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第八章 新たな物語
数年後──エリオは王立魔導騎士団の副団長となり、王国の平和を守っていた。
ルネッタは王立魔導学院の教授に、ヴィクターは国王となり、ミーアは諜報局長として暗躍している。
そんなある日、新しい学院に一人の少女が入学した。
「エリアータ・ノクティア・デルソルと言います! 宜しくお願いします!」
それは、エリオとルネッタの娘だった。
ルネッタは娘に毎日のように“伝説の悪役令嬢”──『アンジェリカ』の話をした。
あまりにも母親が『アンジェリカ』の話ばかりするので、彼女の事を父親に聞いてみると、驚愕の事実を知る事になる。
「えっ!? お母様が話してた“伝説の悪役令嬢”ってお父様の事だったの!?」
エリオは苦笑いしながら娘の頭を撫でて、昔の自分の事を話した。
「これだけは覚えておきなさい、エリアータ。悪役令嬢でも正義を守れる」