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第9章 地球は私の・も・の・よ (2)

お読み頂きましてありがとうございます。


 俺とテルちゃんは、今、1機のUFOに乗せられて銀河連邦の主星へと輸送中である。俺の友人達やリュリュも地球連邦の随行員としていっしょについてきている。彼らにはスキルポイントを割り振っており、アイテムボックスの中には、アメリカなどの各州で廃棄できずに困っていた核ミサイルもいれてきたのだ。


 すでに、このUFOの乗務員は、俺の支配下において、銀河連邦の主星の権力構造とその位置を掴んでいる。核ミサイルには、その方向と距離は入力済みである。


 地球連邦は未だ言語の統一に至っていないが銀河連邦は言語が統一しているらしい。その言葉は『翻訳』スキルで対応できるのは、確認済みである。


 地球連邦の随行員は、私の同志である山田取無から頂いたオリハルコン鋼製スーツを着込んでいる。山田ホールディングス社の研究成果により、宇宙空間でも作業できる機密性能にスイッチ一つで切り替わるようになっている。オリハルコン鋼製であるため、地球上のどのような武器も跳ね返す性能を持っている。


 本当はミスリル鋼の下着で二重化をすれば、最強なのだが、私の闇魔法と相性が最悪であるため、スーツのみを着こんでいる。


・・・・・・・


 銀河連邦の代表者と会ったのは、外の空間だった。どうやら、野蛮な地球人は、会議室の中に入る権利さえないようだ。


「サアコノショルイニショメイヲシロ!」


(さあこの書類に署名をしろ)


 その書類には、予想通り地球の人間が銀河連邦に隷属する契約が書いてあり、地球のそのものが、銀河連邦のものであることが書かれていた。


 俺は、相手の言葉でその契約書を読み上げる。


「キ、キサマ。ホントウニチキュウジンカ?ナゼ、オレノコトバガワカルノダ。」


(き、貴様。本当に地球人か?なぜ、俺の言葉が解かるんのだ。)


「俺達からの返答は、これだ!」


 俺の指令を受けた仲間達が一斉に、アイテムボックスから取り出した核ミサイルの発射ボタンを押していく。この星の防衛システムは、バリア一辺倒で星系外の敵からの防御は完璧なのだが、内部の敵には、弱いという情報を貰っている。


 実際にミサイルが発射されたにも関わらず、戦闘機の1機も出動されない。UFOで取得した情報通りだ。


「オマエタチ、ナニヲシタノダ。」


(お前達、何をしたのだ。)


 動揺する彼には返答せず、前方200メートルに居る彼らの代表らしき人物のすぐ横に『移動』し、『魅了』と『支配』を唱える。支配が通じることは、UFOの乗務員で検証済みだ。


「さあ、お前の本当のトップのところへ連れて行け。今のミサイルは、銀河連邦の反政府組織が発射したものということにしろ。」


「ハイワカリマシタ。」



・・・・・・・


「ナニヨウダ!イマハイソガシイ!」


(何用だ!今は忙しい!)


「ハンセイフソシキガカツドウシテイルトイウジョウホウヲエマシタノデ、チキュウノミナサンヲオツレイタシマシタ。」


(反政府組織が活動しているという情報を得ましたので、地球の皆様をお連れ致しました。)


「オオソウカ。ソレデチョウインハドウナッタ?」


(おおそうか。それで調印はどうなった?)


「マダイタダイテオリマセン。」


(まだ頂いておりません。)


「デハワタシカラチョクセツ、オネガイシテミヨウ。ハンセイフソシキトヤラノオカゲデメノウエノタンコブダッタ、チョウロウカイノダイブブンガシンダヨウナノデキゲンガイインダ。」


(では私から直接、お願いしてみよう。反政府組織とやらのおかげで目の上のたんこぶだった長老会の大部分が死んだようなので機嫌がいいんだ。)


「貴方が、この銀河連邦のトップか?」


「ソウデアル。コノシュセイノギンガテイコクノコクオウデアル。アナタハ、ワタシタチノコトバガワカルノカ?」


(そうである。この主星の銀河帝国の国王である。貴女は、私達の言葉がわかるのか?)


「はい、UFOの乗組員さんが教えてくださいました。」


「スバラシイ。ギンガレンポウノイチブノニンゲンシカツカエナイノウキロクキキノヨウダ。デハ、コノケイヤクショノナイヨウデハフフクナノデアロウナ?」


(すばらしい。銀河連邦の一部の人間しか使えない脳記録機器のようだ。では、この契約書内容では不服なのであろうな?)


「もちろんです?」


「デハ、ドノヨウナジョウケンナラバノメルノカ?」


(では、どのような条件ならばのめるか?)


