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終わりなき輪舞曲(ロンド)  作者: 雨音結花
27/28

第27話 過去 (回想) 別視点 続き ② ~ 奏とルナ~ / 怪星もめん (ネオ) の氷解

前話と同じく、派生作の書き直し? 回となります。

奏「………お兄様(にいさま)、ここは私に任せて下さい」


◆◇◆


如月(きさらぎ) (かなで) 視点】


私、如月 奏 は 無月(むつき) お兄様に制止をしながら心も精神も弱い自分に問いかけます。


(かなで)「………あなたはそうやって怒りをぶつけることでしか自分自身の感情をうまく制御することができないのですね?」


???『………えぇそうです。私は弱い私のままでいいんです。だからこれ以上、私の心に入ってこないでください!』


奏「………いいえ、そういうわけにはいきません。この DREAM(ドリーム) という装置がもたらすものは計り知れないんです。


………私とほんの少しだけでいい。向き合ってくれませんか?


あなたは………誰かに愛してほしいと言っていたでしょう?


最初からやり直すのは無理だったとしても、何度も間違えてやり直せば、きっとあなたは前を向いていけますよ。


私は………妹ですが、お兄様のことを大事にしたいという気持ちにいつわりはありません。さぁ、帰りましょう? あなたがいたいと思う場所へ。さぁ………」


◆◇◆


−–−–−−–−−−––−–−–−−–−−−––−–−−–––−–


ーーーその後、私とお兄様はオーディン様に事後報告をした後、家へと帰りました。


私たちの話を聞いたオーディン様がどう見たのかは、神のみぞ知ることなんだと思います。


そしてーー、その日の夜。私は久しぶりに夢を見ました。


それはーー。

−–−–−−–−−−––−–−–−−–−−−––−–−−–––−–


~夢の中~


奏 (「………ここは?」 )


私がいたのはこれまで行ったことのある異世界とはまた違った場所。そこにはあるはずのものがなく、あるのは何もない真っ暗な空間。私は冷静にその空間をその足で歩き始めました。


???「………久しぶりね、奏?」


突然、私の名前を知る誰かに声をかけられ、振り返ってみる。するとそこにいた、その姿、声………もしかして、悪魔の?


奏「………ルナ、さんなのですか?」


ルナ「………そう、私はかつてあなたたちに救われたことのあるルナよ。今回は奏の力が必要なの。私と共に来てくれないかしら?」


奏「………何があったんですか?」


詳しく話を聞くために、夢という形でありながら私は今回ここにいる悪魔の少女、ルナさんと冒険に出ていくことになったようです。

−–−–−−–−−−––−–−–−−–−−−––−–−−––


◆◇◆


ルナさんから聞いた話によると、今回私と共に動く理由はある歪んだ思想を持つ V Tuber と呼ばれる、ガワの魂を正しく浄化して、本来のあるべき姿へ戻すみたいなことをするそうです。


言うのは簡単だけれども、その人物には他人に対して欠落した部分があるらしく真っ当なやり方では根っこから救いようがないほどになっている人とのこと。だから、話を聞いたときも難しい問題であるということに頭を悩ませていたりもします。


そんな、本来は他者の悪を好むルナさんにとって今回のケースは相当珍しく善意側に回って手をこまねいているというそうです。


−–−–−−–−−−––−–−–−−–−−−––−–−−–––−––


() (かなえ) () () さん も、


そうした経緯から炎上して引退に追い込まれた V(ブイ) Tuber(チューバー) らしく、(くだん)の人物の VTuber は、(あや)(ほし) もめん さん というそうです。


私なりに性根の曲がった人間を矯正するにはなかなか骨が折れそうですが、これも人助けだと割り切って、その世界に赴くことにしました。対峙した人物はやはり予想の斜め上をいく曲がった人間で、常識を教えていくのには困難だと割り切りつつもガワに潜む闇を祓うために、私とルナさんはガワに飛び込むことにしたのです。


そこで繰り広げた問答はさっき私が起こしたことと同じであり、平行線だったものをなんとか少しだけ上方修正した感じで一定の成果をあげてから、私は夢の中から現実に引き戻されていくのでした。


