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2012年40歳  作者: 龍太郎
2/10

39歳

 「おはよう」

リビングへ通じる階段を下りながら、まだ眠い気持ちを振り払い

精一杯の元気さとさわやかさを意識しながら挨拶してみた。


・・・


「はい おはよう」

オープンキッチンの向こうから妻の声…


・・・


目の前に座っている14歳と11歳になる娘たちはTVを見ながら

ロールパンを食べ、まるで返事などしない。

(存在を認めたくないかのようだ)


私がテーブルに着くと、スーと席を立ち、お母さんにだけ

「いってきまーす」

(私のひがみもあるが)

挨拶もそこそこに二人とも学校へ行ってしまった。


「ふー」知らずのうちにため息が漏れる。


「年頃でしょ!」

妻の結衣が何かを感じたのか慰めの言葉をくれた…

「わかっているよ」(わかってはいるつもりでも寂しさはごまかせないんだよなー)



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


私は 佐藤春一

妻の結衣と恋愛の末結婚して、もう15年

二人の娘を授かり、郊外に一軒家を立てることもできた。

仕事は都内の広告代理店の課長

このご時世でも何とか黒字の会社のおかげでローンも払えているし、家族にもそれなりの生活をさせてあげることが出来る。

その反面、忙しすぎる仕事は、私から家族との時間を奪っていく。

よき理解者の妻はまだしも、子供たちには不満もあるだろう。

長野に住むお互いの両親などは、たまに電話すればよいくらいだ。


仕事人間ではない自負はある。

家庭は毎日かえりみている!

けど、しょうがないだろう?って毎日思っている。

そんな39歳の秋のいつも通りの朝食の風景…


そう


いつも通りだった…

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