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時空 まほろの童話集

「ぬいぐるみたちの”恋”のお話……?」

掲載日:2022/12/25

❅「冬の童話祭2023」参加作品です。

此処はある女の子・ちゃこちゃんのお家。

そんなちゃこちゃんのお家で今、とても真剣な話し合いが行われていました。

それは深夜の事です。

ん、ちゃこちゃん自身はもう寝ている時間のはずです。

一体話し合いをしているのは誰なんでしょう。


「……だからさー。ちゃこちゃん最近変なんだよー」

「確かにたしかに」

「本当に変ね。鏡見てばっかりなんだもの。溜め息までたくさん!」

声の主たちが居るのはチェストの上辺り。

一見、ただぬいぐるみたちが並んでいるだけです。

ですが声はぬいぐるみたちの所からします。

「ちゃこちゃん、最近小学校って所に行ってるよね?」

「うんうん」

「けれど、それがどうしたのかしら」

「何かあったんだよ!」

「もしかして」

一匹のぬいぐるみが声を震わせて言います。

「いじめられてるんじゃあ」

「まさか!」

ぬいぐるみたちが声を揃えます。

そこで話し合いは止まってしまいます。

みんな、ちゃこちゃんが大好きだからとっても心配なんです。

ぶるぶると、震えていたぬいぐるみの一匹が決めた様に声を上げました。

「明日ぼくがこっそりとランドセルに入って小学校に行ってみる!」

「ええ!」

「無理だよ~」

「じゃあどうすればいいんだい!」

ジタバタとそのぬいぐるみは地団駄を踏みます。

「閃いた!」

「なになに?」

「そのランドセルに聞いてみようよ」

「賛成!」

ぬいぐるみたちが次々と手を上げました。

「そのお~ランドセルさん。ちゃこちゃんはどうしてしまったんですか?」

どきどきしてぬいぐるみの一匹が代表して聞きました。

『……恋なのよ』

「はい?」

『ちゃこちゃんは六年生の男の子に〝恋″しちゃったのよ。それで最近変なのよ』

「…………こい?」

不思議そうにぬいぐるみたちが首を傾げます。

「おい、こいってなんだよ」

「僕も知らないよ」

「わたしも」

「おさかなの?」

「何でちゃこちゃんがおさかなのこいなの?」

「わからない~」

ぬいぐるみたちの会話に、ランドセルさんは思わず黙ってしまいました。

多分、大人なランドセルさんは呆れてしまったのでしょう。

「こい……」

「こい?」

「こい」

「わっからない~!」

ぬいぐるみたちは唸ってしまいました。

ランドセルさんは言いました。

『あのね、恋って胸がとってもどきどきしてしまうものなの。その人がとっても気になってしまうのよ。それが恋という物なの』

「……わかる?」

「僕、何となく」

「え、わかるの⁉ いぬさん!」

犬のぬいぐるみの言葉に他のぬいぐるみたちが驚きます。

「僕ね、お隣の猫のいーちゃんがとっても気になる。何か、ドキドキするの。この辺りが」

そう言って、犬のぬいぐるみは胸の辺りを押さえました。

そこでみんなが納得しました。

誰だって、胸がどきどきすることに覚えがありました。

「わたしはちゃこちゃんが好きよ。この気持ちもきっと恋ね」

「ぼくだって!」

「ご主人様が大好きな恋ね」

「じゃあ、ちゃこちゃんに恋してるのはみんなで!」

こうして、ぬいぐるみたちの話し合いは無事に終わりましたとさ。


ランドセルさんは思いました。

(話の問題が変わっている気がするけれど、まあいいかしら)



〖おしまい〗






お読みくださり、本当にありがとうございました。

「恋」って説明が難しいですね。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 「冬童話2023」から拝読させていただきました。 これはとても可愛らしい会話ですね。 ランドセルさんがぬいぐるみたちのお姉さんみたいです。
[良い点] イジメでなくてよかったです。 ヌイグルミたち、みんなちゃこちゃんに恋してる。 面白い発想でした。
[良い点] とにかくかわいい~♪ Xmasに素敵なお話、ありがとうございました!
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