道ファンタジーではスライム主人公が多いけど、俺はそれを従える者。しかもモンスター成り上がり系は割と王道の中でも少し異端な立ち位置であり、俺自身は懐古的王道を歩めるって寸法よ。


あぁもうスライムもそわそわしてる。何でもないふりしながらそわそわしてる。しゃーないなー、もう!


「なるほどな……じゃあお前の名前は、スラリソだ!!」


他意はない。重ねて言うが、この名前に、他意は、ない!


ん?アイテム、出さない。出さないぞ、このスラリソ。流石に首輪は無理があるとしても、何かあるだろ。おい。


え?みたいな動きしてる。出さないといけないの?みたいな。ひとしきり体をくねらせて悩むそぶりを見せた後、俺の手の上にぷるぷるっと震えてアイテムを吐き出した。




===================

アイテム

空の瓶

レア度 1 売値3G

中身の入っていない空の瓶。透明なガラス製の試験管型をしている。薬品を作成した場合や、液体を手に入れた際に、セットの蓋を使って封入出来る。

===================




「これさっき投げたポーションのゴミじゃねえかっ!!!」



ぽよぽよ、わたし、よいスライムだよ

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