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2012年40歳  作者: 龍太郎
5/10

混乱

タ タタッ。


トン トン。


「佐藤さん。佐藤さん・・・」


「起きてください!佐藤春一さん。」


なんとも感情のない、聞き覚えはもちろんない声…

そうだ、病院にいるらしかった。

多分近所の総合病院にでも運ばれたのだろう


頭痛は和らいだみたいだ…


なんとか目を開けると、看護師さんがほほ笑みの表情でこちらをうかがっている。


『おはようございます』・・・ん?声が出ない!


もう一度!やはり出ない…

どうなっているんだ?

体を起こそうとする!うまく動けない!

なんだか体の右半分が無くなってしまったような感じだ。


これはいったい?

私の体に何が起こったんだ?

聞こうにも話ができない…


「佐藤のおじいちゃん!目が覚めてよかったねー」

看護師さんが話しかける。


おじいちゃん?


この娘はふざけているのか?だれがおじいちゃんだ!


「高齢で大変だろうけど早いうちにリハビリしないとね」

「体が動かないままになっちゃうから。後で先生が来ますからね」

そう言うと部屋を出て行った。


体が動かないのは分かっている!

しかし、高齢?病院では30代を高齢というのか?

わけのわからないことが多すぎる。自分の身にないが起こったのか。

それほどひどい事故だったのか?どうして声が出ない?



・・・


しばらく頭の中を同じ疑問がグルグル回り、考えるのをあきらめた。


ふと、左手が動いた。

お!動く!

どうやら左手や左足は動くようだ!


体全体に倦怠感や鈍痛はあるも、手を顔の前にかざしてみた・・・


!!なんだ?!この手は!


そこにある自分の手は、細くしわくちゃで血管が浮き出た…

まるで。まるで、おじいちゃんの手…



驚きのあまり叫んだ!!



「がぁーーーーーーー」


声にはならなかった。


「がぁーーー。あぁーーー」


何が起きている?誰か教えてくれ。


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