ミッション6:生きているようで死んでいるようで / 3
死神の姉ちゃんは大鎌を構え、俺とジュリリンではなくディップのおっさんに斬りかかった。風切り音が大鎌の斬れ味を物語っていて、背筋が凍る。俺は避けられる自信が無いので、狙われたらおしまいだ。
ていうか、こめかみに突き付けられているカッターの刃先がまた食い込んできてるんですけど!絶対に出血してるだろう!!俺はジュリリンにそう訴えるが、今度は腹部にカッターを突き付けられた。いや、なんでそんな事故ったら致命傷になりそうなところに突き付けるかなぁ……。もう溜め息も出ない。
「大体!ですね!あの3匹の猫のガトリング砲を!貴方が!もろに!受けなかったら間に合っていたんですーっ!!!」
「そうでも。しなきゃ。あの猫たちに。反動が行ってたでしょ。死神。天使。悪魔。3者の殺し合いは。ご法度。姉ちゃんの今のこれも。本気なら。違反だぞっ」
……3匹の、猫。生きている?しじみもあさりもはまぐりも。それを聞いただけで、心の中に立ち込めた黒雲は薄くなる。しかし、この場をどうしようか。俺1人でタイムリープして何かあった時のリスクと、このままジュリリンの人質になっているリスクと、どちらが大きいだろう。そう、俺が悩んでいた時だった。ジュリリンが俺からカッターを離した。そして、小声で言った。
「とりあえず、適当にリープするから私から離れないで。このままじゃ、明るい未来は期待出来そうにないし、するしかない」
ジュリリンがカッターをしまい、俺の腕をぎゅうぅっと掴んだ。そして、俺はリープする時の特有の浮遊感に襲われた。慌てる死神の姉ちゃんと、言わんこっちゃない、という顔のディップのおっさんの顔もぼやけて見えなくなる。どこにリープするのやら。
──母ちゃん。無事で居てくれよ。




