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故郷への凱旋(プロローグ3)

3回目

『エンタープライズ』を陛下より頂いて1週間、俺達はかの空母を受領し、里帰りするために円卓騎士団専用の港に来ている。


「ねぇ?蒼穹君?『ヤタガラス』は取りに行かなくてよかったの?」


「どうせ先生が持ってくるし、俺が行く理由も無いよ。」


「それもそうだねー。ねぇ、港に行く前にあっこでお菓子とか買っていこ‼」


「りょ~かい。」


と、有名な喫茶店チェーンでフラペチーノと、色んなお菓子を買ってブラブラを歩いていく。


「遅いよー君たち。もう全部積み終わっちゃってるよ。」


と、腑抜けた声でのんびりと俺達に手を振ってくるマーリン。


「先生?帰んないんですか?」


と、聞いてみる。


「ひどいなぁ、ソラは僕は荷物を置いたら用済みかい?」


「そうですね。マーリンさん♪」


と、彩音が斬って捨てる。


「酷いねぇ君のカノジョ。」


「いや、先生大丈夫ですか?こんなに外にいて?」


「ねぇ?ソラ?それはどういう意味かな?」


と、訝しげに聞かれる。


「え?引きこもりの先生がこんなに外にいたら干からびちゃいますよ?」


「嫌だ、もうかのカップル。」


と、リアルに凹んで泣きそうになってる大魔術師て…


「まぁ、そろそろ苛めるのは止めておいてっと、先生?陛下は?」


と、一通り満足したので本題に入っていく。え?大魔術師様のフォローは?って?大丈夫、大丈夫。だって先生ドMだもん。


「ん?アリシアちゃんかい?アリシアちゃんならさっき船の方にいったよ~。君たちも早く行きなさい。」


「じゃあ、船の方行けばいいんですね。綾音行くぞ。」


「うん、じゃあ、お世話になりました。マーリン先生‼」


「俺もお世話になりました。先生。」


「え?何?これって今生の別れなのかな?」 


「「もう会いたくないですね~。」」


「ウソだよね?」


「まぁ、嘘ですけど。」


「私の専用機待ってますので。」


「ふぅ、よかったよかった。ほぼ唯一の弟子に嫌われてるかと思ったよ。」


「まぁ、今までお世話になりましたってのは本当ですけどね。」


「そうだよ。君みたいな規格外を教えるのは本当に楽しかったよ。」


と、先生が手を出してくる。


「はい、では、また会いましょう。『理想郷の魔術師』。」


と、俺も手を差し出し握手をする。


「では、僕も君たちの門出を祝おうか。『幻想の魔王』『魔王の伴侶』。」


しっかり彼と握手をかわす。










「ねえ、蒼穹くん、これが『エンタープライズ』?」


「あぁ、これは思った以上に大きいな…。」


俺達がそう呆然としていると、船から二人の女性が降りてくる。一人はアリシア、もう一人は軍服をゆるっと着崩したお洒落なスタイル抜群のおねぇさんって感じの女性だ。


「やぁ、遅いじゃないか。どこで油を売ってたんだい?ソラ、アヤネ?」


「アリシアちゃん、まだ集合時間の20分前だよ?」


と、彩音が聞くと


「私は二時間も待っているのだよ‼」 


「「ナンデダヨ‼」」


と、流石に俺も突っ込んでしまった。


「仕事をサボりたかった…デスクワークツライ。」


「「「真面目にやれ‼」」」


と、今度は隣にいる女性にすら突っ込まれついでにしばかれている。


「痛いよ、エンタープライズ。」


「貴方はそれでも魔王か?貧弱過ぎないか?」


え?エンタープライズ?


「エンタープライズって言ったか?アリシア…いや、陛下?」


と、俺が聞くと、彼女は


「あぁ、この女性が空母『エンタープライズ』の全機能を掌握しているホムンクルス『エンタープライズ』だ。さぁ、エンタープライズこの二人が君の主だ。」


と、意気揚々と言う。


こっちからするとビックリなんですけど、別の艦船統括型のホムンクルスを見るのはこれが初めてって訳じゃないのだが、俺達が知ってるホムンクルス達はもっと自由人過ぎる気がするんですが…。


