第56回日本薬剤師会学術大会備忘録
いい学会だったなって思ったんです。
参加して良かったなって。
ウェブ参加だったけど。
だからちょっと記録に残しておこうかなって思いました。
完全な自分用のメモなんです。
もの好きな人は適当に読んでってください。
もしかしたら創作作品で学会のシーンとか出すときに使えるかもしんないし。責任は負いませんけど。
自分用の備忘録なんで、すげえ抽象的ですよ。そこんとこご了承ください。
開会式から、なんか雰囲気が和やかだなって思ったんですよね。和気あいあいしてるっていうか。
ちなみに今年の学会のテーマは『和の心』
和歌山県薬剤師会会長のお人柄がいいのかもしれない。集まったゲストの面々の雰囲気を見て感じました。
立場はいろいろだけど、俺なんかじゃ潰れちゃうようなすんごい責任や重責を背負わされて、いろんな理不尽に耐えてきて、それでも逃げずにその場に残った人たちなんだよなあ、なんて思いました。
なんでだろ、今までお偉方を見てきてもそんなこと思ったことなかったのに。
ああ、この人たちは『仲間』なんだなあって思いました。いい意味でね。素敵だなって思いました、素直に。
歳とったせいで、ものの見方が変わったんかもしれません。
去年の日薬は忙しくて、申込み期間過ぎちゃったので不参加だったんですけど、一昨年の日薬ってあんな雰囲気だったかなあ。違った気がするんだよなあ。
それなりに面白かったなって記憶はあるんだけど。
忘れちった。
他の人はどうか知らないんすけど、勉強会とか講演会を聴いていてメモをとりたくなるのって、その人の生き様とか人生訓とか、そういう言葉を最後の方にポロっと話してくれることがあるんですよね。
自分的にはそういう言葉がすごく心に刺さるっていうか、学ぶことが多くて、ついメモとっちゃうんですよね。
前も小児科領域の勉強会で、祝婚歌(正しいことを〜ってやつ)の引用があって、あわててメモしたりしたんですけど。
知識ももちろん学ぶべきものはたくさんあるけれど、なんつーんすかね、人としての言葉っていうのかな。そういうのを聞けるのが、すごくありがたいんですよね。
立場的にも年齢的にも、偉そうにおせっかいやいてくれる人が本当に減ってしまって、教えを請うってことが、本当になくなってしまいました。
自分めっちゃ小者キャラなんで、『ついていきやすアニキ!』とか言いながら尊敬する人のケツにくっついて回るの、けっこう好きだったんです。
つけまわしたくなるケツが見当たらなくて、さみしいなってたまに思ったりします。
同年代のスペシャリストたちの講演を耳にする機会も増えてきました。
自分と違う道を歩んだ同世代の、同じような苦悩を抱えてる話とか、すごく共感するなあなんて思っちゃったりして。
アンサングシンデレラ医療原案の富野さんの『薬剤師って、必要なくね?』ってやつ。
この人の特別講演、すごくわかりみ強かった。
ただ特別講演1からの流れで聴くと、『……いいのか? これ、上げてから落としてね?』って思ったけど。俺的には全然、この人の話アリだったけど。
学生さんにはどうだったのかな。ちょっと心配。
アンサングのドラマはね、絶対に患者さんにネタ振られるから仕方なく見たけど、正直『うへえ……』ってなったんすよね。
キラキラしすぎであざとくて。
個人的にあざとさが見えるとげんなりするんですよね。
あとウザすぎる調剤チェーンのコマーシャル。
第一話で離脱しました。
あ、でも日経DIでアンサングシンデレラの漫画で在宅の話読んだけど、あれは良かった。しみた。
在宅業務は正直めちゃくちゃ大変だけどさ。
講演でも言ってたけど、
俺も薬剤師が自分で自分のことを「薬剤師は必要だ」なんて自信持って言えちゃうようなやつ、ちょっとどうよ、って思う。
『薬剤師ってマジいらなくね?』
そうやって自問自答して、めっちゃ落ち込んで、でも腐ったりせず、手探りで自分になにができるかあがいてる。
