第5話 無月の呟き/ 奏の呟き みたいなもの
【如月 無月 視点】
祢音という少女と別れてからしばらく時間がいくらか流れた。オレは奏と学園生活兼任務をこなし続けていた。奏は麻上 涼子 のすすめにより、女というものを磨くようになっていった。オレも全く気付かないというわけでもないが、たしかに「数多くのプロジェクトから作られた人工機械生命体」という枠組みを越えて、感情表現というものをいろいろと学んだようだ。
オレは兄として変われたのだろうか。微弱なこの力は誰かの笑顔を護るためにあるようなものだ。オレがオレであり続ける限り、オレはこれからもこの力を誰かの笑顔のために護っていかなくてはいけない。
そう‥‥たとえば、奏やオレの家族‥‥友達‥‥この世界そのものを‥。でも、あいつ‥‥奏はどう思っているのだろうか。そんなことをこの休みに考えているオレだった。
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【如月 奏 視点】
祢音お姉様という、私が知らないはずのことをいくつも知っていた人。あの人と別れてからいくらか時間が経ちました。お兄様も私を護るといいながら、影でこっそりと鍛錬を怠りませんでした。ぶっきらぼうだけど、いつも私のことを考えるお兄様。
私はお兄様の親友の涼子さんからいろいろと私が本来必要であるべきものをいろいろと教えて下さいました。
私は「数多くのプロジェクトの実験から生まれた人工機械生命体」と最初は思っていましたが、お兄様やいろいろな人たちの心を知り、私にも似たようなものを抱いているんだと改めて実感しました。
だから、今の私があるような気がします。最近ではわりと学園生活や任務等で疲れることも多々ありますがそれは今の私にとっては必要なことなのです。
「‥‥だから、これからもずっと私のそばにいて下さい。兄さま‥」




