第2章 わたしは愛の・か・り・ゅ・う・ど (2)
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いい加減慣れてきたが、なんとかならないものか?この格好は・・・・。
そう思っていると、たまたま、俺の身体に惚れこんだ服のデザイナーが、国が主催するデザイン競技会のモデルとしての出場を打診してきたのだ。
基本的には、この国での背後からの攻撃とかに怯える必要は無くなったし、もうちょっと普通に着れるものを着たいと思っていたのだ。その機会が向こうからやってきたのである。それはもう飛びつくしかないであろう。
まあ、自分の服のセンスが絶望的であったというのも確かだ。いくら普通の服が着たいといっても、種族的に露出無しというのも問題あるだろう・・・。
しかし、自分が思っていたのとは、方向性が全く逆のものが出てきた。
いくらなんでも、ニップレスを付けないと着れないものは、無いだろう。全身網タイツだけとか、秘部がメッシュでできているとか。まさか防具のマイクロビキニよりも、布地が少ないのがほとんどで、一番布地が多くても、超が3つくらい付きそうなハイレグとか・・・。
種族的に秘部とか脇とかに毛が生えない体質みたいなので、見苦しくはないのだが。
あまりの出来に、初めは出場を辞退しようかとも考えたのだが、見に来るお客さんがほとんど女性だというのを聞き、ある考えの下、出場することにした。
・・・・・・・
ブーブーブーブーブー、ブーブーブーブーブー、ブーブーブーブーブー、ブーブーブーブーブー、ブーブーブーブーブー、ブーブーブーブーブー、ブーブーブーブーブー、ブーブーブーブーブー、ブーブーブーブーブー、ブーブーブーブーブー、ブーブーブーブー
案の定、俺が会場にモデルとして出た途端、ブーイングの嵐がやってきた。
俺は『広域魅了』を放つ、親密度はあまり上がらないが半径4KMのありとあらゆる生物が全て俺に対して憧れのまなざしを持つようになり、敵対行動を控えるスキルだ。
とたんにブーイングが収まり、観客は、こちらの一挙一動を見逃さないというように乗り出してみているようだ。男性の欲望の入り混じった視線とは違うが、こちらも喰われてしまいそうな視線だった。
服といえるのかどうか解らないが、ほとんど紐だけのようなものから、超ハイレグ、一応下着はつけているが、網ニット、そして、白色の布でできたマイクロビキニまで場末のおとなのおもちゃショップでしかみられないようなものばかり、4点を着て歩いた。
評判は上々で、今街中では、5歳児から65歳のおばあさんまで、みんなマイクロビキニやハイレグを着てあるいているほどだ。
でも、まあ、ファッションリーダーと呼ばれ、マイクロビキニを着ていても、目立たなくなってよかったし、女性からあまり敵対視線を受けないのは、助かっている。
・・・・・・・
気楽に国中を歩けるようになった代わりに、今度は重臣だけでなく、主要な貴族にまで、『淫夢』の件で呼び出される。もうそろそろ、この国を出て、旅に出たほうが良いのだろうが、王女の支度が整っていないという理由で足止めを食らっている。
まさか、まだ『淫夢』を経験していない貴族が邪魔をしているのではあるまいな。
今まで、重臣に呼びつけられた場合、その家の妻達とは、初めに挨拶を交わす程度で一切顔を出さなかったのだが、競技会以降、積極的に顔を出すようになってきた。
競技会で着た衣装についての質問や、無駄毛処理の仕方、そして男の喜ばせ方など・・・。
その貴族では、少し前に今話している正妻が、マイクロビキニを着て、旦那の前に出て以来、活発な交渉を持つようになったらしい。
その交渉が長続きするように、俺がネットとかの情報を頼りに、自分がしてもらってうれしいことを実技指導したり、旦那が淫夢を見ている間に役得とばかりに、多少エロいこともしていたりするのだ。