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第7章 私をどうする・つ・も・り (1)

お読み頂きましてありがとうございます。

 俺は、神から選択肢を聞いたとたん。絶望に打ちひしがれた。


 神からの選択肢は、そのままでいることだった。帰ってきて元の姿に戻れないばかりか、この世界でもサキュバスとして過ごせと・・・。まあ、サキュバスには『幻惑』という常時発動スキルがあるから、人間に見せかけることもできるだろうが・・・。


「そこで、異世界人よ。お主にも選択肢がある。一つは、サキが生まれ変わる選択肢を選んだ場合じゃ。お主の体内に宿らせる。つまり、サキの母となる選択じゃ。その選択を選ばなかった場合は、お主もこの世界に生まれ変わることになる。」


「サキ様の母ですか、私は、サキ様に捧げた身、これ以上の選択肢はありませんわ。」


 ルル王女が母・・・母・・・・ハハねぇ。しかも、右も左もわからないこの世界でか?


 どう考えても死亡フラグが立っているよな。


「あとは、サキがこのままを選択した場合じゃが、女性のままか、男性になるかだ。サキはな、元男性なのだ。お主がこちらの世界に来たときは、男性として接するつもりだったようじゃ。だから、その意志の尊重して、異性として生きていくのも良いし、いまのまま同性として生きていくのもいいと思うぞ。」


 ルル王女が男性になって、ギラギラと欲望に満ちた視線を送ってくるようになるのか?それとも国王シーダーのように、優しい眼差しになるのか?


「サキ、貴女はどうしたいですか?」


「ルル、男性になったとき、常時、欲望に滲ませた視線を送らないと誓えるなら、男性でもよい。」


「やはり、判断基準はそれですよね。女性のまま、貴女に安らぎを与える存在になるか?男性になり、貴女の苦痛を分け合える存在になるか?」


 そんな考えもあるのか?


「まあ、わしもいつかは子供がほしいと思うかもしれないそのときには、ルルを選ぶかもな。そういう意味では、男性のほうがいいかも。」


「じゃ、男性で決まりですね。」


・・・・・・・


「ほぼ、決ったようじゃな。なお、サキの友人達はスキルポイントを剥いで、VRMMOに戻してある。この150ポイントのスキルポイントは、改めてお主に渡しておく、友人達に割り振ってもいいし、これから出会う人に割り振ってもいい、もちろん、そこの異世界人に割り振ってもよいぞ。この世界では、3ポイントもあれば超人だから、まあ、良く考えて使うことじゃ。」


「私は、サキ様のどういった立場の人間になるのでしょう?」


「ああ、異世界人の持っている魔法やスキルはそのままで、サキの従兄弟として、この世界に居たことになっておる。その記憶も戻す前に植えつけておくから安心しろ。」


・・・・・・・


 俺は、『幻影』のスキルが常時発動した状態でVRMMOのヘッドセットを被った状態で目を覚ました。


 先に覚醒していた友人達は、なにをどういっていいのかわからないようだ。


「お前達は、知っているんだよな。俺がここにいるのがどういう状態なのか。」


「ああ。」


「幻惑を解いてみせようか?」


「いいよ、もう。やめてくれ!もう嫌なんだ。たとえ本能だといっても、お前をいやらしい目で見てしまうのを止められないのが・・・。」


「でも、責任はとってもらうぞ。俺をこの姿に縛り付けた責任をな。」


「ああ、なんでも言ってくれ。できることならなんでもするよ。」


「じゃ、超人になって俺達を守る役目を与える。スキルポイント5つ与える、好きに割り振ればいい。」


「俺達?」


「そうだ。ルルが俺の従兄弟になるのだそうだ。」


 ムームー・ムームー スマホに電話らしい。表示を見るとルルと表示されている。あわてて電話を通話にする。


「ルルは右も左も解らない状態ではないらしい。記憶はあるのだけど、どう行動していいかわからない状態らしい。迎えに行ってくる。付いてこい。」


・・・・・・・


 不思議でもなんでもないのだろうが、スマホに登録された住所に行ってみるとここに来たことがあるというデジャブに襲われた。


「やあ、どんな調子だ。」


「だれ?」


「ああ、この姿は初めてだったか。サキだ、この姿では、日渡咲だ。」


「サキがサク?」


 ここで押し問答するのも、アレなので、『幻惑』を解く。


「入れてくれ!」


 部屋に入った途端、従兄弟としての名前は竜崎隆道りゅうざきたかみちで、ここが彼の持ちマンションであることや、彼は両親を亡くしており、天涯孤独の身の上であることなどが、頭の中に入ってきた。


「ルルは、なんて呼ばれたいんだ?」


「ルルはルルでしかないわ。」


「リュリュでいいか?そのなりで女言葉は、気持ちわるいから変えてくれないか。」


 とりあえず、リュウザキリュウドウで、リュリュだ。前には、芸能人も真っ青なイケメンが居る。名前も渋いし、うらやましいぞ。


「うん、それでいいわ。いいぞ?」


「ああ、それでいい。」


 リビングに着くとソファがあったので腰掛ける。ちょうど、人数分ある。意外と芸がこまかいな。


「ものは相談なんだが、この先どうする?いや、どうしたい?」


「わたし・・俺は、サクについていくだけよ・・だけだ。」


「・・・聞いた俺が悪かった。お前達はどう思う?」


「お前を一生守るよ。」


「・・・重いな。重いぞ!ジュウト。」


「俺も同意見だが、とりあえず、学業優先でいいんじゃないか?」


「そうだな。サカリ、でもその間、リュリュはどうするかな。リュリュ、お前何ができる?魔法以外で?」


「そう・・だな。笑顔で人に接することができるから、接客業?」


「リュリュはお酒に強いほうか?」


「そう・だな。飲まれることはなかったかな。」


「じゃ、ホストでもなるか?」


「ホストね。枕営業はできない・・ぞ。」


「まずは、無しでいいんじゃね。」


「ヤル、お前の伝手で、条件のいいとこに潜りこませてやってくれ。」


 矢瑠の親は、テナントビルを多く抱えた不動産屋だったりする。


「ついでに、俺の方も探してくれ。」


「ホストか?」


「いや、ホステスだ。ズルだが『魅了』を使わない手はないからな。できれば、単なるセレブの坊ちゃんよりは、バリバリの社長を手なずけたいな。」


「OK、わかった。」


「ジュウトはボクサーかな。スキルポイントを使えば、難なくベルトを取れるだろ。サカリはJリーガーでも目指すか。地元のクラブが募集していただろ?」


「俺は?」


「うーん、そうだな。自衛官ってのは、どうだ?将来、スナイパーに育ってくれ。」


「ああ、銃は得意だ。毎年、撃ちに行っているからな。」


「ハワイか?」


「イヤ、山梨の山奥、知り合いのコレといっしょにな。」


 ヤルはそういいながら、指で頬を切る真似をする。


「そっちの知り合いは関係が深いのか?」


「ああ、XX組の御曹司だ。幼稚園からの友人だ。」


 ヤルは全国規模の広域暴力団の名前を出した。


「つながりはバレない程度にしとけよ。」


とりあえず、学業優先らしい(笑)

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