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ミッション2:第1のリープ先「とある日の商店街」 / 3

 俺がしつこく、腹減った腹減った、と口にすると、母ちゃんは重量級の溜め息を吐きながら懐から財布を取り出した。そこから千円札を抜き取り、俺に差し出す。



 「千円札食っときな」


 「千円ありゃ、はるかぜコロッケを何個食えると思ってるんだよ……。コロッケ屋行ってくるから、荷物置いてくぞ」



 丁度良く、はるかぜ商店街の至る所にある休憩スペースが近くにあった。母ちゃんがベンチにドカッと座り、俺は母ちゃんの隣りにドサドサッと荷物を置く。中身がチラ見えしたのだが、荷物の大半は粉物のようだ。自転車で買いに来いよ、と心の中で呟く。うっかり口にしたら何を言われるか。


 俺は駆け足で、近くのコロッケ屋「ヘイ!カズちゃん!」へ向かった。母ちゃんにも買っていってやろう、母ちゃんの金だし。ちんまりしたコロッケ屋のケースには、湯気の立つコロッケ各種が並んでいる。



 「お、焼き鳥屋の坊じゃねぇか」


 「ちっす。揚げたての、どれ?」



 コロッケ屋の店主のおっちゃんは、父ちゃんの焼き鳥屋の常連だ。すぐに揚げたてだというカニクリームコロッケを包んでくれた。おまけに、メンチカツも。お代はなんと半額で、俺はおっちゃんに「父ちゃんにサービスしてもらえるように言っとくよ」と言い、また駆け足で母ちゃんの元へ戻った。


 俺が戻ると、母ちゃんは「遅い!」と言ったが10分くらいしか経っていないはず。それでも不機嫌な母ちゃんに、コロッケ屋でもらったメンチカツを献上すると機嫌は良くなった。メンチカツは母ちゃんの好物なのだ。

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