「この国の国民と同等の権利とUFOで破壊した地域の補償として、銀河連邦特許技術の無償提供を。」


「ソンナヨウキュウヲノメルトオモウノカ?ソウメイナオジョウサンデモワカラナイトイウノカナ。」


(そんな要求をのめると思うのか?聡明なお嬢さんでもわからないというのかな。)


 うーん、ここは障害物が多すぎてうまく移動の距離が掴めない。失敗したら終わりだからな。


「マアイイ、デハオジョウサントイッタイイチデハナシヲサセテモラオウ。ヨロシイカナ?」


(まあいい、ではお嬢さんと一対一で話をさせてもらおう。よろしいかな?)


 チャンスだ。この機会を逃す手はない。


「わかった。行ってくるから、ここで待機していてくれ!」


「サキ!」


(大丈夫だ。リュリュ、何かあったらPTチャットで伝えるから・・・。)


(いってらっしゃい。)


・・・・・・・


 連れて行かれたところは、国王の居室のようだ。俺達は大きなテーブルを挟み座っている。


「アルテイド、ソチラノジョウケンヲノンデモイイ。ダカラオレノソクシツニナラナイカ?」


(ある程度、そちらの条件をのんでもいい。だから俺の側室にならないか?)


 俺の大きな胸は、此方の人間にも効くらしい。それも、この土壇場で使えるとは、なんてラッキーなんだ。


 俺は、立ち上がり彼の座るソファの横に座る。


「それは、ありがたい申し出ですね。私に何をご要望です?」


「モチロン、カイラクダ。ワシハコノヨノカイラクヲスベテアジワイタイノダ。ソノホウノモタラスカイラクガヨケレバ、ドンナジョウケンモノメル。」


(もちろん、快楽だ。わしはこの世の快楽をすべて味わいたいんのだ。そのほうのもたらす快楽が良ければ、どんな条件ものめる。)


 そう言いながら、彼の手が私の胸を触ってくる。まあ、これくらいならいいか?


「では、寝室に案内してほしいですね。私も宇宙人とはした事がないので期待していますわ。国王。」


・・・・・・・


 彼と一緒に寝室に行き、お互いに着ている服を脱がせて、ベッドに座った瞬間、『魅了』『支配』『淫夢』の3連打だ。この攻撃も久しぶりだな。


 ここまで、『魅了』も『支配』も使わなかったのは、もし国王にこの星のバリアのように魔法が効かない場合も想定していたため、お互いが裸になるこの瞬間まで待っていたのだ。


 彼は、ベッドの上で淫夢と戦っている。


 まるで、これでは昏睡強盗のようだななんてピントの外れたことを思いながら、PTチャットで、外に連絡を取ろうとするが雑音が多く、うまく繋がらない。


 もしかするとバリアが妨害になる予測は、当たっていたかもしれないな。おそらくこの帝国に限った技術なのだろう。UFOの乗組員には、そんな情報をもっていなかったのだから。


 ようやく、彼が淫夢から目を覚ました。初めてかも・・・淫夢の様子をずっと見ていたのは。


 いままで淫夢の要望した人物は、醜くてぜったい見続けていたくないと思ったけど、彼のはそれほどではない。イケメンは得だな。


「どうですか?」


「スゴイ、イママデノカイラクノナンバイモヨカッタ。」


(すごい、いままでの快楽の何倍もよかった。)


「では、条件をのんでいただきます。よろしいですね。」


「ハイ、ワカリマシタ!・・・!!!」


「やはり、驚きますよね。ごめんなさい!貴方を私の支配下に置きました。約束通り、側室になれればいいのですが・・・。代わりに宰相にしていただけます?」


「ハイ、ワカリマシタ!・・・!!!!」


「替わりに今の快楽をたまに差し上げましょう。それで許してください。では、私の仲間達をここに連れてきてください。そしてあなたの直筆で正式な条約の締結をお願いします。」


「ハイ、ワカリマシタ!・・・!!!!!」


・・・・・・・


「サキ!その格好は!」


 よく考えると裸だった。


「ああ、大丈夫だ。国王に淫夢を見ていただいただけだ。」


「テルちゃん、すみませんが、この条約にサインをお願いします。2通ありますので1通を山田取無殿に渡して、絶対壊れず、盗まれないところに保管してください。そして、その技術と引き換えに山田殿に銀河連邦技術の使用権を与えると伝えてください。」


「わかりました。サキちゃん、これでお別れ?」


「いえ、テルちゃんは一生、ここと地球を行き来して貰いますのでその覚悟を。」


「ああ、わかった。」


「私は、ここに残るよ。リュリュは一緒に残ってくれるね。」


「はい!」


「私は、ここで支配下を増やし、確実に地球に手出しできないようになるまで留まるつもりだ。ジュウト、サカリ、ヤルの内1人は、テルちゃんのお守りを頼む。あとの2人は、俺と共にこい!」


・・・・・・・


 結局、テルちゃんのお守り役は、ヤルとなった。ヤルならいろいろとコネを作るのが得意そうだし、なんとか地球連邦を維持してくれるだろう。


いつも評価して頂きましてありがとうございます。


完結です。やっとSFスペースファンタジーになりました。


次節「銀河編」はいまのところネタがないです。


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