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第4章 あなたの・も・の・は私の・も・の (1)

お読み頂きましてありがとうございます。

「なあ、サク大丈夫なのか?」


「うん、ジュウト、なにがだ?」


「元々、ゲームの中じゃ極悪非道が平気なやつだったけどさ。普段は優しいお前が異世界に来て、無茶苦茶冷酷になってねぇ?」


 そんな風に思っていたのか。まあ、確かにヤマトが不毛の大地になろうが、魔族の奴隷が死のうが知ったこっちゃ無いという思いがあるのは、確かだ。


「うーん、確かにそう言われてみるとそうだな。なんでだろうな?」


「もしかして、サキュバスというキャラに引き摺られていないか?」


「俺が魔族に染まっているっていうのか?」


「ああ、そうなんじゃねえの?」


「なに言ってやがる!じゃ、お前らのせいじゃねぇか。」


「ま・・・そうなんだけどよ。なんか、お前が別の生き物になっていくようで怖かったんだ。心配だったんだよ。」


「うん、そうかも知れん。だがな、ゲームと違って死んだら終りなんだぞ!何を犠牲にしてでも生き残りたいと思うだろ!違うか?」


「それはそうだけど、でも、犠牲は最小限にしたいって思うじゃんよ。こんなに命って軽かったけと思うんだよな。今のサクを見てると・・・。お前無理してない?道端の死んでる猫を埋葬するようなやつだったじゃないか。」


「・・・んだよ、それ・・・そんなの見てやがったのかよ。・・・ああ、そうさ、演技している部分とキャラに引張ってもらってる部分があるな。けど、仕方がないじゃないか。お前らも神から貰ったスキルポイント半分俺に渡すし、俺が必死になるしかないんだよ。」


「すまん。そんな風に考えていたんだな。俺達もお前をサキュバスにしたことを後悔しているんだ。だから、お前の安全を第一に考えて、スキルポイントを渡したんだ。」


「いまさら、何を言ってるんだ。そんなことは解っているよ。だがな、もう流れは変えられないんだよ。俺がお前達に庇護されてなんになる。お前達だけ、いや、ヤマトの勇者達を共闘したとしても、魔族を叩けるのか?それも、犠牲を最小限にしてだろ。無理だ。絶対に無理だ。」


「すまん。なんか甘いことを言っちまったようだ。それにお前は魔族の2つの部族を従えて、さらにヤマトの聖女でヒノモトの侯爵か、もうその手に握ってしまったんだものな。」


「ああ、これから、完全制圧しに行くんだからな。しかも、お前達の手を借りれねえんだよな。1人で行って2つの部族の長にならなきゃいけない。そして、あと、2つの部族を制圧できれば、ハッピーエンドだろ。たとえ、魔王が出てきたとしてもだ。」


 でも、心強いや、俺がここに1人でやって来たとしたら・・・。やっぱり、こいつのお陰か、なら礼をしなくちゃな。俺はジュウトの手を掴んで、ビキニの中に入れてやる。


 はは、震えてやがる。動かしもしねえよ。まったく。


「はい、終り!」


 あまりにも反応が無くてつまんなくなったので、手を引き抜いた。


「ど、どうして・・・。」


「ああ、キャラに引き摺られたんだよ。きっとな。」


「おいおい、ジュウトだけかよ。な、俺達は?」


 遠くでみていた。サカリとヤルによく見えるようにビキニの中へ差し入れたので、慌ててやってきたのだろう。


「おまえら、居たの?ジュウトに心配してもらったから、お礼。」


「俺も心配だったよ、だからジュウトに行かしたんじゃん。」


「そうだよ、心配だったんだからね。」


「だから、触らせて!」


 俺はサカリを鞭で巻き取って、『電撃』を食らわせる。触らせるわけが無いだろう。


「ほら、キャラに引き摺られているからさ。こうして欲しかったんだろ。ヤルも欲しいだろ。ん?」


 ヤルは大仰に首を振っている。


・・・・・・・


「ルル、似合うぞそれ!付けてみたかったのか?」


「そんな訳ないでしょ?もう。でも、貴女のものっていうのは、確かなんだから。しょうがないじゃない。」


 ルルは隷属の首輪を付けている。ミスリルで出来ていて、隷属の首輪というよりはだたのファッションみたいだ。特にこの首輪には効果はない。魔族が使用している隷属の首輪は主人に対して危害を加えられないようになるらしいのだか、それを再現できる魔道具職人がいないため、形だけを真似しているだけだ。


 本当に魔族を捕まえた場合は、隷属の首輪を付けたあとで、高位の魔術師が魔法を掛けて拘束するらしい。


 俺達は魔族との休戦条約を締結するため、こうして、王女をつれ、仲間の勇者をつれて、まずはヤマトに向かっている。ヤマトの使者と同行して休戦協定の調印を行う予定なのだ。


 しかもヤマトの使者にも隷属の首輪をつけてもらい。それぞれの国がすべて、俺の支配下に置かれていることで休戦が成り立つというわけだ。


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