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ミッション3:喋る猫を追え? / 2

 俺はすぐにしじみを追おうとした。が、その俺の手を母ちゃんが掴む。早く追わないと見失うって!そんな俺の声も無視。



 「母ちゃん!」


 「うるさいねぇ。いい?母ちゃんはさっき半端にコロッケを食べたせいで、余計お腹が空いたの。あの猫が大したことを出来るとは思えないから、今から母ちゃんはコロッケを揚げます。リピートアフターミー」


 「長ぇよ!!」



 母ちゃんは玄関の鍵を開け、立て付けの悪い玄関扉をスライドさせ、ずんずんと台所へ向かう。……駄目だ、母ちゃんがこういうことを言い出したら止まらない、ていうか、止められない。俺はしじみ追跡を一旦諦め、台所まで荷物を運ぶ。俺1人で追ってもいいのだが、俺か母ちゃん、どちらかに万が一があったら。それを思うと単独行動は控えたい。



 「大介、なにコロッケがいい?」


 「んー……ハムカツ」


 「シバくわよ、コロッケオンリーよ」



 ……こんなやり取りをしていると、霊界がどうのとか追手がどうのとか、そういった非現実的なものとのトラブルの渦中にいることを忘れてしまいそうになるが、それじゃいけない。しかし、俺は母ちゃんに頭をしゃもじで殴られながら、もういっそこのまま平和な日常が続かないかな、なんて思った。


 今度こそ、親孝行するからさ。

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