6.いざ、ダンジョン第二層
誤字脱字、読みづらい部分を加筆修正致しました。
おはようございます。池上翔太 魔法高等学校ー2年C組 プチバブリーなダンジョン探索者です。
昨日の夜まで5日間カレーでした。しばらくカレーを見たくありません。酸っぱかったです。
今日の朝食は、コンビニで買ってきました。割引シールがないハムサンドと牛乳500mlです。
大特価プロテイン大入り袋20%増量中チョコレート味を買いました。これを牛乳に入れシェイクシェイクして飲みます。これから2〜3時間毎に飲む日課にします。朝6時、9時、12時、15時、17時、20時の6回が目標です。ダンジョンには個別にプロテイン入りシェイカー3個持っていきます。
ちょっとバブったので贅沢してしまいました。
こんな事してると天罰が当たります。怖いです。
天罰・・・・・美味しいです。
さて、今日からダンジョン第二層です。装備は変わりません。
青の長袖ツナギ4L、安全靴、安全第一ヘルメット、プラスチックの防護メガネです。近くの建設現場のゴミ箱から安全靴を拾いました。補充です。
今日は金属バットが火を吹きます。
装備確認後、玄関ドアを開けます。草がぼうぼうの中からアライさん家の末っ子がこちらを覗いています。この頃バブってるのでスナック菓子を庭に撒いた・・ではなく全て漏れてしまったのを探しているようです。こちらに寄ってこようとしてます。危険です。モフモフです。撫でたら気持ち良すぎて地獄に落ちます。
スクーターに乗って煩悩を断ちます。危なかったです。
<さてさて>
やっとダンジョンに着いた。
朝9時です。プロティン飲んで今日も即ダンジョン探索。
とにかく地図を見ながら二層へ直行しよう。
地図をみる。真ん中を7kmほど行くと二階に降りる階段があると書いてある。
体力が付いたのか30分のジョギングで着いてしまった。
※ダンジョンでは電子機器が使えないのにスマフォもなく時間が分かるのかと思っている方も多いと思う。翔太君は、手巻き懐中時計蓋付きを胸ポケットに入れているのだ。何十年も前の物でアキバのバッタ屋で見つけた。不思議なのが閉店大セールで買ったのだが、1年以上前も閉店大セールをしていた店なのだ。摩訶不思議だ。
通常のダンジョン探索者は、専用の自動巻腕時計をしているが、数十万からの値段で高すぎて買えなかった。1日に2分5秒進むので、毎朝調整しネジをジコジコ巻いている。いつ壊れるかは神のみぞ知るだ。
2階の階段を降りる前に気を引き締める。
ここからは、相手が確実に襲ってくる。金属バットを握りしめ「フンム」と魔力をバットと全身に纏わせる。一歩一歩階段を慎重に降りていった。
第二層は、草原だった。明るさは、地上のくもり空程度だろう。草の丈は10cmから30cmくらいで一層の岩だらけより歩きやすい。途中途中に小高い丘なのか山なのかが点在していて全体は見通せない。地図を見ても歪になっていて歩いて行くうちに迷子になりそうだ。
基本左から時計回りに回っていこう。
暫く歩いていると第一緑の子鬼発見。
草の緑と同化していて30m近づくまで気が付かなかった。
相手はもっと前に気づいていたように思う。これはまずい。不意打ちが効かないって事だ。
こちらは青だからだろう。視力も悪くないって事だな。
相手に武器はなし、噛みつきと引搔き攻撃と予想。
最早、距離10m バットへ纏わせた魔力を硬化させる。
「グギャギャギャ」
相手が突っ込んできた。こちらもバットを構える。子鬼が爪を立てて振り下ろそうとするが、バットの方が間合いが広い、バット一閃「スカっ」へ?
