第七章 告白と決断
真実が明るみになり、エリオは狂言の罪で追放の危機にさらされた。
だが、その事にルネッタが立ち上がる。
「エリオ様がいなければ、私は死んでいたかもしれません。彼は悪役令嬢なんかじゃない。私の英雄です」
ヴィクターもルネッタと共に立ち上がった。
「王家が利用したのは我々の正義感だ。だが、エリオはその中で自分なりの正義を貫いた。……彼を罰する事など、あってはならない」
王家は事態の大きさに震え、最終的にエリオの正体を『国家の極秘』とし、デルソル家を特権貴族として再認定する。
そして。
「……もう……『アンジェリカ』にならなくて良いんだな……」
エリオは初めて男としての制服を着て、学院の門を潜った。
教室に入って来たエリオに、ルネッタが微笑んで近づく。
「エリオさん、これからは普通のお友達になれますか?」
エリオは少し赤くなりながら頷いた。
「ああ。でも、たまにはアンジェリカに戻ってもいいか? 戦う時はあの姿も悪くないからな」
「フフ……では、戦う時は『悪役令嬢アンジェリカ』。普段は『優しいエリオさん』、と言う事で。私は……どっちの貴方も好きですけど」