第25話 無月Side / 如月無月と晴原想河 ② (要点&その後)
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オレ、如月 無月 と 晴原 想河 (高3) は時間軸をさかのぼって過去世界へと時間移動をした。
ここからは各登場人物のフラグをただ回収するだけの作業ゲームなので簡潔に述べておこう。
① 晴原想河 (小学生~高校3年生時代) 編
想河 (そうが) (小学生時代) に、破滅した時代の高校3年生時代の記憶を植え付ける。
兄•智哉に、弟が幼少時から母親、父親に受けた痛みと扱いの違いをはっきりと自覚させる。
また、朝妃さんが白露病を患ったときの切除手術などのそうぜつな痛みを体験した想河自身が兄に対して隠していた秘密を一部の事実としてはっきりと伝える。
(破滅した未来の時間軸で、害を招く両親を物理的に隔離させた上で)
智哉自身が代筆じゃなく自らの字で手書きで朝妃さん宛てに返信を書き、交流を再構築させる。
(破滅を迎えなかった時間軸で)
朝妃さんの破滅を回避するため、想河を長年苦しめていた平手打ちや怒りをあらわにした母親は研究所近くに植樹された樹木と立場交換してもらう。
シエルを蹴り上げ、母親を庇った父親は性転換させて、テキサスの樹木と立場交換する。
⇒クロエの破滅を回避する。旦那である耕代と幸せなハッピーエンドを迎える。
兄•智哉は無知だったことを弟に謝罪、関係を修復させる。午堂家で残された父親に晴原兄弟が厄介になる形で居候させてもらう。
この時間軸では兄弟は黒曜病には一切かからなくなる。
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②午堂 朝妃 (高校生時代) 編
正史だと白露病を患い、樹木組成に置き換えられ人間の姿に戻れずに破滅してしまうが、破滅を回避させた時間軸では、智哉と幸せに暮らす。妹ともども一切白露病にかからなくなる。
正史で罪を犯した時間軸はこの時間軸ではなかったことになり想河とギクシャクしない。
妹•夕妃の面倒を想河と共に見守っていく存在になり、自身は智哉と交際を継続中。
数年後、幸せな時間軸の世界で智哉と結婚し、子供を授かる。
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③神志名 耕代 編
クロエが破滅から回避したので、白露病にかかることなくクロエと幸せに暮らす。ただし、星美咲と世界の架け橋になる研究員はあいもかわらず。
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④午堂 夕妃 編
(小学6年生時代)
想河 (中学生時代) と、夕妃 (小6時代) は原作 (本編) に準拠。
(中学生時代)
姉•朝妃が白露病を患っていないので、母親は情緒不安定にならないが、ペナルティなしというのは示しがつかないので、半身ずつ、学校と研究所に植樹された樹木化になってもらう。
なお、父親はこの母親と離婚はしないが、親権は母親から父親に移り未成年の姉妹を子育てしていく。
(高校1年生時代)
想河を追いかけて首席で海誠高校に入学してくるところは原作 (本編) 準拠。姉ともとも白露病患者にかからなくなるので、破滅を迎えずに、今も想河の想い人として交際をして彼と結婚し、子供を授かる優しいハッピーエンドへ。
⑤植花 彩葉
夕妃をあの子と呼ばずに対等に接する。仲良くなった想河が話した事実は原作 (本編) 準拠。
彼ら彼女らの星美咲には5年以上前から黒曜雨の被害地域に選ばれなくなるが、朝妃、夕妃クロエの樹木と入れ替わった問題の者たちは葉を下界に撒き散らすのは原作 (本編) とは異なる点。
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………こうしてあまたの時間軸を転移し、正史とは違うパラレルワールドの歴史を新たに書き直したオレと想河の元には、本来なら『黒曜雨』 により、破滅を迎えて彼らの元から離れてしまうはずの少女たちがたくさんつどっていた。
(正直………ここまで来るのにかなり長かったな。まぁ、むりくりで歴史を変えたんだ。これでハッピーエンドにならなかったら、これまでの苦労がパァだぜ………)
そんなことをオレが内心で呟くと、どうやらこの世界でのオレの役割は果たされたようだ。
今のオレにはこの世界で想河のことを見るのも声を聞くのもおぼろげになっていく………。
そしてオレの意識は奏の待つ時間軸の世界へ戻っていく………。
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【如月 奏 視点】
あれからどれくらいの時間が経ったのでしょうか。長い間眠りについていたお兄様が私のそばでようやく意識を取り戻してくれました。私は騒ぎたい気持ちを抑えて語りかけました。
奏「………お兄様、体調はいかがですか?」
無月「………あぁ、問題ない。お前にもだいぶ心配をかけさせちまったみたいだな?」
奏「………いいえ、それに関しては私も………そうでしたし。私は………レプリカの世界に行っていました。お兄様はどこの世界に行っていたんですか?」
などと、簡単に私とお兄様の身に起こったことを共有し合い、その日は疲れたこともありそのまま眠りにつきました。
翌日。
久しぶりに学園へお兄様と一緒に登校し、私たちのクラスに入ると、久しぶりに私たちの親友の新田くん、安井くん、麻上さんが声をかけてきてくれました。
康宏「………おはよう、2人とも」
祐介「………おはよう、無月、奏ちゃん」
涼子「………おはよう、無月くん、奏ちゃん」
無月 & 奏 「あぁ、おはよう」「はい、おはようございます」
私たちは軽く挨拶を済ませると、担任の先生の紹介とともに新しく転入生がやってくると話がありました。その転入生というのが………。
昨夜お兄様から話を聞いた世界で出会ったという、晴原 想河 くん (姿は高3)と、その彼女、午堂 夕妃 さん (姿は高1) に加えて、植花 彩葉 さんの3名でした。
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お兄様から聞いたので彼らのことはわかりますが、やはり彼らはお兄様に再会できたことのほうがうれしかったようです。かもくな私はなんとか機嫌を損なわないように話を合わせていきます。
想河「………しばらくぶりだね、無月さん」
無月「………あぁ、そうだな。奏、紹介をしてくれ」
お兄様はそう言って私を前に押し出して言いました。
奏「………皆さん、初めまして。お兄様の妹の、奏です。皆さんのことはお兄様から少し聞きました。どうかよろしくお願いします!」
そう言って私はぺこりと頭を下げた。私たちのほうがこの学園には詳しいので道案内しがてら手の空いた時間で彼女たちを色々連れ出していきました。
その時、私のすぐ近くにいた、彩葉さんが校庭に天高く伸びる樹木を見て呟きました。
彩葉「………木ってすごく大きいよね。無月くんは私たちと関わりがあるからもう知っているけど、奏さんは初めて聞くでしょ? ここにいる晴原と、夕妃ちゃんは破滅した世界で色々と大変なことがあったんだよ。まぁ、その破滅した時間軸に辿らなかったから、夕妃ちゃんは晴原の隣にいられるんだろうけどね………」
夕妃「………うん、そうだね………」
それから彼らとは2、3、言葉を交わしてから別れました。
その時私とお兄様の元に、着信が入りました。
差出人は………。オルタナティブからの要請ぽいです。
私とお兄様は学園終わりに急遽立ち寄ることになりました。




