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ミッション5:第2のリープ先「高校の文化祭」 / 4

 ──ライブの結果だけ言おう。成功だ。


 俺の飛び込みが間に合い「ジュリリン」が歌詞を忘れた歌は俺が歌い、そのあとはもう適当だ。ジュリリンが再び歌詞忘れをしたら俺がカバーする、その繰り返し。それでもライブは盛り上がり、話したこともないクラスメイトのジュリリンからはめちゃくちゃ感謝された。しかし、彼女に違和感を覚える。



 「えーっと、樹里さん。ずっと練習してたのに派手に歌詞を忘れてたけど、緊張?」



 俺のその問いに、ジュリリンは視線を泳がせる。おかしい、何かが。歌詞を「忘れる」ということが妙に引っ掛かるのだ。タイムリープの能力に伴い、第6感が目覚めたか?母ちゃんもジュリリンの「何か」を疑っているようで、頭から爪先まで観察している。


 そして、母ちゃんは何でもないことのように言った。──新曲の「愛の欠けた恋の歌」のCD、買ったばっかりなのよねぇ。……その母ちゃんの言葉にジュリリンが反応した。



 「え、あ、お買い上げありがとうございます!サインいりますかっ!?」


 「……やっぱり、ねぇ」



 ……まさかのまさかだが、母ちゃんの言う新曲のCDに反応したジュリリンは、俺と母ちゃんと同じ時間から来たタイムリーパーであることが確定した。まさかのまさか、そのさらにまさかだ。歌詞忘れ、そして、違和感の正体はそれだったのか。元の時間では母ちゃんも知っているほどの歌手らしい。


 ジュリリンは目を見開いて固まっていた。ジュリリンもまさか、同じ時間からタイムリープして来ている親子と出会うとは思っていなかったのだろう。俺だってそうだ。──そして、俺と母ちゃんとジュリリンの3人しかいない、夕暮れの特設ステージに眩い光が生まれた。宙から現れたその光を見た瞬間、ジュリリンがポケットからカッターを取り出した。ちょい、何するの、それで……。

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