第2話 無月、奏に独白、そして水月学園の図書館へ向かう
翌朝。オレ、如月 無月 は、夕べのことを妹の奏に話した。奏は、驚きの表情を見せていた。
奏「お兄様、それは本当なのですか?」
無月「あぁ。はっきりとこの耳で聞いたよ。祢音は奏、お前の名を口にしたんだ。
オレのこともよく知っている口ぶりだったし、もちろん理由を聞いたけど、それ以上は教えてくれなかった。祢音は言ったんだ。
『終わらないアリスの物語を完成させてほしい』
ってな。これは、オレたちにしかできないようだ……」
奏「分かりました。そういうことでしたらお兄様、私もお手伝いします。まずは水月学園の図書室から調べてみましょう」
無月「あぁ、そうだな………宜しく頼む」
オレたちは朝食を食べた後、着替えを済ませて家を出た。そして、水月学園の図書室に向かった。
◆◇◆
~水月学園・図書室~
今日は授業を一日休むことにしたオレたちは、入口にいた生徒に適当に挨拶をし、図書室の中を散策し始めた。
奏「私はこっちを探しますから、お兄様はそちらをお願いします」
無月「ああ、わかった」
オレたちは手分けして『終わらないアリスの物語』について調べてみた。
が、そんな資料はどこにも見当たらなかった。
奏「島の大きな図書館に行ってみましょうか、お兄様」
無月「そうしよう」
そして、オレたちは学園を出て、水月島の大きな図書館に向かった。
◆◇◆
~水月島・図書館~
オレたちは手分けして『終わらないアリスの物語』について、あらゆる検索を使い探してみた。
そんな時。オレたち以外の人間の時間がストップした。
無月「な、なんだ!?」
奏「私たち以外の時間が止まった‥‥のでしょうか?」
奏に言われてから気付くまでに少し時間がかかった。どうもオレはその辺りの感覚に鈍いようだ。
無月「いったい、なにがどうなっているんだ?」
奏「お兄様。私に聞くのはやめてくれませんか?」
無月「と、そうだったな。悪いな、お前だって状況がわかんねぇのに、なんか兄として色々当たっちまって………」
と、その時。オレたちを金色の光がまばゆいた。
そこから声が聞こえた。
声「君たちが今回のアリス物語を探そうとしている者たちだね?」
無月「ああ」
奏「えぇ」
声「最初に自己紹介をすませておくよ。僕の名前は、桐原 有人。 よろしくね。
僕もかつては君たちと同じように終わらないアリスの物語を探すために関わった者なんだよ」
無月「なんだって!」
奏「それって、どういうことですか!?」
桐原 有人「僕の経験から言わせてもらうけど、終わらないアリスの物語はね、図書館にはないものなんだ。
なぜならば、『メルベイユ•スペース』を開くことができる選ばれた少女たち。『鍵姫』 と呼ばれる女の子たちの心の物語なんだ」
無月「心の………」
奏「物語………」