そういうことしてるやつのほうが俺は仲良くできそうかなって思った。
個人的には富野さんの話を聞いて、病院薬剤師も調剤薬局薬剤師も、業務内容はだいぶ離れてきてるけど、同じ年代の人間が抱える悩みは一緒だなーって思ってちょっと親近感わいた。
中間管理職って大変だよね。
あと、むちゃくちゃ響いたのは日薬会長と、和歌山県薬会長のダブル名言。
プライドと少しの謙虚さ、それとちょっとしたやせ我慢。そういうのがプロフェッショナルとしての薬剤師の矜持。(若干うろ覚え)
プライドの上には傲慢があって、謙虚の下には卑屈がある。
今回の学会で一番刺さった名言でした。
実はカミングアウトしますと私、薬剤師歴は四捨五入すると二十年になります。
大会ゲストの重鎮たちはその倍は薬剤師歴をお持ちの方々です。
本当に下を見ればキリがないし、上を見てもキリがないんだよなあって思います。
自分の所属する会社の中しか知らないでいると、そういうことを忘れそうになるんですよね。
でも。
『お前ら仮にも薬剤師ならもっと勉強しろや』って思うやつもいるし、『うわぁ……、ホント俺カスでスンマセン』って思いたくなるくらい立派な人もいる。
そんなピンからキリまでいる薬剤師の、年齢的にも(能力的にも?)だいたい真ん中にいるのが俺なのかなぁ、なーんて思ったり。
だから油断してれば俺も落ちてくし、這い上がろうと思えば、まだまだ登れる余白があるんだよな、なんて思ったり。
あとセルフメディケーションの分科会が白熱してて聞いてて面白かったな。
ラストスパートの盛り上がりがウェブなのに臨場感が伝わってきて、終わっちゃうのがもったいなかったな。超楽しそうだった。
クスリ早見帖のクラファン、たぶんやると思う。応援したいし。
あとでもうちょい調べてみよ。
あとはそうだなあ。
和歌山県内初の薬学部ができたっていうタイミングでの初の和歌山開催学会で、人材育成の話も出てきたけど、大学の教授陣たちの意欲や期待はすごく伝わってきて、もし本当にこの大学の理念をしっかりと受け取った卒業生が薬剤師になったら、すごいんだろうなって思った。
だけど、自分が薬学部にいたときのことを思い出すと、講義と試験でいっぱいいっぱいだった。理念とか薬剤師としての矜持とか、なにそれ? おいしいの? 状態だった。
研究は一応させてもらえたけど、ホントお手伝い程度。
学生のうちだと、気づけないんだよね。
その研究がどれだけすごいことなのかとか。
普通に講義してる教授が実はとんでもなくすごい人だったとか。
ホントにもったいない。
ふりかえってみると、気づかないうちに取りこぼしてしまったものとか、見逃してしまったもの、拾い損ねてしまったものって、すごくいっぱいあるんだろうなって、思うんですよね。
なんで大学のときにちゃんと統計学を理解しとかなかったんだろう、とかさ。
だけど、その当時はもうこれ以上抱えられないくらいの荷物を持っていて、その当時の自分なりに取捨選択して、必要と思うものだけを持って進んできたはずなんだよなって言い聞かせて、後悔しないようにしてるんだけどさ。
あと基礎研究って、やっぱいいですよね。
ミトコンドリアの話おもしろかったな。
やっぱミトコンドリアって言ったらパラサイト・イブだよね。あの本書いたのも薬剤師だよねー。
研究者って進路も悩んだし、創薬や開発にも興味あったし、免疫関連の研究も好きだった。
でも選んだのは調剤薬局。
別に後悔はしてないけど。
でも、この道を選んだからこそいろいろ考えちゃうんだよね。もやもやと。
日本の医療のこと。
保険制度のこと。
少子高齢化のこと。
これ以上書くと薬剤師としても医療者としても、あるまじき発言が出そうなんでやめときますけど。
ま、でもなにが一番言いたかったかってのは、今回の日薬は本当におもしろかったな。
来年の参加申込み、忘れないようにしよっと。