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第6章 魔王を・さ・が・せ (1)

お読み頂きましてありがとうございます。

 世界は平穏を取り戻したが、俺は、どうしても気になることが残っているため、ルルに相談するのだが、取り合ってくれない。


「だから、魔王と元4大魔族の長のオリエンスとアリトンが見つかっていないんだぞ。もうすぐ、約束の1年目だが、大丈夫なのか?」


「まさか、本当に1年で帰ってしまおうというのですか?それこそ、いつ魔王が攻めてくるか解らないというのに。」


 このままでは、一生この世界に釘付けにされてしまうではないか。魔王がどんな種族に降誕したかで、この世界に拘束される年数も変わってしまうのだ。それこそ、エルフのような、高寿命の種族に降誕したならば、こちらが死ぬまで待ったとしても平気なのだから。


 そもそも、俺は魔族の寿命を持っていると思うが、他の仲間は人族としての寿命しか持たない。それまでには、返してやらないと、こちらの世界に骨をうずめることに成りかねない。


 俺がそういうと、しぶしぶではあったが、魔王探しを手伝ってくれることになった。


 魔王のことは魔族に聞けということで、領地の手伝いをしているアマイモンに聞く。


「うーん、わからん。魔王は、お主達勇者のスキルで『鑑定』をしてみても、種族も降誕した種族でしかないし、おそらくMPは高いと思われるが、それは怪しいというだけで、決め手にはならないと思うぞ。人族でも魔術師に特化すれば、同じようにMPが高いとおもわれるからな。」


 そう簡単にはわからなさそうだ。


「また、オリエンスとアリトンは、変身が得意でな、特に人族に紛れてしまうと、全く見分けがつかないぞ。ただ、『鑑定』をしてみると、魔族とわかるから、それが唯一の手がかりだな。これは想像だが、オリエンスとアリトンも姿を消したままということは、魔王の近くにいると思うぜ。」


「そうすると、新しい人に会う度に、『鑑定』で確認していくしかないという話か?」


「それしか、あるまい。あとは、俺だったら、お主を狙うぞ。お主を隷属してしまえば、世界が手に入ったも同然だからな。」


「やはり、私に近づいてくるものに『鑑定』するしかないのか。仕方が無い、ルル、あと半年待ってやろう。まずは魔族が隠れていると思われる場所をかたっぱしから洗っていこう、ルルが怪しいと思うところを洗い出しとくのだぞ。半年過ぎたら、何が何でも帰るから、よろしくな。」


「では、どうしても帰られるというのですね。この世界はどうなってもいいと。」


「まあ、よくないから、隷属の首輪の『支配』を『譲渡』しとくよ。とりあえず、ルルのMPがあれば、ギリギリ『譲渡』できると思うから。」


「それなら、余計に無理ですね。貴方達を送還するのに、MPが必要ですから。」


「え、あの宝玉に詰めるMPだけでは、足らんのか?」


「どこでそれを、それは国家秘密、王家の人間しか知らないはず。」


「何をいっている、いつも夜中にベッドから抜け出し、宝玉にMPを投入しているではないか。」


「つ、つけていたの?」


「ああ、毎夜、毎夜、何処に行ってスッキリしているのかと思って探ってみたんだが・・・。」


「・・・スッキリって・・・私が何をすると思っていたっていうの。」


「いや、最近、よく我慢しているみたいだからさ。」


「え、いや、うそでしょ。もしかして、バレていたの?なんで!」


「そりゃ、サキュバスだからじゃない?いまさら、欲情に溢れた視線なんて、驚かないけど・・・。」


「そうか、サキュバスだったわね。なんだ、我慢しなくてもよかったんじゃない。じゃ、抱いてくれる?」


「・・・・・話を戻そう・・・。」


「・・・・・・・・・・・、一世一代の告白を無視するんかい、え。」


「なんか、キャラ変わってますけど、ルルさんや。」


「そんなことを言って誤魔化してもダメ。ちゃんと答えて。」


 いったい、どうしろと・・・。


「・・・抱いて寝る・・・じゃ、ダメだよね。」


「いいわよ、それで、だってどうしたらいいか、わからないもの。誰にも聞けないし、こんなこと・・・。」


「オプションでキスを付けられますがどうされますか?」


「なによ、それ、どっかの娼館?」


「なんで、王女が娼館なんて、知っているの?」


「そりゃ、男の人を喜ばせる手管は王族として必要だから、いざとなればどんな政略結婚を強いられるかわからないじゃない。嫁いだ先で大切にされるように、勉強させられるのよ。必須よ。って、何を言わせるのよ。もう・・・。」


 げ、そうなんだ。


「じゃ、キスも無しということで・・・。」


「有りよ有り、他には何があるのよ。」


 なんか、俄然やる気を出してきたな。でも、これ以上、女の子同士でどうやってするのかわからない。


「じゃ、オプションで『淫夢』っていうわけには、いかないよね。」


「それも、有り!但し、最中はずっと抱きしめてくれなくちゃ、嫌よ。」


・・・・・・・


 そんな、紆余曲折があったが、とにかく、『譲渡』は筆頭魔術師のラインハルトに托し、半年後には、俺達を送還してくれる約束を取り付けた。


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