−–−–−−–−−−––−–−–−−–−−−––−–−−–––−–


◆◇◆


【怪星 もめん = ネオ 視点】


相変わらず、私は他者に対して(とげ)のある言い方をしていた。どこで生き方がねじれてしまったのだろうか。本当に自分のありかたにへどがでる。


否、私は考えないようにしていたのだ。


いつ、こうなってしまったのかもはやわからない。ただ、気がつけばわたしはそうした人間になってしまったらしい。


そんな時、私の心に土足で踏み込んできた異世界の闖入(ちんにゅう)(しゃ)たちーー。


私と同じ背格好をしたその子は私のほおに馴れ馴れしく手を添えながら何度もうざったい熱量にけおされながらも、自分が犯した罪をつぐなうため、自分がどういった VTuber を目指していたのかをさとしていた。


『………歪んでしまったあなたはまだかろうじて人の姿でいられます。あなたが犯してしまった罪を認め、理解をし、過ちを向けた他者に対して誠心誠意きちんと頭を下げること。


先人の VTuber さんが目指す理想をもう一度追いかけてみたらどうですか。


………もしも、あなたが今後配信者として自分を貫いていくならあなたにファンがつくのかもしれません。その時、リスナーからあらぬ疑いをあなたにもたれたらどうするのか。どういった感情が芽吹くのか。


またののしるのですか? 誰かを傷つけおとしめて優越感にひたりたいですか? あなたが、今回の一件に加担してしまった VTuber さんと同じ末路をまた辿りたいのですか?


………あなたに向き合って話した相手を思い浮かべてみてください。誰もあなたの代わりにはなれません。私があなたになりかわることはできません。あなたの人生はあなたのものです。他の誰でもない、あなただけのものなのです。


わからないなら常に求め続けていくべきなんです。誰かを推して応援できるなら、その時あなたは本当の意味で復活した VTuber になれます、絶対に………だって、私も前はそうでしたから』


『………え!?』


『………私も今のあなたと同じように、他者に対して冷めた目で見ていました。そんな無機質な私に常に寄り添ってくれたのがお兄様なんです。それからの私の周りは色鮮やかになっていきました。好きなものを好きで居続けるにはなかなか難しいことです。でもあきらめきれない何かが今のあなたを形作ったのなら、もう一度手を伸ばして絶対に掴まないといけないんです。一度掴んだその形を、絶対手放しちゃいけません!


あなたの好きなものは何ですか? どうかよい人生を』


………………。


あぁ、どうしてあの人の顔色を伺っていたのか。運営のありかたになぜ疑問を抱かなかったのか。


私がなりたい V Tuber は………。


(そうだ………私は世界史が好きだったんだ。世界史ミステリーが好きだったんだ………)


だったら、【洞穴(ほらあな) のカンテラ】で通ぶった私を、今の私はちゃんと否定しないといけない。


あの人との付き合い方を見直す時が来たようだ。


(あの人のかんげんで信じていたけど、まずは彼と決別しなくちゃ。今回の一件で巻き込んでしまったアミィや 水闇(みずやみ) さん、運営にも自分の意見をきちんと伝えないと………)


そうと決まれば行動あるのみだった。私は discode からアミィと連絡を取り合い、その中でまずは先日の口約束を 反故(ほご) にした一件などを謝罪した。


アミィは驚いていた。私の口から出た謝罪がそれくらい衝撃的だったらしい。それからアミィ経由で水闇さんに繋いでもらい、先日のもろもろの非礼を詫びたこと。1度歪んでしまった今の私が立ち直るには彼女らの助力を得ることがなによりも必要だった。


水闇さんの ノア友 だという、有名ブロガーにも 礼節を欠いたことを 誠心誠意 私は 謝罪 した。もちろんそれだけで許されるなど思わない。私はいばらの道を突き進む不退転の決意でなかば諦めかけていた私の夢に向かって足を進めることにした。


デジタルタトゥーとして刻まれた私はあれを黒歴史と認め、自分の後に出てくる新人のためにまいしんしていく側になった。


その頃にはようやく私にもファンがつき、リスナーによって支えられていた。


数年越しに私は言われた意味を理解したのだった。


−–−–−−–−−−––−–−–−−–−−−––−–−−–––−


【如月 奏 視点】


私がひとつの役目を果たすと………かたわらにはルナさんの姿があった。無論、これで私の役目は終わったはずだった。しかし………なんなのでしょうか?


私の胸騒ぎがいっこうに止まる気配はなかったのです。いちまつの不安をかかえながら、夢から現実へと引き戻されていきました。



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