ミッション4:しじみ・あさり・はまぐり / 2
普通の猫のように四足歩行で歩くしじみに付いていくと、はるかぜ商店街の一角とは思えない薄暗い路地裏に辿り着いた。そこにいたのは、白猫と黒猫。三毛のしじみもその2匹に加わると、猫好きには堪らない光景。しかし、白猫も黒猫も、俺たちに協力してくれるかもしれない、しじみの顔見知り。つまるところ、ただの猫じゃあない。
1番先に喋り出したのは、白猫だった。
「あらあら。久し振りに来たと思ったら天国から脱走してきた人を連れてきたの?しじみチャン。あたしには分かるわよ」
「やっぱり、あさりは天国の派遣猫だにゃあ。匂いで分かるのにゃ?まぁ、にゃーとしてはそんなことはどうでもいいのにゃ。ちょっと協力してくれ、にゃ」
あさり、と呼ばれた白猫にジロジロと見られる。俺は何者に見えているのか。居心地が悪いというか、ちょっと怖いというか。俺はあさりから目を逸らし、自分の隣りにいる母ちゃんを見る。母ちゃんはあさりに銃口を向けていた。……いや、いやいやいや!?
しじみからもらった銃。協力者になってくれるかもしれない人、いや、猫に向けるのはさすがにちょっとどうかと思うのだが。そもそも、その銃が「普通」の銃である保証もないのだ。いや、銃である時点でヤバいか。
とりあえず、俺は母ちゃんに銃をしまわせて、あさりの話を聞くことにした。その会話には黒猫の「はまぐり」も加わった。




