理想を掲げし翼
ここから場面が目まぐるしく変わっていきます。
さぁ、ここからは主人公無双です。お楽しみに~
「あれ、生きてる?」
死を覚悟していた筈なのに何故だ?
「司先輩、なんで、そんなものになんか乗ってるんですか?」
そう、懐かしくて頼もしい待ち人の声が聴こえる。
「蒼穹なのか?」
「そうですよ、俺ですよ。」
何バカなこと言っているかのように返される。
「おかえり、蒼穹。」
「はぁ、司先輩は下がって。…後、ただいまです。」
司先輩をヨークタウンに送り届けた後、俺はそこで衝撃的な事実を聞いていた。
「…なんで、真辺さんがそこに、防衛軍はどうしたんですか?」
「追い出されたよ、専用機の封印に異を唱えたらね。」
と、司先輩のお父さんが力なく言う。
「で、なんで、そんなことになっているのかは?」
「おそらくだが、防衛軍の上層部…いや、第6席が出雲と内通していたと言うのは間違いじゃなかったと言うことだろう、すまない、蒼穹くん、君のことを信じきれなかった私が間違っていたよ。」
と、謝られる。
「別にいいですよ、俺も10歳にもならないガキんちょの証言は信じませんよ、それより今はどうするかです。どうせ、信濃とうちの参謀は、動けないんでしょ?」
「すまない、私の不徳がなすところだ。」
「とりあえず、天翔蒼穹の名において命じます、真辺金彦を第1特務隊に編入する。これからはうちで働いてくださいね。」
「了解した。」
「じゃあ、俺は行きますんで」
「あぁ、御武運を。」
「さて、綾音さんや、さっきの1発でどれくらい消えた?」
「えーと、アドミラルヒッパー、ドイッチェラント、アドミラルグラーフシュペー、綾波、黒潮が蒸発、バイエルン、伊勢が中破、他は魔術機が30機程消えたくらいかな?」
おう、一応加減して撃ったつもりだったのにこの撃破数かよ…設計したのが自分なだけに恐ろしい。
「よし、綾音さんや、ヤタガラスの回線をこの戦場全てに繋げて貰えるか?」
「いいよー、はい、出来たよ。」
ヤタガラスをヨークタウンの前につけ、通信回線を開いた。
「こちら、円卓騎士団の第8席だ。これより私は山城の防衛に加勢を約束しよう。」
そうとだけ宣言をした。
しばらく誰だの、田舎騎士だの、なんだよ、てめえらは裏切り者だろうが、外道共が後、ついでに無能共。
「第8の騎士よ、この戦いは山城の膿を取り除くための戦いでございます。どうか、お引き願いたい。それとも?貴君の主に抗議させて頂こうか?」
と、防衛軍の長、山城議会第6席龍ヶ崎龍人が通信を送ってくる。
「あ、それなら大丈夫ですよ。好きにしろと言われてますし?万が一、あんたみたいな卑怯者が抗議したところでなんなんだって話ですよ。」
心の底から思っていたことを投げてやる。
「なんだと、どこの誰が卑怯者だと‼」
あ、キレた。しかも、どこの誰がって…
「オ、マ、エ。」
「この田舎騎士が‼貴様の首をあのナマイキ女の前に晒してやる‼」
うちの王様をナマイキ女とはな…本当お里が知れる。
「殺れるものならやってみな‼」
とどめとばかりに煽ってやると
「者共出会え‼我が目の前にいる田舎騎士に身の程を教えてやれ‼」
「「「「御意‼」」」」
龍ヶ崎龍人が防衛軍に号令をかけると防衛軍軍隊がこちらへと向かってくる。
「あらまぁ、魔術騎1体に艦隊をまるっとぶつけますか?」
「ふん、心配するな‼貴様はちゃんと私が止めを刺してやる、簡単に逝けると思うなよ。纏え、『暴龍王』。」
そう龍人が言うと、彼の乗る魔術騎の周りに装甲や武装等々が顕れ、機体を包み込む。機体は元の倍ほどの大きさとなり、分厚い装甲に包まれたずんぐりむっくりとした本体に巨大な大砲と巨大な刀を装備した異形の機体が姿を現した。
「へぇ、それが本性か…だっせぇな。」
俺は普通にそう思った。
「者共、磨り潰せ‼たかが魔術騎一騎には何も出来ないことを教えてやれ‼」
そう、無能が叫ぶ
「無能の声はよく響くな、『灯せ、ヤタガラス』。」
その掛け声と共に、ヤタガラスの背部から透き通った蒼の翼が生える。
「行こうか、蹂躙の時間だ‼」
砲撃の真っ只中、敵艦隊へとまっすぐに突っ込んでいった。
前書きでも伝えました通りここからしばらくは主人公が無双します。お楽しみに
来週まではおそらくストックがもつのですが来週からはこれからの自分の頑張りにかかっているところがあったりします。
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次回もお楽しみに~