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第4章 あなたの・も・の・は私の・も・の (2)

お読み頂きましてありがとうございます。

「いやよ。誰が付けるものですか?」


 こいつなんだっけ?ああ、そうかヤマトの召喚者だ。え、王族に繋がるから、ヤマトの代表代行をしているんだ。嫌なら仕方がないか。


「わかった。しなくてもいいよ。その代わり、デスラーも代表代行な。じゃ、それでいこう。」


 俺が軍部に掛けあうと、あっさりと意見が通った。やっぱり聖女の立場は強いらしい。


 ルルに隷属の首輪を付けたときは、気付かなかったが・・・。ちょうど、胸の前だな。デスラーは目の前にあるものに釘付けのようだ。


 俺は隷属の首輪を付け終ったあと、そのまま抱きついた。デスラーは意外とウブなのか、真っ赤になっている。嫌な役のごほうびってわけだ。


 さらに軍部に、俺が出国後、もう1人の代表代行を解任して、権限の無い役職に就けておくように申し入れをしておいた。各国のTOPが俺の支配下に置くのが原則だからな。


 調印の場所は、アワジだ。ヤマトから船で渡る。セトウチの潮の香りがして、なんとも気持ちのいい場所だ。ここには、魔族としては人族寄りのノームが住んでいるらしい。


 調印の際に魔族より申し入れがあり、魔族の隷属の首輪をつけて、正真正銘の隷属関係にしようということになった。魔族として標準のスキルの『支配』を使うことで隷属にできるらしい。俺は、ルルとデスラーとアマイモンとパイモンにその隷属の首輪を付けて、『支配』を放つ、これで終りだ。


 さらにアマイモンが隷属の首輪を1000個差し出したので、受け取り更なる支配地域拡大を誓った。調印が終り、ルルとデスラーを船に乗せ見送ると、ノーム達に歓待された。ここはアマイモンの支配地域だったが、支配者が俺に変わったことで、なにか考えがあるのかもしれない。


 歓迎の席では、ワザワザ、ノームの長が隷属の首輪を付けることで、敵対しないことを誓ってくれたのだ。


「その衣装は、先代のサキュバスの長、サバス様のものですね。先代魔王は獣人に降誕され、それに付き従い、人族と戦ったものの、あと一歩というところで、魔王の寿命が来てしまったそうです。元々、降誕した獣人が好戦的で、魔王の能力を使いすぎたのが原因と言われております。」


「きっと、失意の内に討ち取られたんですわ。この衣装の元主は・・・。」


「今度の魔王はいったい何族に降誕したんだか・・・。」


「え、解ってらっしゃらないのですか?」


「ああ、降誕したというのは、魔族の巫女にお告げがあるそうなんだが、詳しいところまでは、解ってないんじゃよ。」


 魔族の支配地域に居て、魔王を倒してすぐにでも元の世界に帰ろうと思っていたのだが、できそうにないな。下手をすると魔族のTOPに登りつめても、姿を現さないとか・・・。なら一生帰れないぞ。


「しかし、東のオリエンスと西のアリトンは、お告げがあった後、そうそうに国を後継者に明け渡し、出奔したというから、暗躍しているのではないかの。」


「そうすると、魔族の支配地域の東と西は、その後継者が治めているのですね。」


「いや、違うぞ。東は、このアマイモンが支配しておる。そして西はパイモンだ。後継者といえど4大魔族には叶わぬ、戦を仕掛けると脅したら、直ぐに屈し居ったわ。のう、パイモン。」


「ああ、なにか気味が悪いくらい簡単に支配できたので、不審に思うておったが、別段、裏切りもなく・・・。」


「わたしはもう既に、魔王以外の魔族を支配下に置いたと考えてよいのか?」


「それで、ほぼ間違いないだろう。わしのような部族の長にすべて、隷属の首輪を掛けて『支配』すれば完璧だがな。しかし、大丈夫かの。『支配』すればするほど、使えるMPの最大が減っていくと聞いとるがの。」


 俺はあわてて『状態』で確認すると最大MPのところに-10MPと表記されていることを確認した。合わせて5人で-10MPか、最大MPが8000だから最大4000人『支配』できる。


「主要な部族だけでどのくらいあるのですか?」


「そうじゃな。100部族くらいかの。」


 100ということは-200MPか、人族側も同じように『支配』した場合、-400MPだから5%くらいだな、痛いといえば痛いが、そもそもサキュバスのスキルは、それほどMPを消費しない、よく使う『魅了』で1MP、『チームハイドレインライフ』で200MPだ。


 今までの戦いでも、そこまでギリギリMPを使ったことは無い、50%を切れば、レアのMP回復ポーションを飲むし、連続で飲んでも2時間に1回くらいで、ポーション酔いを体験したこともない。だから、大丈夫だろう。


・・・・・・


 魔族といえども、若干身体が大きいくらいで、人族と大した違いはないようだ。各部族の長に会うために、10日ほど巡ってみたが、特に目立った抵抗は無かった。

 たまに、強いやつにしか、支配されないとか言って喧嘩を吹っかけてくるやつも居たが、たいていは、『ドレインライフ』1発KOだった。


・・・・・・・


 あまりにも、あっさりと片が付いたことで、若干腑に落ちないものがあったが、それもいつしかわからなくなっている。


次回更新は金曜日7時です。

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