39:不屈
初投稿です
(ぅ――うぇぇぇええええぇんっ、全身痛いよぉぉぉぉぉおおおおおおおおぉぉおおおおおおおー---!)
――結論から言うと、俺は生きていた。
ドラゴンと繋がったまま滅茶苦茶に振り回された後のこと。気付けば俺は、どこかの民家に落下していた。
天井を突き破ってのダイナミック侵入だ。お留守っぽい家主さん、ごめんねー。
(うぐぅ……俺は、たしか……)
途切れ途切れの記憶を振り返る。
ドラゴンが急降下を始めた途中で、なぜかアイツから離脱する事が出来た。
それで落下する途中、地面に向かって『黒轟死銃アーラシュ』のビームをぶっ放して落下の勢いを殺したんだったか。
まぁそれでも勢いよく落ちることになったが、ダインスレイブで強化状態になってたことが幸いしたようだ。アレがなかったら、ドラゴンに振り回されている時点で死んでたかもだな……。
(と、とりあえず起きますかぁ……!)
いつまでもへばっている場合じゃない。幸いドラゴンから離れることが出来たみたいだし、今の内に治療を……って、あれ?
起き上がろうとしたその時、なぜか身体が右に倒れた。ふらついたわけじゃなく、重心自体がおかしいんだ。
……それに全身が痛いのに、なぜか左腕だけは痛みを発さない。
(ま、まさ、か……?)
そこで俺は、初めて自分の身体を見下ろした。そして気付く。
(ひ――左腕、千切れてるやんけえええええええええええー----------!?)
瞬間、左肩近くの断面から激痛が噴き出す!
グチャグチャになった全身よりもなお酷い『神経の千切れた痛み』が、電流となって脳を焦がす――!
「ぐぅううううッ!?」
痛い痛い痛い痛い!
焼き焦がされるように断面が熱い。噛み締めた奥歯に罅が入る。意識をさっさと失いたいほど痛いのに、四肢欠損の激痛は失神すらも許してくれない。
――……器……!――
胸から響くムラマサの声。だが、それはどこか遠いものだった。
そういえば思い出したよ……。
左腕が千切れる直前、右手の刃を黒龍に突き刺し、左手に握っていた黒業死銃を空いた片手に投げたんだったな。そのおかげで落下の勢いを殺すのに使う事が出来た。
ナイス判断だ俺……って、そんな咄嗟の動きが俺に出来るわけないか。痛みで記憶もあやふやだが、ムラマサがやってくれたんだな。ありがとよ……。
(くそ、死ぬ……このままじゃ、マジで死ぬ……!)
頼むから早く誰か来てくれと、俺は勝手にも助けを願った。
幸いにもここはどこかの集落みたいだ。突然落ちてきた身で図々しいが、さっさと誰か駆け付けてくれよ……!
――そう希望した瞬間のことだった。外からざわざわと、人々の声が響いてきた。
(た、助かった!)
みんな驚いているのだろう。「空から何かがッ」と、落ちてきた俺のことについて騒いでいる。
彼らには後でたくさん謝ろう。この家の持ち主さんにもごめんなさいだ。
だから早く助けてくれよと、俺が大声を上げようとした――その時。
「空から――空からドラゴンが迫ってくるぞぉおおおおおおおおー---------!」
――そして、豪風が吹き荒れる。
人々の絶叫と共に壁が吹き飛び、俺の身体は転がされた。
もはや全身が痛すぎて転がった痛みくらいなんともない。そんなことよりも、俺は剝き出しになった外の景色に釘付けとなった。
『ガァァァァァァァア……!』
翼を広げた黒龍が、俺のほうを睨んでいたのだ……!
ヤツは、俺を逃がす気など一切なかった。己が手で直接ぶっ殺すためにここまで追ってきたのだ。
(はは……でかいくせに、みみっちすぎるだろ……)
ただでさえ死にそうな状態なのに、アレを倒さなきゃ生き残れないだと?
(……無理だ)
俺の心は、絶望に染まった。
◆ ◇ ◆
「終わったなァ」
玉座の間にて、黒魔導組織が首領・ヴォーティガンは呟いた。
今、彼の視界は城内ではなく一人の男を映していた。
ぼろ雑巾のように全身が裂け、左腕を失った黒髪の男・クロウ。彼が死にゆく哀れな姿を、ヴォーティガンは龍の感覚器官を借りて観察していた。
「ハッ……流石は『天滅のニーズホッグ』。例の小僧も、我らが解き放ったあの龍には敵わんか」
クツクツと嗤うヴォーティガン。無造作に伸びた顎髭を撫でながら、「わりぃな小僧」と呟いた。
ああ、もはやあの状況を覆す手などない。クロウ・タイタスの心は完全に折れ切っているはずだ。
民衆たちの悲鳴を聞きながら、ヴォーティガンは消化試合をゆったりと見守る。
「さぁ、これで計画の邪魔は一つ減った。次こそは『白刃のアイリス』の無力化を……」
彼が思案に耽ろうとした――その時。
「……は?」
クロウ・タイタスが、ゆっくりと立ち上がり始めた。
ふらつきながらも着実に……弱々しくも雄々しく。身も心も既に終わっているはずの男が、再起を果たす……!
「は……は……?」
かくして、一歩。また一歩。ヴォーティガンが呆ける間に、男は歩む。
逃げ惑う民衆たちとは逆方向に……そんな彼らを庇うようにして、クロウ・タイタスは黒龍の前に歩み出た。
そして、
『民衆たちは傷付けさせん。俺が、相手だ……!』
「ッッッッ――!?」
堂々と響く守護の宣誓。血濡れた姿でなお頼もしき、クロウの鮮烈なる姿。
それらを前に、
「ぁ、あ……!」
ヴォーティガンの胸に、撃ち抜かれたような衝撃が奔った――。
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