子鬼に避けられてしまった。
「グギャッギャッギャッ」こいつ笑ってやがる。
このー、あ、まてまて、とりあえず落ち着こう。
バットを正眼に構える。先を相手の喉に向けて摺り足で前へ、また前へ。
子鬼はバットを片手で払い除けて右側から襲って来ようとする。
前に踏み込んだのが敗因だよ。払われる前に上段からバットを頭に叩き込んだ。
「ボグッ!」頭がひしゃげたが、まだふらふらと立っている。
再度「ボグッ!」後ろに倒れ、砂のように本体が無くなり魔石が落ちる。
9クラスの魔石は、スライムより一回り大きいな。実際はスクーターの動力が9クラス魔石なので知ってはいた。
中学生の頃から子鬼を倒す動画ばっかり見ていたせいか人型を倒すのに忌避感は無かった。
「ただ、俺TUEEムーブは出来ないのか」
リーチの差は大きい。しかし思った以上に俊敏だった。3体に囲まれたらフルボッコにされるな。やっぱりパーティーでないと無理なのだろうか。いやいや、何のためにソロでやっているんだよ。
誰もパーティーに入れてくれないからか?、そいつらを見返してやりたいためか?、違うだろ誰にも見つからずに欲しいものがダンジョンにあるからだろ。
初心を忘れないようにしないと、どんどん流されてしまう。
昔、米国に渡った大リーガーがいる。彼は皆に二刀流はセオリーに合わない。二兎追うものは一兎も得ずとか色々言われたそうだ。
しかし彼は諦めなかった。ストイックに殆どお酒も飲まず、食事に気を配り、寝る事すら大事にコントロールした。彼の口癖は”時間がない”だ。そして彼は色々な伝説を造った。漫画みたいに。彼は努力し続けたんだ。
俺だって絶対負けない。俺にも時間が無いんだ。常にベストを。
<気を取り直して>
まず、実践を積むことだろう。1回毎足捌きや体捌きを覚えること。地道に一歩一歩進むしかない。
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それから、10戦した。4戦目2体をほぼ同時に相手にすることとなった。
2層の子鬼はソロが基本だが、左右から同時に出てきたのだ。
3mくらい右が早い、咄嗟にもっとバットが伸びれば、こっちを先にと思った瞬間閃いた。
右から来た子鬼にバット突きを繰り出す。バットの先50cmの所で子鬼が倒れた。
左からの子鬼もバットで突いたら当たってないのに倒れた。その後2体を殴って魔石にしたのだ。
何をしたかというと、バットの先に魔力を伸ばして槍型をイメージして固めた。
子鬼も透明な魔力は見えなかったのだ。そのまま顔面に魔力の槍が刺さったため、致命傷に近いが相当のダメージを受けて倒れたと言うわけだ。
子鬼は、武器の間合いや動きを敏感に捉えていて、初心者と比較してだが俊敏性も人より少々優れているが故にかえって仇になった。不可視の攻撃が簡単に決まってしまう。
後は流れ作業のように倒すだけだった。
その後、わざと腕を捲って噛みつかせてみたが、見えない魔力の壁で牙は止まり、首を両手で捻って問題なく倒せた。人型なので首は急所のようだ。子鬼相手なら結構素手でも行けるな。
余裕ができると油断も出来る。走るスピードは早くしながら、気は抜かない。
相手が先に襲ってくればカウンターを決め、受け身なら不可視の槍で倒す。
お昼までに20体倒した。順調ではないだろうか。
お昼は、コンビニ産大盛りペペロンチーノです。育ち盛りには助かります。
おにぎりより高いですが、ここまで動くと炭水化物は必要です。贅沢ではありません。
プロテインをシェイクシェイクで飲む。
とにかく筋力アップは、今後の活動の基本となる。
午後も回り続け、30体倒した。
午後は4時間回ってエンカウント率は、8分程度か。
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それから5日間同じペース50体で狩りを行った。
これ以上無理はせず、着実に、正確に、より早くを心がけ技術を磨いた。
段々俊敏性が上昇し、俺のほうが子鬼の動きを上回っている。筋力も増加している。
この5日間で約250体倒し、税抜き40万円となった。
脅威のペースのように見えるが、初級上位くらいだ。ソロだと稼ぎはいいがリスクも高い。
通常の冒険者は5人組が平均だ。
月20日稼働して160万円では、5分の一なので32万円/月になる。
二層を回っていたらエンカウント率は5人組の移動だと遅く、もっと低くなる。
魔力の使用制限もきつい。俺のように常時魔力は使えない。
せいぜい22〜23万円程度だ。
俺は訓練も兼ねているので、3日目には1km3分半程度の速度で移動している。
初級〜中級下位だと特に剣や防具は、結構消耗する。青銅剣で5万、防具は平均150万円でメンテナンスに月7−8万円で3日間使えない。
費用を払うと一人あたり残り10万では、暮らしていけない。
青銅剣と同じように俺の場合は、金属バットになるのだが、さすがに歪んできている。
俺に防具は今のところいらないが、ブタ男になるとさすがにやばい。
しかし、普通の魔法使いは、身体強化の魔法が解けるとパンピーよりは強靭だが魔物にすれば簡単に引き裂かれてしまう。つまり人生終了だ。あなたの命の値段はいくらですかと聞かれたら、150万円が高いとは誰も言えない。
3層4層でも集団で襲って来るだけで、子鬼を狩れる数は激的には増えないのだ。
6層以降の中級者以上にならないと生活は苦しいのだ。
<さてさて本題に>
兎にも角にもそろそろ青銅剣を買わないと金属バットで魔物を狩っているのがバレる。
探索者センター御用達のショップへ行かないと。
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