「今、紹介されたが、私がエンタープライズだ。これからよろしく頼む。」


「あぁ、こちらこそよろしく頼む。」


「よろしくおねがいしまーす♪」


と、俺、綾音の順で彼女と握手をする。


「ところでだ、その紙袋はなんなのだ?」


と、俺達が持っている紙袋をじーっとみている。


「これか?コーヒーとお菓子だけど?気になるか?」


と、俺が聞いてみると


「そのコーヒーは甘いのか?」


「甘いな。」


「なら、少し飲んでみてもいいか?」


「俺が2個買ってるから1個丸々やるよ。」


と、フラペチーノを1個手渡すと、早速飲んでみてらしく


「なんだ、この甘いものは美味しいじゃないか…いやいや、これは恐ろしい…。」


と、恐ろしいとか言ってるわりにすごい目をキラキラさせている。


それを見た綾音が自分の紙袋からスコーンを取りだし


「エンちゃん、こっちも食べてみて~。」


「なんだ?エンちゃんって?私か?」


「そうだよ~。」


「このお菓子はなんだ?」


「スコーンだよ~。」


「頂こう…これも甘くて美味しい。」


と、着崩した軍服の袖をパタパタさせている


…なんかワンコが餌付けされてるみたいだな。


と思っているとアリシアが咳払いをした。


「じゃあ、後はお前達の勝手にやっといてくれ。私はそろそろ帰らねばならんのでな。では、君達の旅の無事を祈っている。」


と、言い、その場を去っていった。


「では、ソラ、アヤネ、君達の荷物の搬入などは既に終わっている。ついでに出港許可ももう取り付けているがどうする?」


と、エンタープライズが言う、この娘スッゴい準備がいいな…


「じゃあ、もう出港でいいんじゃない?」


「それもそうだな…じゃあ、俺ら以外の乗組員が乗れば出港するか。」


と、俺が言ったが


「乗組員なんていないぞ、私だけだが。」


「故障したらどうするのさ?」


「一応、私の制御下にあるオートマタがやってくれるのだが。」


「へー、ハイテク~。じゃあ、さっさと乗ろうよ、蒼穹くん。」


「じゃあ、案内するからついてきてくれ。」


と、船の中に入り、格納庫、客室、食堂、艦長室、と案内され、艦橋へ、つく。


「ここが艦橋だ。どうだ?我が艦は?かなり快適に過ごせそうか?」


「まぁ、格納庫がデカいのは嬉しいかな?」


「なぜだ?ソラは騎士団を持ってないはずだろ?」


と、キョトンとした顔で聞いてくる。


「あ、エンちゃんは知らないもんね♪騎士団は無くても仲間はいるもんね♪エンちゃんのおねぇさんもうちにいるよ~♪」


と、綾音が答える。


「は?ヨークタウン姉さんが?なんで円卓の騎士が山城やましろの第1特務隊を仲間なんて言うんだ?よくわからん…。」


「まぁ、そこはそんなに深く考えなくてもそのうち慣れるよ。そろそろ、出港して貰ってもいいか?エンタープライズ?」


「了解した、ソラ。ヨークタウン級航空母艦二番艦『エンタープライズ』これより山城へ向け出航する。母港との結合を解除、錨上げ、微速前進、広域レーダー起動、全武装の起動をチェック並びに制御下のオートマタの動作確認スタート…完了、異常なし。キャメロットを抜け次第自動航行へと移行する。」


と、エンタープライズが世話しなくその他諸々の諸確認等を行っている間に元いた港を抜けていく。


こうして俺達はキャメロットを後にして、故郷へと帰ることとなった。












故郷に危機が迫っているとも知らず。
















港から出ていったエンタープライズを眺めている男が一人いた。




「ソラ、僕たちのかわいい末裔。いきなさい、幻想の魔王。君の前には数々の困難が待ち構えているだろう。そう、僕のようにね。だけどね、君、いや君達の未来は希望に満ちている。さぁ、見せてくれ、君達の物語を僕に見せてくれ‼」


そう言って彼マーリンはその場を立ち去っていった。


















キャメロットを出て一日半そろそろ山城が見え始めるであろう所に来た所で突然警報が鳴り出す。


「なんだ?エンタープライズ?」


「ちょっと待て、今調べる…なんだ?これは?山城が攻められている?」


と、エンタープライズが信じられない物を見るかのように目を開く。


「ん~、どうしたの?蒼穹くーん?ふわぁ~、なんかあった~?」


と、綾音が目を覚ます。


「おい、綾音山城が攻撃されてるぞ。エンタープライズどうだ?戦況は?」


「え?攻撃?は?どういうこと?」


「戦況は芳しくないが…おかしいぞ。何故特務隊の専用機が1体もいない?」


「は?それはおかしいだろ?」


「よくわからんが事実だ。この感じだといつ陥落してもおかしくないぞ。」


「とりあえず、『ヤタガラス』の出撃準備を、ついでに何かおかしなことがあれば逐一報告を。」


「了解した…おいソラ、信濃が出撃していない。その代わり旗艦が…姉さん‼」 


「よし、わかった。とりあえず進路はヨークタウン。俺が前に出る。」


「ねぇ?蒼穹くん?私は何すればいい?」


「信濃がいないなら綾音がここで指揮をとって。」


「りょ~かい~。」


と、指示するだけ指示して俺は格納庫へと向かう。


「思ってたより早い実戦だな、いやぁ、本当持ってきてて良かったわ…


と、各種チェックをしていく。


「よし、神経接続開始、成功。『ヤタガラス』起動。」


こうして、俺の愛機に息が吹き込まれる。


片手で数えられる程しか起動していなかったはずなのに凄い手に馴染む。


「ソラ、今から上げるぞ、準備は出来たか?」


「あぁ、出来ている。」


「蒼穹くんがんばれー、はい、射出。」


こうして銀色のカラスが艦から飛び出していった。それと同時に頭部から蒼い焔のような耳が顕れ、飛翔する。


「さあ、里帰りは派手にいこうか‼」


と、魔力を全力で練り上げ魔術を展開する。それと同時に『ヤタガラス』の右手に握られている剣の先端に複雑な魔方陣が複数展開されていき、それらが直列に並んだ所でトリガーを引くと、剣から極太のビームが迸り、空を切り裂いた。













明日からは1日1回投稿です。


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